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「アナタの推しを深く知れる場所」として、さまざまな角度で推しの新たな一面にスポットを当てていくnuman。今月の深堀りテーマは“音楽”。
うれしい時、悲しい時、幸せな時。そして、ちょっぴりつらい時も。いつも私たちに寄り添ってくれる…「音楽を推す」特集を実施中です。
今回はnuman編集長が人生で最もリピートした曲、BUMP OF CHICKENの「ギルド」を紹介します。
4人組バンドBUMP OF CHICKENによる通算4枚目のアルバム『ユグドラシル』(2004年発売)収録楽曲。後にベストアルバム『BUMP OF CHICKEN II <2005-2010>』(2013年発売)にも収録。曲名の由来は、中世ヨーロッパの「同業者組合」=「guild(ギルド)」。
「ギルド」のテーマ性をモチーフにした映像作品『人形劇ギルド』も2006年にリリース。ボーカルの藤原基央が原作・脚本、BUMP OF CHICKENが挿入歌を手掛けた。
現在YouTubeで公開されている「ギルド」のMVは、『人形劇ギルド』と2006年3月に行われた代々木第一体育館のライブ映像を組み合わせたもの。
INDEX
BUMPを好きになって早20年超。
幾度となくこの質問を投げかけられてきた。
「BUMPの曲で何が1番好き?」
その度に、「1番とかないんだわ。全部好きなんだわ」と強火オタクのような感情を抱きながら、BUMPを好きになったきっかけのアルバムである『ユグドラシル』の曲がすべて好きだと答えてきた。
そんな私が人生で1番リピートしてきたBUMPの曲……好きな曲であることはもちろんだが、中でも再生してきた楽曲となるとおそらく『ユグドラシル』に収録されている「ギルド」だろう。
この曲は、とにかく歌詞を読んでほしい。まずは1番の歌詞、何ならAメロの歌詞だけでもいいから。私が特に好きなのは1番サビ前の歌詞だ。
<悲しいんじゃなくて 疲れただけ 休みをください 誰に言うつもりだろう>
初めて聴いたのは小学校高学年の時。親や友人とあまり上手くいっていなかった私は、何もかもから逃げたかった。そんな気持ちを肯定してくれるような歌詞にすごく救われた。親や友人と上手くいかない時期がそれなりに長かったこともあり、自分でも引くが毎晩のように聴いては涙を流していた。
そして学生時代だけではなく、社会人になってからもすごく響く曲なのだ。日々の労働に疲れた時、仕事でつらいことがあった時、何もかもが嫌になった時、「ギルド」を聴く。無理やり前を向かせるわけではなく、ただただ寄り添ってくれるこの曲に何度も何度も救われてきた。この曲がなければ、今生きていたのかなと考えてしまうほど。
歌詞に加えて、メロディラインやギターのアルペジオ(弦を1音ずつ鳴らす演奏方法)、耳を澄ますと聴こえてくる一定のリズムを刻む金属音、藤原基央さんの柔らかくも力強い歌声……メッセージ性の強い歌詞と相反して、サウンドを構成するすべての要素が心地よい。
きっとこれからも、私は「ギルド」に救われ続けるだろう。
(執筆=阿部裕華)
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