2020年は“イケオジ”がブームの予感？プロ書店員に理由とオススメ作品を聞いた【津田健次郎の裏話も！】

2020年の上半期も近づく今日このごろ。今年は実写ドラマ化やアニメの続編製作の決定など、話題となりつつある作品が目白押し！
今回は、書店員・すず木さんに『2020年にヒットしそうな女性向け “新ジャンル”』を大予想していただきました。
すず木さんは2005年より電子書籍サイトBookLive!の仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。年間に読むマンガの冊数は2000冊以上という強者。

そこで今回は電子書籍サイトBookLive!さん協力のもと、いまキテる作品をご紹介。これを読めば、注目作品をさきどりできること間違いなし！

2019年以降、『おっさんずラブ』や『きのう何食べた？』がヒットし、これまでの少女マンガの「自分をヒロインに投影する」視点から、俯（ふ）瞰の視点で楽しむ作品が増えているとのこと。

「自分とは全く異なる世代や、それまで接点がなかった世界の男性と出会うことによって、女性が新たな価値観を得て、生活が充実していくような物語がヒットする予感がします。」（書店員・すず木さん／以下同）

『おっさんずラブ』や『きのう何食べた？』にも共通して言えるのですが、作中の登場人物の中で目立っているのは“なんでもこなせてしまう「イケてるオジサマ」”たち。これを略して「イケオジ」。
「接点がなかった世代」が新たな価値観を女性たちに与えてくれる……。そこで鍵となるのが「イケオジ」なんだとか。

「現代のオジサマは落ち着きもありながら、適度な熟（こな）れ感があり、清楚に身だしなみを整え、仕事もできる……と、憧れの対象であることが多いようです。そんな現代の“オジサマ”が出てくるオススメ作品をご紹介します！」

■おススメ【１】
『ゴマ塩とぷりん』（鈴木有布子／NINO）

勢いで結婚!?
ガテン系女子の危険なルームシェア♡
「物静か・清潔感・家事が得意・イケメン・そして書道家という職業…これぞイケオジ！
そんなオジサマと酔った勢いで結婚することになったガテン系女子とのラブストーリー。
このオジサマのワケアリ感がたまりません……。」

■おススメ【２】
『やわ男とカタ子』（長田亜弓／祥伝社）

オネエvs喪女が
まさかの化学反応を巻き起こす!?
「超卑屈喪女が合コンで知り合った男はまさかのオネエだった！
そんなオネエ男性のよって喪女が「女」として磨かれていくというシンデレラストーリー！！
女子としての気持ちを理解しつつアドバイスをくれるイケオジは、イケオジofイケオジです！！
普通のおじさんに言われたら「キモ！」となるところが、オネエなおじさんに言われると素直に受けとれてしまうのが不思議です……。」

■おススメ【３】
『ふたりソロキャンプ』（出端祐大／講談社）

自然を愛するイケオジが
女子大生とキャンプをするはめに!?
「キャンプやアウトドアがテーマの作品の人気が高まっている中、
こちらは女子大生とオジサンという異色の組み合わせです。
ふたりとも恋に鈍感すぎて読んでる側がヤキモキしてしまいますが、
ラブストーリーを楽しみつつ、キャンプの知識も得られるという、一石二鳥の作品です。」

「もう一つ、あわせておススメしたい作品があります」とすず木さんが“最推し”として紹介してくれた作品を最後にご紹介！

「イケオジ」の中に「かわいいものが好き」というギャップを共存させた新ジャンルこそ「オジかわ」！
悶えるようなかわいいギャップはまさに奇跡としか言えません。
最後にもう一作、すず木さんイチオシ作品がこちらです。

■すず木さん最推し！
『おじさんはカワイイものがお好き。』（ツトム／フレックスコミックス）

ダンディなオジサマが一転、
かわいいものにデレまくり
「管理職のオジサマが、実はカワイイキャラクターやファンシーなものが好きなことを隠して生活しているという、まさにギャップ萌えの物語。
“カワイイもの好き”ということが周りにバレた際に“カワイイもの好きなおじさん”のイメージを悪くしないために、普段の生活から気を付ける……という健気さがたまりません。」

現在、『おじさんはカワイイものがお好き。』第4巻の発売を記念し、総合電子書籍ストア「BookLive!」の公式Youtubeチャンネルにて、マンガ動画公開中！
このマンガ動画は声優・津田健次郎さん＆佐藤拓也さんの”録り下ろし”とのこと……！
こちらの記念動画の制作秘話をすず木さんにお伺いしました。

「『おじカワ』の主人公小路課長をイメージした時に最初に思い浮かんだのが津田さんでした。
小路課長のダンディな様子から、推しキャラを想いデレる様子、カワイイもの好きであることがバレないかヒヤヒヤする様子を魅力たっぷりに演じ分けていただけました。

また、ライバルの鳴戸課長は、ボイス付き動画ならではの掛け合いの面白さを出すために、津田さんとは異なるキャラクターを対照的に演じられる佐藤さんにお願いしました。
小路課長と鳴戸課長のやりとりは視聴者の皆さんから好評で、本作を知らなかった方々に興味を持っていただくきっかけになりました。

――ちなみに、最後の方で、猫とじゃれる鳴戸課長のセリフは、マンガにも台本にもなかった佐藤さんのアドリブなのですが、作者のツトム先生からも絶賛され採用されました。
両課長の部下たちもしっかりお芝居をしていただいているので、ぜひ細かいところまで楽しんでいただけたらと思います。」

「BookLive!では『おじさんはカワイイものがお好き。』新刊配信記念フェアも実施中！　あわせてチェックをしてみてくださいね！　『おじさんはカワイイものがお好き。』新刊配信記念 カワイイは正義！フェアも開催中です」

すず木さん、ありがとうございました！　

実は「イケオジ」の魅力はまだまだ留まることを知りません……。
ということで次回、【第2回】の記事ではさらに「イケオジ」について深堀りしていきます！
『TIGER＆BUNNY』や『極主夫道』など、話題作品について伺いました。
お楽しみに！