古谷大和インタビュー|忍法浪漫剣劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~』月下丸の恋愛観は?

古谷 原作のイラストレーターの悌太さんのデザインがとても素敵で、感動しながらゲームをやってました! すごく格好良く描かれていますから、これを着こなせるのかなと撮影の時にすごくドキドキしましたけど、素晴らしい衣装さんたちのおかげで見事に仕上げていただいています。  

僕のイメージだと忍びって、もっと見つからないようにとか、バレないような衣装という印象があったんですけど、今回『百花百狼 ~戦国忍法帖~』に登場するキャラクターは月下丸をはじめとして皆格好良いし、劇中のセリフにもありますけど「その格好で走ったら目に付く」というような格好で……思い描いていた忍びとは少し違うなというのはありました。  

でも忍びとしての和の部分を残しつつ、戦いやすさ、走りやすさ、動きやすさがきちんと残って格好良く仕上げていらっしゃって、素敵だなと思いました。

原作ファンも舞台好きも楽しめるような作品に

――本作は「悲恋」をテーマとした重厚な物語が特徴となっています。古谷さんが考える見どころは?

古谷 原作には月下丸ルートだけじゃなくて、色々なストーリーがありますよね。先ほども言ったとおり、僕は乙女ゲームの恋愛ものは初めてでとてもワクワクはしているんですけど、実際にゲームをプレイして、台本も読んで、僕が改めて感じたのは、愛の形って色々あるんだなと。  

今回は槐様と月下丸の男女の愛もあると思いますが、例えば黒雪と月下丸の兄弟愛もあるでしょうし、山倉猿之介と月下丸の友愛もあるし、親子の愛もある。愛の形ってさまざまだなと思う中で、そこを一つずつ見落とさずに演じたくて。ただ悲しいだけの愛を描くだけはなく、その中で生まれている愛を舞台で体現できるといいなと思います。  

その上で、槐様と月下丸との間に生まれていく、切ないけれど温まるような愛をちゃんと表現できたらなと。そこを表現するためには、やはり途中にある愛を大事にしないといけないと思います。  

――恋愛の作品は初めてご出演とのことですが、月下丸の恋愛観についてどのように思われますか?  

古谷 月下丸の愛は、現代で生活している人の多くはあまり体験できないような恋愛じゃないですか。従者と主という関係ですし。  
月下丸は主の槐様に恋をしてしまいますが、僕は必然に近いものだと思うんですよ。主って大切な人ですから、男女の愛とは違っていても、大切な人には愛が生まれると思うんです。だから月下丸が槐様に恋をしてしまうのは、とても自然なことのように感じました。  

シナリオの中では命懸けとなる場面も多くて、いつ命を失ってしまうかも分からない。それでも月下丸は槐様への愛から目を逸らさないというか……愛が生まれてしまう。この感覚は難しいけれど、きちんと考えて向き合わないといけないと思っています。僕だったら「恋愛をしている場合ではないのでは?」と思ってしまいそうで。  

敵と争って、死んでしまうかもしれない。そんな状況でただ1人の女性のことだけを考えていられるのか……。そういう意味で「何のために戦っているのか?」に落ち着いたところはあります。生死を賭けているのは槐様のためなのかなとか、稽古をしながら月下丸の気持ちに寄り添えるように。今すぐ共感は難しいかもしれませんが、僕ではなかなか体験できないような恋愛をしている月下丸の恋を、僕自身が「そうだね、それは好きになるよね」って納得して表現できるところまでいければいいなと思います。  

まだまだ100%納得するのは難しいですが、そこまでいけるように槐様と一緒に作り上げていきたいですね。僕の中の恋愛観と月下丸のもつ恋愛観は違うから、自分の恋愛観をいかに消して月下丸になれるかというのは大切にしなきゃと思っています。
――以前、numan編集部のインタビューでお話しを伺った際、沼(いま一番ハマっていること)として「体を絞る」ことを挙げていらっしゃいました。本作ではファンからアクションシーンも期待されていますが、トレーニングなどはされているのでしょうか?

古谷 インタビュー時の次に控えていた舞台『最遊記歌劇伝―異聞―』での役が上半身が裸の修行僧で、とくに優等生という立場でしたから一番説得力がないといけないと思って体を絞りました。まず視覚として説得力のあるキャラクターを描きたかったというのがあります。  

今回は脱ぐようなシーンはありませんけど、僕と月下丸は身長がほとんど変わらなかったんですが、彼は体重が僕より10キロ近く重くて。相当筋肉がないといけないと、そこを考えてトレーニングをしているつもりです。  

以前はまず見た目を変えるようなトレーニングを重視していたんですが、今は見えない分、中から筋肉をつけて説得力のある動きにしようと。アクションシーンもありますから、その時に軸がぶれたり、格好良くないなと思われないよう、月下丸を好きな方に納得してもらえる立ち回りができるようなトレーニングをしています。
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