温泉でアドリブだらけの朗読劇!?　小南光司、君沢ユウキ、峯田大夢ら出演『RAYZ OF LIGHT 落陽散花』レポ

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小南光司、君沢ユウキ、 峯田大夢らのインタビューが到着！サイバーパンク朗読劇『RAYZ OF LIGHT 落陽散花』

探偵・冷泉一彦（小南光司さん）と、元々はネット上の仮想存在であるプログラム人格のミュージシャン・LAW（君沢ユウキさん）が主人公のサイバーパンク朗読劇『RAYZ OF LIGHT』。そのスピンオフ作品『落陽散花』の公演が2018年6月2日と3日に行われました。

今回の主人公は原宿署の知能犯係の刑事・高橋圭吾（中谷智昭さん）と袴田真一（峯田大夢さん）の二人。舞台は温泉宿の事件ということで、本物の温泉施設・東京天然温泉 古代の湯の大宴会場が会場として使用されました！

朗読劇の結末は2パターン用意されており、その中から今回は6月2日の夜公演をレポートします。

7月2日より登場人物の一人・佐々木がVTuberとして出演する番組『サイバーパンクフィットネス』（TOKYO MX）の放送もスタートした本シリーズ。番組を楽しむ前にしっかりおさらいしておきましょう♪

時は2025年の近未来。人々はファッションと広告を融合させ、選択した広告を"着る"ことによってアフィリエイト収入を得る時代になっていました。

ある日、広告収入がハッキングされ“かの国”に不正送金されるという詐欺事件が発生！  

原宿署の知能犯係の刑事・高橋圭吾（中谷智昭さん）は早速同じ課の袴田真一（峯田大夢さん）を連れて変装し温泉宿に潜入捜査へ向かいます――。

本作の脚本はキャストをイメージして執筆された、いわゆる”あて書き”なのだそう。
キャラクターそれぞれにキャストの性格に近い要素を詰め込んでいるためか、みなさんのアドリブが多い点も見どころのひとつ。

"袴田とは腹違いの兄弟”という無茶な設定で温泉宿に潜入した高橋は、露出の高い袴田の衣装にツッコミをいれたり、腹筋を触ったりとやりたい放題（笑）。それを冷静にかわす袴田との息はピッタリ。

温泉宿で２人を迎えたオカマの女将・梅花蔵之助（鹿島良太さん）も、個性の強いキャラと美しい着物さばきで観客の注目を集めます。観客に「飲んでる!?」と気さくに話しかけたりと、姐御らしい一面も見せてくれました。

そんな女将から、怪しい作家が宿泊しているとの情報を掴んだ高橋と袴田。しかし気難しい作家本人には直接会えそうになく、代わりに担当編集者の冷泉嗣彦（YU-TAさん）から話を聞くことに。

嗣彦の発言は当たり障りないものの、"何か"を隠している気配を二人は感じ取ります。実は嗣彦は少し前に、弟である探偵の冷泉一彦（小南光司さん）に作家が掴んだ国家機密を暴露する原稿を預けていました。「自分にもしものことがあったら、この原稿を世間に公表してほしい」と言い残して……。

この兄弟の関係性も見逃せないポイント。
人前ではクールでありつつも、大好きな兄を取られまいとプログラム人格のミュージシャン・LAW（君沢ユウキさん）にヤキモチを焼く一彦、そして編集者として厳しく振舞いながらも優しい兄として一彦を見守る嗣彦。ふたりの兄弟愛に思わず胸を打たれます……！

そんななか兄の身が狙われていることに気づいた一彦は、嗣彦の身を案じLAWと一緒に温泉宿へ向かいます。
はたして嗣彦と作家は無事なのか!?

一方、犯人は必ず温泉宿にやってくる──そう確信した高橋。さらなる情報を得るため、高橋は詐欺事件に詳しい情報屋・鶏天のケン（サカナギさん）に情報提供を頼みます。

高橋とケンの蕎麦屋の会話は、他では決して知ることができない情報が……。  
物語はさらなる展開に！

事件の容疑者は"謎の作家"だけではありません。現場にはさまざまな人々が集まり、容疑者候補は増えるばかり！

温泉宿でお祭りを企画する怪しいカリスマDJ・ガル様こと雅流太（バンダリ亜砂也さん）もその一人。彼は 黄色のキングブレードでオタ芸をしながら登場！

牛乳瓶の底のようなメガネでしたが、外した素顔はとてもイケメンで会場からは息をのむ声が。オタ芸に磨きをかけつつ、オタクならではの徹夜禁止・始発厳守などのこだわりの強さをみせる一面もあり……!?

ガル様を手伝いにきたマコト（中嶋春陽さん）も紅一点で元気いっぱいに会場を盛り上げます！　はつらつと行動しますが、意外におっとりした声で癒されます。

一方、温泉宿には将棋を打つ不思議な子供（奥井那我人さん）の姿が。自分を軽率に扱う髙橋の態度に怒った彼が呼び出したのは、内務省が管理するプログラム人格"エージェントプログラム"と呼ばれる佐々木（佐藤弘樹さん）でした。

なぜこんな子供が内務省のプログラムを――？　 実は、子供の姿をした彼は、なんと内務大臣の村雨権十郎だったのです。

注目したいのが、エージェントプログラムで同じ人格が何人もいるという難しい役を演じた佐藤さんの演じ分け。声の演技が特に素晴らしく、同じ外見の３人のプログラム人格を声だけで完璧に演じ分けしていました。

また、子供じゃない!! といいながらも身長に合わせてマイクを下げる姿が可愛い奥井さん。佐藤さんと奥井さんの主従関係は政府関係者らしく冷淡としているのですが、個の役はとてもはっきりしていて感情が両極端。役作りのポイントなどは前回のインタビューもチェックしてみてくださいね。

そして、強烈な容疑者たちが勢ぞろいし、物語はクライマックスに――。
あの人の意外な正体にきっと驚くはず！

そんなストーリー、キャラクターともに魅力満載の『RAYZ OF LIGHT 落陽散花』ですが、もうひとつの注目したいポイントは一風変わった舞台演出。

舞台壇上は背景が一面白幕で、マイクが置いてあるだけのシンプルな作り。しかし、プロジェクションマッピングで映し出される背景により世界観がガラリと変化していきます。

また、キャストのみなさんが手にしているのはタブレット端末。普通の紙の台本ではなくタブレット端末を使うことによって薄暗闇のシーンでも読むことができるのだとか。"近未来の朗読劇"っぽさを感じます。

そして、キャラごとに個性が光る豪華な衣装も必見。やぐらなどの舞台美術や豪華な衣装は、クラウドファンディングでお客さんが事前に出資できるシステムなんです。

また、出資者の名前入り提灯はお祭り会場のセットの一部として飾られていて、舞台の世界に自分が実在しているような臨場感が味わえました。

会場は本物の宴会場ということもあり、実際に温泉が入り放題！　さらに観劇中の飲食がOK。ちょっとしたおつまみと一緒にキャラクターをイメージしたコラボドリンクも販売されていて、まさにお祭りの出店のような和気あいあいとした雰囲気でした。

映像化も決定している本作。ぜひそちらで会場の雰囲気や役者さんの演技、そして物語の結末をお確かめくださいね。※DVDは2018年冬発売予定。

2019年には『RAYZ OF LIGHT』本編の続編公演が決定！ 　明かされる内務省の秘密とは……!?  佐々木の番組配信も始まり、まだまだ世界が広がる『RAYZ OF LIGHT』ワールドをお見逃しなく♪

執筆：岩永聡美