ダメだからこそ愛おしい。『家庭教師ヒットマンREBORN!』優しすぎる主人公・沢田綱吉に学ぶ強さの秘密

そんな大人気作品『家庭教師ヒットマンREBORN!』の主人公は、何をやってもダメダメな「ダメツナ」と呼ばれる中学生の沢田綱吉。しかし、ある日突然最強の殺し屋で赤ん坊の見た目をしたリボーンが家庭教師として現れたことで、生活が一変します。

※一部、作品の内容・展開について触れている部分があります。

他の作品では最初から突出した強さや魅力をもつ主人公が多い中、ツナは運動も勉強もできない、いざという時に逃げ出す所謂「ダメツナ」です。

嘘をついて逃げようするツナでしたが、本気でやっているチームに対して安請け合いしたことや、自分だけ“死ぬ気弾”で楽をしようとしたことを恥じ、踏みとどまるのです。

さらにその後、後の親友でクラスメイト・山本武に対しても嘘をついたこと素直に謝罪したツナ。「ダメツナ」だからこそ自分のダメなところを正直に話し、自分が悪いと思えば素直に謝る。純粋な戦いの力が弱い「ダメツナ」ですが内面が少しずつ成長し、人間としての強さを身につけはじめていることを感じるエピソードです。

しかし戦いや辛い修行が嫌なツナは、あまり積極的な気持ちで修行や戦いに望むことができませんでした。そんなツナの意識を変えたのが、大切な仲間の一人でツナにとって守るべき対象であった5歳のランボが、戦いで命を奪われそうになった時でした。

いつだって戦うことが怖いツナが、必死に仲間を守るために拳を振るい、時に壁にぶつかりもがく様子は、同じように何かの壁にぶつかる私たちとリンクします。そして「ダメツナ」と呼ばれる、超人ではないツナの成長だからこそ、読者である私たちも一緒に成長しようと頑張りたくなるのかもしれません。