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『呪術廻戦』七海建人の“あの言葉”は核心を突いていた。大人になることへの深いメッセージ

アニメ化を機に、一躍その人気が大勢に広まりつつある『呪術廻戦』。本作が人気となったポイントの1つとして、やはり多彩な魅力あふれるキャラクターたちの存在があることでしょう。

主人公の虎杖悠仁を始めとした3人組や「最強」の名を冠するイケメン教師・五条悟、敵の呪霊を率いる元呪術師・夏油傑。数々の人物が登場する本作ですが、今回はそのキャラたちの中でも異色の存在である呪術師・七海建人の名言をピックアップします。

より複雑な人生経験を持つ“働く大人の男”七海。その金言はネット上を騒がせたこともありますが、実は核心をついている言葉なのです。

DVD『呪術廻戦』Vol.3 画像

DVD『呪術廻戦』Vol.3 画像

via DVD『呪術廻戦』Vol.3

名言「労働はクソ」。実は核心をついている?

この作品で彼が異色たる所以はサラリーマンという、命の掛かった呪術の世界からはかけ離れた「普通の世界」の人間としての生活を一度送った経歴がある点。
さらにあわせて言えば一度は普通の世界で生きる人間となったはずが、再び命の危険を侵す呪術の世界へ出戻ってきた、という点も、常人ならば考え辛い彼の異色の経歴ともなっています。

ですがそんな彼だからこそ、作中ではある意味読者である我々が最も共感できる普通の感性を持った人物の1人でもあります。中でも彼が呪術師という「仕事」に対して持つ持論は、主に働く大人や社会人を中心として「わかりみが深い…!」と大勢の間で話題になりました。

“私が高専で学び気づいたことは 呪術師はクソということです
そして一般企業で働き気づいたことは 労働はクソということです
同じクソならより適性のある方を 出戻った理由なんてそんなもんです“

(『呪術廻戦』3巻より引用)

七海の名言の中でも、非常に印象深いセリフと言えばまずこちら。
特に2行目に関しては大勢の労働に勤しむ人々から熱い支持を受けるセリフとして、SNSなどでも話題となりましたね。

その部分だけがどうしてもピックアップされがちではありますが、この言葉は実はかなり「仕事」という物事の核心をついたセリフでもあるのです。

多くの人がやりたくなくてもやらなければいけない「仕事」。労働というものは、この国に住む以上どう抗っても逃れることのできない国民の義務でもあります。

実はこの「仕事」というものについて、上記の七海のセリフと全く同じニュアンスの名言を残した著名人がいます。それは今や多くの人々にインテリタレントとしても知られる、林修先生です。
林修先生は過去に『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)に出演した際、こんな名言を残しています。

“人は仕事を選ぶとき、「自分ができること・できないこと」と「自分が好きなこと・好きじゃないこと」の二軸で考える必要がある。
一番の理想はもちろん「自分ができるかつ好きなこと」を仕事にすること。けれどそれが叶う人なんてほんの僅か。ならば次に選ぶべきなのは「自分が好きじゃないけどできること」である。”

この林先生の言葉を借りるのであれば、七海にとっては当然労働そのものはどちらにせよクソなこと。それであればより適性があって、自分が「できる」仕事を選んだ。そういったニュアンスが感じ取れるセリフでもあるでしょう。

大人になるってどういうこと?七海流の回答は…

“君はいくつか死線を越えてきた でもそれで大人になったわけじゃない
枕元の抜け毛が増えていたり お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消したり
そういう小さな絶望の積み重ねが 人を大人にするのです“

(『呪術廻戦』3巻より引用)

呪霊との共闘の中で、“ガキ扱い”をされてかちんときた悠仁に対して七海が言い放ったのがこちらのセリフ。
ある意味でリアルな、そして七海らしくない少し皮肉の効いた“小さな絶望”に思わずくすりとしてしまった方もきっと多いのではないでしょうか。

ですがこの言葉もまた、非常に物事の本質を捉えたセリフでもあるように思います。
強大な敵・真人と向かい合う中で自分が子どもであること、“庇護されるべき存在”であることへの苛立ちや焦りを抱える悠二。

早く大人になりたい、自分も七海のように誰かを守れる存在になりたい。そんな思いを抱える悠仁への、大人に「なってしまっている」七海からのメッセージが、この台詞の本質には隠されています。

七海は作中で再三、悠仁に「焦って大人になる必要はない」という旨のメッセージを伝えています。
それは彼自身も言う通り、彼が子どもを守る大人の役目からのセリフである一方で、悠仁がまだ子どもだからこそ出来る事がある、という事も暗に伝えようとしているのでしょう。

子どもだからこそ託された理想を追い掛け続けるし、子どもだからこそ自分の限界がわからず無茶をする。けれどそれは大人になってしまった自分には持ちえない、彼らだけの特権で、才能でもあるのです。

時には彼らが子どもであるからこそ、救える存在や守れる命がある。無機質な言葉を投げかけつつも、子どもが子どもであることの意義もきちんと知っている。一方的に単なる庇護するべき対象という認識で一括りにせず、かといってそこに説教臭さを感じさせたりもしない。

それこそが、七海建人という人物がどこまでも「大人」としてカッコいいキャラクターである理由なのかもしれません。

(執筆:曽我美なつめ)

七海建人(ななみ・けんと)プロフィール

七海建人(ななみ・けんと)

所属:東京都立呪術高等専門学校OB
等級:一級呪術師
誕生日:7月3日
身長:184cmくらい
好きな食べ物 :パン、アヒージョ
嫌いな食べ物:平麺

■アニメ『呪術廻戦』第10話、呪術師・七海の宣言に全社畜が泣いた「労働はクソ、その通り…」「上司になって」
https://numan.tokyo/anime/6SCpf

■『呪術廻戦』五条悟、最強の呪術師。惹きつけてやまない4つのポイントとは【呪術キャラの魅力】
https://numan.tokyo/comic/vpGdx

■『呪術廻戦』乙骨憂太、術式の謎。考えられる2つの可能性とは【呪術キャラの魅力】
https://numan.tokyo/comic/OrG5H

TVアニメ『呪術廻戦』作品情報

2020年10月より毎週金曜日深夜1時25分から
MBS/TBS系全国28局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて放送

(※終了しました)

少年は戦う―― 「正しい死」を求めて

辛酸・後悔・恥辱
人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む
呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く

そして、呪いは呪いでしか祓えない

驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、
ある日“呪い”に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう

呪いである“両面宿儺”と肉体を共有することとなった虎杖は、
最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……

呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす―

スタッフ&キャスト

【STAFF】
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:朴性厚
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史
音楽:堤博明・照井順政・桶狭間ありさ
制作:MAPPA

オープニング・テーマ:Eve『廻廻奇譚』
エンディング・テーマ:ALI『LOST IN PARADISE feat. AKLO』

【CAST】
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒 恵:内田雄馬
釘崎野薔薇:瀬戸麻沙美
五条 悟:中村悠一
両面宿儺:諏訪部順一
禪院真希:小松未可子
狗巻 棘:内山昂輝
パンダ:関智一

アニメ『呪術廻戦』PV

TVアニメ『呪術廻戦』PV第1弾

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numan編集部

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