『ONE PIECE』物語の終着点はどうなる？ルフィの“夢の果て”や麦わら帽子の伏線とは

7月22日に連載25周年を迎え、8月6日には劇場版最新作『ONE PIECE FILM RED』の公開も控え盛り上がる『ONE PIECE』。原作はいよいよ最終章ということで、ルフィの冒険の集大成が見られる日も近づいてきました。

麦わら帽子の少年が海賊王を目指す！　といたってシンプルなゴールを掲げてスタートした物語ですが、空白の100年や“Dの一族”、古代兵器など複雑な要素が絡み合い、今や壮大な世界をかたち作っています。

【前編】では、ひとつなぎの大秘宝“ワンピース”はじめ数々の謎の秘密が眠る重要事項「空白の100年」に残る謎をお伝えしました。
【後編】となる本記事ではそんな空白の100年が紐解かれ、ルフィが“ワンピース”を手に入れたさらにその先のこと……シャンクスから預かっている麦わら帽子のゆくえと、ルフィの“夢の果て”について考えていきたいと思います。

⇒【前編】『ONE PIECE』最終章、全ては空白の100年に繋がる。謎を解き明かす４つの要素
https://numan.tokyo/comic/4IUNN

“麦わらのルフィ”“麦わらの一味”と、麦わら帽子といえばルフィのトレードマーク。

そして「いつかきっと返しに来い　立派な海賊になってな」（シャンクス）の有名なシーン通り、いつかシャンクスを超える海賊になって返しに行くと約束して預かったものであり、物語のきっかけのようなアイテムです。そのため敵に粗末に扱われようものなら激昂するほど、ルフィにとっては大事な宝物なのです。

また、この麦わら帽子は、ロジャー・シャンクス・ルフィと脈々と受け継がれている重要なアイテムでもあります。
受け継がれていく、という点からは“Dの意志”と何か関わりがあるのではないかという噂も。ロジャーがシャンクスへ帽子を受け継いだタイミングや経緯も気になりますね。

さらに、コミックス90巻ではイム様の登場と共に、聖地マリージョア・パンゲア城内にルフィのものと同じフォルムをした巨大な麦わら帽子が冷凍（？）状態で安置されていることが明らかに。2つ目の麦わら帽子が登場し、麦わら帽子の重要性があらためて示唆されました。

マリージョアの麦わら帽子が巨大なのはなぜか。誰が被っていたのか。はたまた麦わら帽子は何かのシンボルなのか？　ルフィの麦わら帽子との関係性は……。麦わら帽子もまた、『ONE PIECE』最終章に向けて残る謎の一つです。

また、『ONE PIECE』のタイトルロゴが2つの麦わら帽子の役目を伝える伏線になっているという噂も。

『ONE PIECE』のタイトルロゴには、「O」と「I」に大小2つの麦わら帽子が描かれていますよね。

Oを表すドクロが被った大きな麦わら帽子、そして「I」を表すヒト型（＝ルフィ？）が被った小さな麦わら帽子と、あえてロゴ麦わら帽子が2つ登場するのは、作中の2つの麦わら帽子を示しているからだと言われているのです。

そして同時に、2つの麦わら帽子の位置関係から、『ONE PIECE』は「O」に位置する大きな麦わら帽子の持ち主から始まった物語であり、「I」に位置するルフィが“ワンピース”の一部となってストーリーを完成させることを暗示しているとも言われています。

（ちなみに「O」に位置する大きな麦わら帽子の持ち主は、ドクロであることから空白の100年に生きた過去の人物であろうと囁かれています。ここにも空白の100年の断片が……！）

「麦わら帽子の人物から始まり、麦わら帽子の人物が物語を完成させる」というのは、ルフィがシャンクスから「麦わら帽子を預かるところから始まり、シャンクスたちを超え冒険が終わりを迎えたとき麦わら帽子を返す」という構図とどことなく重なります。

空白の100年が紐解かれ、ワンピースを手に入れ、世界がひっくり返る。
そうして海賊王となり、まさにシャンクスを超えたルフィが、麦わら帽子を返しシャンクスとの約束を果たすことで『ONE PIECE』の物語が完成するのかもしれません。

そして『ONE PIECE』の結末として、もうひとつ忘れてはいけないのがルフィの“夢の果て”。ルフィの夢はもちろん海賊王になることですが、その夢には続きがあるのです。

悔いのないよう生きてきたエースが、死の間際に言いました。
「心残りは……一つある…お前の──“夢の果て”を見れねェ事だ……」。

幼い頃、ルフィは海賊王になったらしたいという夢のその先を語ったことがあります。そしてのちに、ルフィのこの“夢の果て”は、ロジャーと同じだったことが明らかになりました。

その内容を知っているのは、エース・サボ・白ひげ・おでんと、ヤマト。
それぞれルフィ・ロジャーの“夢の果て”を聞いた反応はといえば……エースは呆れ、サボは大笑い。白ひげは「ガキでもあるめェし！！！」と笑い、おでんは呆気にとられていました。そしてヤマトは、驚いたのち「僕は笑わないよ……！！！」と感涙。

“夢の果て”はなんだか笑っちゃうようなことらしいのですが……一体どんなことなのでしょう。

きっと、ルフィらしい自由で楽しいものなのだろうと想像してしまいます。読者の間では、世界中の人と大きな宴をすること、という説が多く支持されているよう。

いよいよ動き出す最終章、物語のクライマックスは空白の100年が紐解かれるところから始まり、ルフィが海賊王になった暁にシャンクスとの約束が果たされ、“夢の果て”が描かれる。そこが物語の終着点となるのではないでしょうか。

また、ルフィの夢はもちろん、各々志を持って船に乗っている麦わらの一味のみんながどう夢を叶えていくのかも最終章で注目したいポイント。

「勇敢な海の戦士になる」というウソップの夢や、「なんでも治せる医者になる」というチョッパーの夢などは、これまでの冒険の中でほぼ叶っているようにも感じられます。
一方で世界一の大剣豪を目指すゾロとミホークの再戦、サンジが探し求めるオールブルーはどこにあるのか、ブルックとラブーンの再会……など今後どのような展開をもって叶えていくのか気になるメンバーも。

再会といえば、これまで「またな」と別れてきた各地の友達や、“仲間”として別れたビビとの再会も読者が期待するラストシーンの一つではないでしょうか。

また、まだ若いメンバーが多い麦わらの一味が解散したのち、それぞれどんな人生を送っていくのかというのも、解散してほしくない切なさの一方で楽しみでもあります。
キャラクターひとりひとりが主役になれるほどの濃密なストーリーを持っているからこそ、描かれたら嬉しいですよね。

まずはワノ国を出て、どんな航路を辿るのか。次なる敵は誰なのか。“ラスボス”たらしめる存在は……。ルフィたちの冒険から最後まで目が離せません。

（執筆：まりも）