米津玄師はなぜオタクの心を刺激する?ボカロP“ハチ”時代からの謎めいた魅力

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彼のハチ時代曲を振り返ると、哲学的・宗教的なモチーフ、アナグラムや暗喩といった言葉遊び、伏線などの要素がとても顕著に現れています。
昔に比べ前面的ではないものの、これらの題材は実は今の彼の曲にも確かに受け継がれている様子。
強い思考活動欲を持つオタクと呼ばれる人々の中には、これらが言わば大好物の方も多いのではないでしょうか。

ニコニコ動画に現存するハチ楽曲のうち、2作目となる『Persona Alice』や5作目の『Qualia』、14作目の『リンネ』
これらの曲には、哲学で人格を意味する言葉である「ペルソナ」、意識や経験による感覚を示す言葉の「クオリア」
そして仏教に由来する言葉である「輪廻」などのワードがタイトルにも冠されていますね。
ハチ MV「リンネ」HACHI / Rinne

また9作目の『恋人のランジェ』。曲タイトルのランジェは、一説に寄ればドッペルゲンガーという単語の「ドッペル」の部分のアナグラムだそう。
さらにやはりハチ時代の曲を語る上で欠かせないのは、彼の名を一躍有名にした『結ンデ開イテ羅刹ト骸』でしょう。
表面的には花札のモチーフを用いながらも、歌詞には様々な裏読みが捗る日本語を多数織り込んでいます。
さらにハチ時代の彼は、複数の楽曲に共通の物語性を持たせていたことでも有名です。
アルバム『OFFICIAL ORANGE』(ハチ名義)収録の『病棟305号室』の前身となった楽曲、『雨降る街にて風船は悪魔と踊る』。
本作は『お姫様は電子音で眠る』の前日譚としても知られています。

このような、楽曲の中にオリジナリティのある世界観の物語を込める手法。これもまた想像や考察が捗る、オタク受けの良い1つの方法でもあるでしょう。

⇒次ページ:“米津玄師”に残る、“ハチ”の欠片
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