『忍び、恋うつつ』5周年! 舞台版“忍恋ステ”の魅力とは?

2014年1月30日に発売されたPlayStation Portable専用ソフト『忍び、恋うつつ』は、ヒロインの“メロメロの術”にかかったイケメンエリート忍者たちが次々と甘い言葉を繰り出す、ギャグ色の強い、明るくポップな作品。PlayStation Vita、PlayStation 4にも移植され、末永く愛されているオトメイトの人気タイトルです。

そんな『忍恋』が初の舞台化! “メロメロの術”の演出は勿論、忍者らしい殺陣・アクション、衣裳の再現度の高さも話題となりました。

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自己投影するもよし、客観的に楽しむのもよしな”メロメロの術”!

大坂の陣で徳川を破った豊臣家が世を統べる時代。ヒロイン・片桐かえで(堀越せなさん)は幼いころに徳川残党から自分の命を救ってくれた忍者に憧れていました。そんな彼女はひょんなことから、忍者を目指すものなら誰もが憧れる“真田高等修練院”の副理事長・藤原貴家(石坂勇さん)にスカウトされ、修練院に編入することに。
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(左)藤原貴家役:石坂勇さん、(右)片桐かえで役:堀越せなさん
しかし編入初日、彼女は男たちを魅了してしまう“メロメロの術”を発動してしまい……! 術の発動音やBGMは原作ゲームの通り。彼女の身体から出る桃色の霧は、照明演出で綺麗に表現されていました。

術にかかったイケメンエリート忍者たちは、とにかく情熱的! 思い思いの言葉で彼女を誘惑します。

クールで無口な霧隠蔵人(秋葉友佑さん)は突然「誰より愛しい、俺の姫君……。」とかえでをお姫様扱い。
真面目な学級委員長の由利鎌清(武子直輝さん)は「やっぱり柔らかい肌ですね。」とかえでの手をとり、撫でまわす仕草を(笑)。
一方でいつもはチャラチャラしている穴山大介(鷲尾修斗さん)は、「君の純潔は俺が守るよ。」と突然、紳士になります。

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由利鎌清役:武子直輝さん
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真田幸影役:宮元英光さん
このシーン、実際にはかえでは客席に背を向けて座り込んでおり、まるで客席に座っているお客様がイケメンたちに囁かれているような構図になっています。乙女ゲームの舞台化、ということで、なるほど自己投影もできる仕組みになっている、と感心。

しかし中盤の“メロメロ”シーンでは、我来也(堀之内仁さん)がかえでに急接近。
身長155cmの我来也、再現度の高いキャラクタービジュアルゆえに、ヒロインのかえでより背が低いのが一見かわいいですが、「髪の一筋からまなざしひとつ、溜息に至るまでお前の全ては僕のものなんだぞ。」と独占欲に満ちた台詞で会場をドキドキさせました。

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(左)我来也役:堀之内仁さん、(右)片桐かえで役:堀越せなさん
乙女ゲームは自己投影しながらやりたい派もいれば、ヒロインと攻略キャラクターとのやりとりを客観的に見たい派もいますよね。
舞台中に何度も挟まれる“メロメロ”シーンでは、自己投影できる“メロメロ”と、かえでと攻略キャラクターたちがきちんと向き合った状態での“メロメロ”の両パターンがあるのが、非常に魅力的なポイントでした。

ツンデレヒーロー×鈍感ヒロインのもどかしい恋にドキドキ

舞台版はゲームのメインヒーローである猿飛咲助(原野正章さん)のルートに準拠したストーリー構成となっています。

聞き間違えや言い間違えが多かったり、担任教師である真田幸影(宮元英光さん)を何度も「真田!」と呼び捨てにしてはゲンコツされたりと、愛すべき“ツンデレお馬鹿忍者”の咲助。
人気歌舞伎俳優でありながら、歌舞伎を辞め、真田高等修練院に入学した背景には、父親との確執があります。

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猿飛咲助役:原野正章さん
歌舞伎も忍術も才能があるがゆえに苦悩する咲助、落ちこぼれなりに努力を続けるかえで、それぞれの心の成長と支え合いが、物語をドラマチックに盛り上げていきます。

「メロメロ女!」と呼んでいたかえでのことを相棒と認め、「片桐」と初めて呼ぶシーン、そして後半、かえでのおかげで父親と話ができた咲助が「かえで」と呼ぶシーンは、初々しくて、くすぐったい気持ちに。
咲助役の原野さんのお芝居がとても繊細です。

「俺の名前は猿飛咲助だから!」「仲のいいやつは咲助って呼ぶから……。」と暗にかえでに名前で呼んでほしいとアピールする咲助ですが……。
「うん、そうだね!知ってるよ!」とスルーするあたり、やはり乙女ゲームのヒロインって鈍感で純粋ですね。
かえで役の堀越さんの透明感もヒロインにぴったりハマっていました。

舞台版を彩ったオリジナルキャラクターと本格アクション

今作『忍恋ステ』をより盛り上げたのは、オリジナルキャラクターの存在。

舞台版オリジナルキャラクターとして登場した、徳川最強の刺客・榊原段蔵(佐藤弘樹さん)は、超絶ナルシスト。抜き身の刀身を見ては、そこに映る自分の姿に惚れ惚れしたり、日替わりの決めポーズで毎公演会場を沸かせたりと大暴れしました。
しかし、その強さは本物。咲助とかえで、蔵人、鎌清、大介は1度はその強さに打ちのめされます。

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(左)片桐かえで役:堀越せなさん、(右)榊原段蔵役:佐藤弘樹さん
生徒たちを助けに駆け付けた幸影との一騎打ち、大柄な男性2人のダイナミックな刀裁きは見どころです。そしてその様子を見ながらも動けずに縮こまる我来也の姿も……。
明確な敵キャラクターが登場したことで、咲助以外のキャラクターたちが抱えるコンプレックスも浮き彫りになりました。
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(左)榊原段蔵役:佐藤弘樹さん、(右)穴山大介役:鷲尾修斗さん
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(左)榊原段蔵役:佐藤弘樹さん、(右)真田幸影役:宮元英光さん
もう1人、話題になったオリジナルキャラクターが石川ぼたん(北村まりこさん)。メロメロ状態のイケメンたちに「おい何を言ってるんだ⁉」「それはダメだろ!」とひたすらツッコミを入れてくれます(笑)。
原作ゲームを忠実に再現した“心の鍛錬”のシーンでは、「50点!」などと咲助の言葉のチョイスを採点してくれました。客席の声を体現化した、この舞台には欠かせない存在でした。
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(左)霧隠忠人役:一ノ瀬竜さん、(右)石川ぼたん役:北村まりこさん
そしてもう1つ、この『忍恋ステ』の大きな魅力は、忍者らしいアクションシーンです。

鎖鎌を自在に扱う鎌清、飄々としながらも次々と敵を切っていく大介とともに、特に注目を集めたのは霧隠兄弟。蔵人の無駄のない精練された殺陣動画は本番前から公式Twitterで反響を呼びました。また、弟の霧隠忠人(一ノ瀬竜さん)も体術が得意なキャラクター、劇中で見せる“忍者ジャンプ”の高さには驚きです。

JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)
の役者たちのアクロバット、そしてそれに負けない演者たちの熱量が魅力的でした。

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(左)鈴木先生役:久野木貴士さん、(右)霧隠蔵人役:秋葉友佑さん

まとめ

5周年を迎え、ファンから長らく愛されている『忍び、恋うつつ』。ゲーム、コミカライズに続く舞台化という展開で、動いているキャラクターたちの姿を目の当たりにし、改めて彼らが”エリート忍者”であること、そしてヒロイン・かえでの健気な姿勢に気づかされました。

現在、公演は終了していますが、現在、グッズの事後通販とDVD&Blu-rayの予約は受付中! 見逃してしまった!という方はぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね。

■DATA

舞台『忍び、恋うつつ』
公演日程 2019年1月18日(金)〜1月27日(日)
会場 新宿村LIVE
キャスト 猿飛咲助: 原野正章
霧隠蔵人: 秋葉友佑
由利鎌清: 武子直輝
我来也: 堀之内仁
穴山大介: 鷲尾修斗
霧隠忠人: 一ノ瀬竜

真田幸影: 宮元英光

間宮ゆうぎり: 天月ミク
石川ぼたん: 北村まりこ
鈴木先生: 久野木貴士
田中先生: 久高将史

片桐かえで: 堀越せな

大野愛
渡壁りさ
宮川 連
三上真司
北野瑠那

徳川四天王・榊原段蔵: 佐藤弘樹

藤原貴家: 石坂 勇

原作 オトメイト(アイディアファクトリー)
脚本 江戸川崇(カラスカ)
演出 樋口夢祈
企画・製作 合同会社シザーブリッツ
公式サイト http://ninkoi.scissors-blitz.jp/
公式Twitter @nin_koi_stage
Copyright ©IDEA FACTORY

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