【考察1】“箱”の中で終わりなき物語を繰り返す――『おそ松さん』2期はOPが意味深!?

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カッコいいのは”無駄に”お金が投入されているから!?

オープニングテーマ『君氏危うくも近うよれ』を歌うのは、1期オープニングテーマ『はなまるぴっぴはよいこだけ』、『全力バタンキュー』でおなじみのアイドルグループ・A応P(えーおうぴー)。和のテイストが混ざった疾走感あふれるイントロに載せて6つ子が飛び出す冒頭のシーンに、ハートをガッチリつかまれた視聴者は少なくないはずです。
1期のオープニングを見返してみると、これまでの二つのオープニングももちろん魅力があるとはいえ、2期のオープニングはダントツでカッコいい! なぜでしょうか? それはやはり、”お金”がかかっているからでしょう。
『アニメージュ』2017年11月号に掲載されていた藤田陽一監督とキャラクターデザイン・浅野直之さんによる対談では、藤田監督が「幸いにも売れたんだから、その資金を無駄に投入していきたい」とコメントしていました。これは、3DCGや実写合成を取り入れた第1話に対する発言ですが、オープニングもその恩恵を受けていることは間違いありません。実際に、第1話で注目を集めた”ちゃんとした6つ子”の合体ロボットは、オープニングにも再登場しています。
特に目を引くのが、スタッフクレジット。1期では1クール、2クールともフラットな文字で記されるだけだった製作陣の名前が、趣向を凝らしたデザインで提示される様には、思わず「お金かけるの、そこかよ!」とツッコみたくなってしまいます。『おそ松さん』という名作ができたのはこの製作陣がいてこそ……と理解しているファンの心には確かに響くものですが、藤田監督の「無駄に投入していきたい」という発言を考えると、これも盛大なウケ狙いなのかも……? いずれにせよ、製作陣の「おもしろいことをやろう!」という心意気が感じられるニクい演出です。



『おそ松くん』と『1期』を経て”今”がある!

さて、2期のオープニングをじっくり見る前に、1期のオープニングを少し思い出してみましょう。

『はなまるぴっぴはよいこだけ』を主題歌にした1期1クール目のオープニングでは、 “個性”が芽生える前の6つ子を象徴するようなモチーフが多数使われていました。例えば、冒頭でいくつもの同じ顔がピョコピョコと動いたり、中盤でビリヤード玉や卵パックなどのモチーフが登場したり。いずれも、6人の区別がつかなかった原作『おそ松くん』を彷彿とさせるような演出です。

対して、『全力バタンキュー』を主題歌にした1期2クール目のオープニングは、初めから最後まで”個性”がある6つ子が描かれていました。表情はしっかりと6者6様に描き分けられ、一貫して赤・青・緑・紫・黄・ピンクというイメージカラーが当てられています。1クールを経て、すっかりおなじみになったおそ松・カラ松・チョロ松・一松・十四松・トド松の個性をアピールするような仕上がりです。

そして、2期のオープニングは、再び”原点”に戻っているような印象を受けます。
まずは、冒頭のティッシュ。白い無地の箱から、白いティッシュを何枚か引っぱり出した後、6つ子カラーをした6色の布が飛び出します。白いティッシュ=「誰が誰でも同じ」の『おそ松くん』から、それぞれ違う色=個性が芽生えた『おそ松さん』へというわかりやすい演出です。また、その他の登場人物やモチーフと一緒に6つ子が飛び出す様子は、1期1クール目のオープニング冒頭を思い起こさせます。
『おそ松さん』というタイトルが出た後、6つ子のパラシュートが開き、長男のおそ松から順番にポーズをキメながら空を降りていきます。1期の最終話で宇宙へと吹き飛ばされ、身体を張って「おわり」という文字を描いた6つ子。「6つ子、帰還。」というコピーとともに発表されたティザービジュアルでも、パラシュートで宇宙から地球へ帰還する6つ子が描かれていました。
♪やっぱり同なじ六つ子さ、と歌われた原作『おそ松くん』。宇宙で”おわり”を遂げた『おそ松さん』1期。それらのストーリーをしっかり引き継いでいることを伝えてくれるようなオープニングです。




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aichu

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