【考察3】生きている人間のように生々しい。『おそ松さん』1クール目に見る6つ子のキャラ変

1期では独特なカラ松ワールドを繰り広げ、“イタい”発言をして兄弟からスルーされるのが定番だった次男・カラ松。ところが、2期ではそんな彼のポジションが少し変化したように映ります。

5話の『サマー仮面』では、サマーを満喫できていない“もやしボーイズ”こと他の5人たちに“サマーフラッシュ”を浴びせ、5人から感謝と憧れの眼差しを受けます(おそ松と一松に「誰だ」と言われているように、サマー仮面はカラ松と全くの同一人物として描かれているわけではないようですが……)。『今年こそは』では、サングラスを提供したうえでガールズウォッチングの極意を得意げに伝授し、兄弟たちからまたしても感謝されていました。

極度のナルシストで、変わり者のイメージが色濃かったカラ松ですが、今期ではまじめな常識人っぷりも見せています。
4話『松造と松代』では、夫婦仲が冷めてきたことを妻・松代のせいにする松造に対して、「ちょっと待て。さっきから聞いてれば、なんかまるで母さんだけが悪いみたいになってないか?」と叱咤。おなじみの怪しい英語混じりのカラ松節も、やや控えめな印象です。

一方、10話『カラ松とブラザー』では、頼み事はなんでも聞いてくれる優しい兄のように振る舞っているカラ松が、実は兄弟たちを「殺したい」と感じていたという、かなりヘビーな一面が明らかになりました。
2017年10月13日開催の“アニメフィルムフェスティバル東京2017”にて、製作陣から「今までにない組み合わせ」をフィーチャーすると言われていた2期。3話『チョロ松と一松』、7話『おそ松とトド松』に対し、この『カラ松とブラザー』という回が設けられたのは、1期で彼が兄弟と絡む描写が比較的少なかったからかもしれません。

チョロ松:“常識人”キャラは今いずこ……

1期1クール目では、公式サイトのキャラクター紹介にて「6つ子の中では唯一の常識人なのでツッコミ役になることが多い」と書かれていた三男・チョロ松。ところが、1期2クール目では「6つ子の中では唯一の常識人?」と“?”マークが追加され、2期の紹介文からはついに“常識人”の文字が消されてしまいました。代わりに付け加えられたのは、「まじめそうに見えてそうでもない。自意識が高く、指摘されるとオラつく」という紹介文です。

キャラクター紹介のとおり、2期のチョロ松は少しツッコミどころが多くなっています。
4話『松造と松代』では、6人でまじめな雰囲気で松造を説いていた中、いきなり「そのために童貞に戻ろうよ」とぶっ飛んだ作戦を提示。6話では、貧しさから6つ子に助けを求めるイヤミを「海に捨てようぜ」と提案。9話『キャンペーン発動!』では、大声で感想をまくしたてながら深夜までライトノベルを読んでいた自分のことを棚に上げ、消灯を要求する一松に「本当マイペースだよな、お前って」と言い切り、寒い中ベランダで寝るよう促します。13話『よいお年を』ではイヤミをスノーボードのように乗りこなし、『年賀状』では「就職ができました」という嘘を書いた年賀状を、必死で止めようとする兄弟を無視して投函してしまいました。

まさに「まじめそうに見えてそうでもない」方向へと爆走しているチョロ松。10話『カラ松とブラザー』でトド松から「チョロ松兄さんって、ちゃんとしてるようで結構チンピラだよね」と言われたように、板についたオラつき具合でも視聴者を笑わせてくれました。
『CUT』2018年1月号掲載の脚本家・松原秀さん、カラ松役・中村悠一さん、一松役・福山潤さん、十四松役・小野大輔さんの鼎談では、松原さんが「みなさんがオフで話してる時の関係性を活かせたらなとか、みなさんの感情が乗るようなやり取りとかは入れてます。神谷さんのオラつきとか(笑)」と発言。このオラつきっぷりにはチョロ松役・神谷浩史さん自身の影響もあるのですね。

一松:まじめで神経質な“ドメスティックパリピ”

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