ヒゲダン&星野源は『SPY×FAMILY』をどう表現した?天才アーティストの仕掛けとは

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ですが華やかな本曲は、そんな彼らの愉快な暮らしのみを描いているわけではありません。

曲タイトルの『ミックスナッツ』。これはアーニャの好物・ピーナッツが由来の曲名というだけでなく、歌詞の中では市井に暮らす様々な人々の多様性を描いた言葉です。
Official髭男dism - Mixed Nuts [Official Video]

しかし曲の冒頭に描かれるのは、人に明かせない素性を持つ三人はそんな「ミックスナッツ」ですらない、という内容。
世間一般からあぶれた、マイノリティである彼らの生き様に対するほんの少しの悲しさ。それがまるでナッツの塩味のようにスパイスとして効いた、非常に秀逸な歌詞ともなっています。

【2】星野源『喜劇』のBPMは子供と歩く速度に似ている

一方EDを飾るのは、温かみに溢れた楽曲となった星野源『喜劇』

「家族」を題材にして作られた本作を聴き、そこから「ロイドとヨルに手を引かれ帰り道を歩くアーニャ」という、ありふれた家族の「日常」の姿を思い描いた人もきっと多いでしょう。
『SPY×FAMILY』エンディング主題歌アニメ映像(ノンクレジット)/“SPY × FAMILY” Ending theme song animation

ですが実は上記のようなフォージャー家のシーンは、これまで一度もイラストとして明確には登場していません。
それでも、まるで全員が同じ絵を見たかのようにその風景を簡単想像できるのはなぜか。それはずばり星野源さんの曲作りの妙に、その秘密が隠されていました。
特筆すべき最大のポイントは、本楽曲のテンポ感です。
ゆるやかなこの曲のBPMは、ちょうど人がゆっくり歩くぐらいの速さを想起するテンポに設定されています。
通常の人が歩く速さであれば、実はもう少し早いBPMが理想。ですがこの曲はゆったりと、それこそ子どもの手を引きつつ歩くような速度で曲が展開されているのです。
星野源 - 喜劇 [Behind The Scenes]

アニメでは放送されない曲のCメロでは、実は彼らが手を繋ぎ帰ろうとしているのは、皆さんが想像しているであろう夕方ではなく、「朝陽が登る」中であると描かれています。
人々が眠る夜に本来の仕事を終え、それぞれが岐路につくフォージャー家。そんな彼らの少し歪な「日常」がきちんと描かれている点も、この楽曲の深みであることでしょう。
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