名言が深い…『進撃の巨人』最終話の影で“オニャンコポン”に密かな注目が。ハンジと関係や名前の由来は?

4月9日、約11年の連載に幕を閉じた超人気漫画『進撃の巨人』(諫山創/講談社)。最終話が掲載された『別冊少年マガジン(5月号)』は重版が決定し、大きな話題を呼んでいます。

進撃熱が冷めやらぬなか、先日まで放送されていたアニメ『進撃の巨人 The Final Season』にも登場し、多くのファンの心を掴んだキャラクターがいます。そのキャラクターとは、反マーレ派義勇兵の青年・オニャンコポンです。

声優を担当するのは樋渡宏嗣さん。初登場以降も、画面に映るたびにツイッターのトレンドに名を連ね、『進撃の巨人』を知らない人でもオニャンコポンが一体何なのか気になっていたとかいないとか……。
そこで今回は、今や物語に欠かせない存在になっている“オニャンコポン”の魅力に迫ります。

※記事の特性上、原作の内容に触れています。

TVアニメ「進撃の巨人」The Final Seaso...

TVアニメ「進撃の巨人」The Final Season公式サイト画像

魅力その1:一度聞いたら忘れられない…名前の由来は?

オニャンコポンの基本プロフィールを見ていきましょう。当初彼は、主人公のエレンたちが住むパラディ島に攻めてきたマーレ陸軍の兵士のひとりでした。

しかし、マーレ兵士は仮の姿。彼の正体は、マーレに反旗を翻しエルディア人の解放を目指す“反マーレ派義勇兵”のメンバーだったのです。オニャンコポンは、義勇兵幹部のイェレナとともにパラディ島に滞在し、マーレの先進文明を伝えて島の発展に尽力します。

オニャンコポンが初めて登場したのは『進撃の巨人』26巻104話「勝者」、アニメでは66話「強襲」

作中では、調査兵団14代団長のハンジから「さあ…頼んだよ オニャンコポン」と、肩に手を置かれて「任せてくださいハンジさん!!」と力強く答える様子が描かれています。

当時単行本を読んでいた筆者は、マーレ編の怒涛の展開に加えて、突如現れた新キャラに対し「オニャ…ポン…?え?」「すでにハンジさんから信頼されているみたいだけど、誰なの?」「ていうか、オニャンコポンって何」と、ちょっとしたパニックに陥ったのを覚えています。

アニメ派の人も「オニャンコポン」という激強ワードには耳を疑ったはず。一度聞いたら忘れられない彼の名前は、魅力のひとつといえるのではないでしょうか。

なみにオニャンコポンは、アフリカ西部のアシャンティ族に伝わる“天空神”の名前として実在しています。作中のオニャンコポンも飛行船の操縦士なので、現実とのリンクも楽しめますね。

魅力その2:ハンジとの信頼関係が胸アツ

オニャンコポンは、島に滞在した3年間で鉄道を作り、貿易の手助けをするなど、エルディアの発展に尽くしてきました。とくに、頭脳派のハンジとは相性がよく、共に汗をかきながら信頼関係を築いていきます。

しかしその後、パラディ島側に対する造反の疑いが義勇兵にかけられ、オニャンコポンは調査兵団の人質になってしまいます。そんななか、義勇兵のリーダー・イェレナの目的に違和感を覚えたハンジは、人質として軟禁されたオニャンコポンを連れ回します。

その際のやりとりがこちら……。

『進撃の巨人』33巻(講談社)画像

『進撃の巨人』33巻(講談社)画像

via 『進撃の巨人』33巻(講談社)
「私について来てくれ、オニャンコポン」
「え…? ここから出るってことですか…?」
「私が話をつけるから行くよオニャンコポン」
「えぇ…何かイヤなんですが…」
(原作・110話より引用)

ハンジに振り回されるオニャンコポンの姿は、亡き調査兵団第四分隊副隊長のモブリットと重なり、目頭が熱くなりました。

怒涛のクライマックスに突入した33巻では、彼の強い覚悟が伝わってきます。
アルミンたちを乗せた飛行艇は、ハンジが足止めしてくれたおかげで離陸できました。飛行艇の操縦士はオニャンコポン。彼は、操縦桿を握りながら、15代調査兵団団長のアルミンにこう語ります。

「ハンジさんが繋いでくれたこの飛行艇…最後の望み 俺が必ず基地まで届けてみせる!! 必ずだ!! だから…必ず「地鳴らし」を止めてくれ。何としてでも…」
(原作・133話より引用)

オニャンコポンの決意の表情に、多くの読者が胸打たれたのではないでしょうか。

魅力その3:クールな思想から深い名言も

主要キャラのなかで唯一、肌が黒いオニャンコポン。サシャに「ところでオニャンポコン(※原文ママ)は何で肌が黒いのですか?」と尋ねられた際、彼はこう答えます。

「俺達を創った奴はこう考えた。いろんな奴がいた方が面白いってな。
巨人になる人間『ユミルの民』も同じさ。俺達は皆求められたから存在する」

(原作・106話より引用)

彼は、マーレに故郷を奪われた小国の出身。そのため、マーレ人以外を認めずに蹂躙するマーレのやり方に強い憤りを感じていました。その対象がたとえ、パラディ島の悪魔「ユミルの民」だとしても、誰も彼らの存在を否定することはできない。オニャンコポンの思いが読み取れる名言です。

『進撃の巨人』33巻(講談社)画像

『進撃の巨人』33巻(講談社)画像

via 『進撃の巨人』26巻(講談社)
かわいらしい名前の響きとは裏腹に、信頼できるクールな男・オニャンコポン。すでに最終話を読んだ人はもちろん、単行本最終巻、アニメ最終話を待ち望んでいる人も彼を軸に読み返すと、物語にさらなる深みが増すはずです。

(執筆:清談社)

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numan編集部

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