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金子大地、小越勇輝『腐女子、うっかりゲイに告る』第5話 ゲイを好きになるのはいけないことなの?

NHKよるドラ『腐女子、うっかりゲイに告(こく)る』。

ゲイであることを隠して生活する高校生・安藤純(金子大地さん)と、腐女子である三浦紗枝(藤野涼子さん)2人が直面する葛藤や、周囲を巻き込んで築き上げられていく関係性が描かれます。

そして同じくゲイであるミスター・ファーレンハイト(声:小野賢章さん)。ネット上だけの友人でありながら、純が唯一すべてを打ち明けられる彼の言葉が、純の心と物語を動かしていきます。

第6話の前に印象的なシーンとともに振り返っていきましょう!

第五話「Bohemian Rhapsody」あらすじ

マコト(谷原章介さん)とのキスシーンを見られ、紗枝に暴言を吐いてしまった純。学校では、麻衣(吉田まどかさん)亮平(小越勇輝さん)との仲を取り持ってくれるよう、純と紗枝に協力を求めますが、2人は口を利くどころか、まともに顔も合わせません。

その様子に気づいた小野(内藤秀一郎)は「別れたのか」と純に詰め寄りますが、自暴自棄になっている純は「なんでそんな亮平のこと気にするの?好きなの?」と小野を挑発するのでした。

同じように、純の様子に気づいていた亮平は、純と一緒に帰ることに。公園のベンチに腰かけながら、自分の「親友」となってくれた亮平との出会いを思い出す純。何も知らない亮平は純に、今の自分を素直に紗枝に伝えるようアドバイスします。

そうして純はついに、美術室で紗枝に真実を打ち明けます。

自分がゲイであること、妻子あるマコトさんと付き合っていること、普通の人生をあきらめられず紗枝と付き合ったこと、紗枝なら好きになれるかもと本当に思ったこと……。本当に申し訳ないと思ってる、と。

純の告白の直後、美術室に小野の姿が。2人の会話をすべて聞いていた小野は逆上し、純につかみかかります。

翌日、いつもどおり登校した純ですが、教室の空気がいつもと違うことに気づきます。純がゲイである、という話は、学校中に広まっていました。

追い詰められた純は、とうとう教室の外にあるベランダの手すりの上に立ちます。その姿を中庭から見つけた紗枝は、身を翻して駆け出し、純のもとへと急ぎますが……。

亮平の想い「純くんは、三浦のこと好き?」

麻衣に告白され、断ったことを公園で純に話す亮平。「好きじゃなかったんでしょ」という純に「好きだけど、そういう好きとは違う好き」「俺がそういうふうに好きなのは、三浦だから」と、今も紗枝に思いを寄せていることを伝えます。

「純くんは、三浦のこと好き?」

亮平にそう聞かれ「わからない」と答える純。それはごく自然に、純の心から出た言葉でした。温泉での起きた出来事を、もちろん亮平は知りません。それでも亮平は「今の純くんをまるごと素直に伝えてみたら?」と純に言います。

2人が別れることを期待しているわけじゃない。ただただ、幼なじみと自分の好きな女の子が幸せであるように願う亮平があまりにもピュアで、切なくなるシーン。そうやって純粋に2人を案じるその言葉は、たしかに純の背中を押すのでした。

紗枝の想い「ゲイなんか好きになる方が悪いってことなの?」

純の告白を聞き、マコトとの関係を「不倫」と言った紗枝。自分のことも、普通に見せるために利用して馬鹿にしているのか、と憤ります。

「ゲイなんか好きになる方が悪いってそういうことなの!?」
そんな紗枝の言葉を「違う、それは絶対に違う」と力強く否定する純ですが、それは紗枝にとって何の救いにもなりません。

「安藤くんを本気で好きになって、その話を聞いて、いまさら嫌いになれない私はどうしたらいいの?」
「絶対に振り向いてくれない人を本気で好きになった私はどうすればいいの!?」

ゲイであるとわかったところで、純を嫌いになどなれない。紗枝が悲しいのも苦しいのも腹立たしいのもすべて、純を好きだからなのです。

紗枝の、純への真っ直ぐな愛は、最初から何も変わることはなく、そんな紗枝だからこそと心を開きかけた純がこうしてすれ違ってしまったことが、この上なく苦しい……。紗枝の想いが純に、そして観ているわたしたちにも突き刺さります。

純の想い「なんで僕のことなんか好きになるんだよ」

ベランダの手すりに立つ純を、必死に引き留めようとする亮平。しかし純は「僕がこんなふうに生まれちゃったから」「もう疲れた」と、すべてを諦めていました。紗枝もその場に駆けつけますが、紗枝の姿を認めた純はひとこと「バイバイ」とだけいい、そのまま体を宙へ投げ出してしまいます。

(ああ……欲しかったな……普通が)

ブラックアウトする画面。

しかし、冷たい雨のようなものを感じ、純は意識を取り戻しました。地面に体を叩きつけられたであろう純は身動き一つ取れず、薄っすらと目を開くと……横たわる純のかたわらに、泣きながら何かを叫んでいる紗枝が。

「泣かないで……」
「僕は、ちゃんと三浦さんが好きなんだよ」
「ただ、どうしても勃ってくれないだけなんだ」

その声は聞こえないながらも、紗枝を気遣い、紗枝への思いを言葉にする純。それは亮平からの問いかけへの答えでもあり「好きとは何か」「普通とは何か」と、純が抱えてきた思いを表したものでもありました。

第7話の冒頭で、「なんで僕のことなんか好きになるんだよ……!」と絞り出すように叫んだ純。でもそれは、純も紗枝のことを「好き」だったからこその苦しみだったのだと思います。紗枝と普通の恋人同士になれたらどんなにか良かったかと、純自身が思っていたはず。

そんな純の紗枝への愛情もまた、どうしようもなく純粋なものなのです。

第6話、純のそばには紗枝の姿が

自殺を図った純ですが、一命をとりとめた様子。次回予告で入院先のベッドに横たわる純の隣には、紗枝の姿がありました。なにか吹っ切れたように笑う純と、決意を秘めたような表情の紗枝。

純は母親にも自分の思いを伝えるようですが……亮平は、小野は、クラスメイトたちは?いよいよクライマックスに差しかかる第6話、今夜放送です!

執筆:森本マリ

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