柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
透き通る白い肌に、桜の花びらのようにポッと赤く色づいた頬。まるで宝石かのごとく輝く純粋無垢な瞳――。
その美しさに心奪われない人はいない……と言っても過言ではないほどの美貌ですよね。
実はこちら、女性を中心に人気のドールシリーズ『星間学寮 ~Boys' Dormitory~』(以下、『星間学寮』)のイケメンドールなんです。
生み出したのは、株式会社ボークス。秋葉原に足繁く通うオタクなら誰もが一度は目にしたことがある「ホビー天国」を展開するあの会社が、女性の心を鷲掴みにする“美しすぎる”ドールを作っているのです。
そんなボークスが主催する日本最大のドールの祭典「ドールズ パーティー51」が、2024年4月21日(日)に東京ビッグサイトで開催。
会場に足を運んでみると、銀髪でゴシックな雰囲気のイケメンドールや、フリルたっぷりな衣装がすてきなかわいらしいドールなど、そこらかしこに個性豊かなドールたちの姿が!
さらに周りを見渡すと、幅広い年代の方が“うちの子”同士の交流を楽しんでいたり、手作り衣装を販売していたり……。
「ドール沼」って、想像以上に奥が深いのでは!? 知られざるその魅力を調査してきました。
INDEX
まず入場して目を引いたのが、『星間学寮』シリーズの展示。
「男子学生寮」というコンセプトのもと2016年に生まれたこちらのシリーズは、現在9人のキャラクターが登場しています。
イベント会場で特に注目を集めていたのが、黒髪が美しいアルトくん。新しく登場したキャラクターで、この日のイベントで先行販売されたそうです。
こちらは、ふわふわなブロンドヘアーが美しいアーニーくん。少し眠そうな目をしているのが、ほかの子にはないポイントでとてもかわいらしかったです!
褐色肌で凛々しい印象のレグルスくんは、シャツを腕まくりしていてややワイルドな印象。
みんな同じ学校に通っていて、学生寮で暮らしているのをイメージしているそうです。星モチーフの刺繍が施された紺色のケープやブレザーを着用していて、いろいろな制服のパターンがあるのがおしゃれですよね。
お顔立ちをよく見てみると、くりっとした愛らしい瞳が印象的な子から、キリッとした目元で凛々しい雰囲気の子まで……。ヘアスタイルはもちろんのこと、それぞれの個性が光っていました。
恐らくファン一人ひとりの好みに合うように、工夫して作られているのでしょう。
中でも筆者が特に心奪われたのが、マクシミリアンくん。白髪に白い肌で今にも消えてしまいそうな儚い雰囲気を漂わせつつも、キリッとした目元で、はっきりとした意思を感じるようなお顔立ち。
実は筆者、「桜に攫われそうなくらい儚いけど本当は強い」みたいなキャラクターが大好きなので、マクシミリアンくんを一目見た時にビビッときてしまいました。
あまりの美しさに、カメラのシャッターを切るのを止められず、その場でしばらく動けなくなってしまったほど。
残念ながら当日はお迎えすることを断念してしまったのですが……自宅の環境を整えたら絶対にお迎えしたいです!
ちなみに、マクシミリアンくんのヘッドパーツは(褐色肌が特徴的な)レグルスくんと同じ造形のもので、肌色やペイントによるメイクでお顔の違いを演出しているそうですよ。
メイクだけでこんなにも印象が変化するなんて、驚きですよね。いろいろな衣装やアクセサリーを揃えるだけでなく、自分好みにメイクする技術も習得できたら、もっと自分好みの子に仕上げることができそうです。
もっと『星間学寮』シリーズについて知りたい! そう思って彼らのプロフィールを見てみると、学年や性格など詳しい情報は一切記載がありません。
そのことについて『星間学寮』シリーズの企画・クリエイティブを担当されている株式会社ボークスの炭谷さんに聞くと、「ファンの方がより楽しめるように、あえて詳細を公開していない」のだとか。
炭谷さん「ドールに自分の理想を反映させて楽しんでいる方が多いので、公式の設定があると邪魔してしまう可能性があるんです。
例えば、ある方にとってアルトくんは弟としてかわいがっていたとします。公式設定の年齢が公開されていたり、『兄弟はいない』のような記載があったりすると、どうしても見方が限定されてしまいますよね。
なので、キャラクター設定にあえて余白を持たせるようにして、細かいところはオーナー(持ち主)の方に解釈を委ねているんです」
確かに、自分のドールとしてお迎えする場合、年齢や性格はもちろん自分やほかのドールたちとの関係性について、自由に妄想を膨らますことができた方がより楽しめそうですよね。
炭谷さんによると、お迎えしたドールと自分との関係性は男性オーナーさんと女性オーナーさんとで異なる傾向があるそうです。
炭谷さん「女性は『もう一人の自分』として、自分の変身願望をドールに反映させている方が多い傾向にあります。一方で男性は、『理想のパートナー像』を求める方が多い気がしますね。
なので男性オーナーさんから好まれるドール衣装は、女性の間で流行しているファッションを反映したものが多い印象です。
もちろん従来のドール衣装のように、フリルをたくさんあしらったドレスやロリータ調の衣装も人気がありますが、最近では“地雷系”とか“量産型女子”と呼ばれるような衣装も人気です」
その傾向を踏まえて、『星間学寮』シリーズには「女性にとって永遠の憧れ」となる要素をたっぷりと詰め込んでいるのだそう。
炭谷さん「ふわふわなブロンドヘアーに碧眼とか、スタイリッシュな制服とか……女性からの『憧れの存在』として描かれるキャラクターの特徴を、弊社のドルフィー(ドール)には取り入れてます。
また、ドールオーナーの方々は感性が豊かで、イラストや小説、映画などさまざまなジャンルの作品を愛している方が多いです。なので、ドルフィーの世界観にもそれらの特徴を意識的に取り入れるようにしています」
それを踏まえて展示ブースをぐるりと見渡してみると、黒髪赤眼でビジュアル系な衣装に身を包んだ子や、金髪で少しヤンチャな印象の子など……確かに女性のハートを鷲掴みにしてきた数々キャラクターたちと共通する、“ときめきポイント”がありました。
新作の展示ブースには、ドール本体だけでなく別売の衣装や小道具、ちょっとしたジオラマが作れる家具などの付属品も大集合。
こちらは「エプロン(青)とお料理セット」。我が子に着用したら、まるで自分のために料理を作ってくれているかのような気分が味わえそうですね。
最近はカプセルトイやミニチュア玩具で食べ物モチーフの商品が流行しているので、それらと組み合わせるとさらに楽しみ方が広がりそうです!
会場ではそのほかに、300組以上ものディーラー(ドール衣装のクリエイターや販売者など)がブースを出展。
手作りの衣装やアクセサリー、そして自由にドールのお顔立ちをカスタマイズするためのドールアイ(目玉)やヘッドなどの専用パーツが販売されていました。
こちらのドールアイは、なんと蝶々の羽を加工してレジンに流し込んで作られたものだそう!
お値段は1組で2500円〜4000円ほど。レジン製のドールアイは少し小さめの『ドルフィードリーム』というボークス製のドールに合わせたもので、それよりも少し大きくて球体関節の『スーパードルフィー』にはガラス製のドールアイを使用するそうです。
こちらがガラス製のもの。出展されていた作家さんにお話を伺うと、色の異なるガラスを一つひとつ手作業で溶かして製作されているとのことでした。
世界でたった一人だけの我が子の、お顔立ちの印象をガラリと変える大切なパーツ。
一つひとつ風合いや色味が異なるため、ぴったりなものを求めるオーナーさんたちが真剣にブースを吟味されていました。
続いては、ドール専用ウィッグを作成されている方のブース。
手作業で丁寧に色を染めて、カットやヘアセットも全てご自身でされているそうですよ。
パステルカラーからビビット系の色味まで、色とりどりのウィッグがずらっと並んだ様子は圧巻でした……!
ドール用のウィッグはワンタッチで付け替えが可能とのことで、衣装に合わせて我が子をコーディネートするのも楽しそうですね。
各ブースで印象的だったのが、ほとんどの方が自慢の我が子を展示をされていること。
ゴシックな世界観の子や、フリルがたっぷりあしらわれたかわいらしい衣装を着た子、そして本格的な和装の子まで……。どの子も、オーナーさんのセンスがきらりと光っていました。
お揃いの衣装でバッチリ決めた双子ちゃんのような子たちも。黒髪×碧眼に銀髪×赤眼という、対称的なスタイルがとってもすてきですよね。
自分の好きな世界観やシチュエーションで我が子たちを着せ替えると、背景にいろいろなストーリーが浮かんできそうです。
中には、我が子のポストカードや写真集を販売されている方もいました。先述した通り、ボークスのドールには細かいキャラクター設定がないからこそ、それぞれが想像を膨らませて創作することができるのかもしれませんね。
開場して1時間ほど経過すると、あっという間にホールはいっぱいに。写真手前のピンク色と黄色のテーブルは有料の「お茶会」専用席だそう。
来場者がそれぞれ我が子を展示したり、ドールオーナー同士の交流をするのが目的とのことです。
それぞれ自慢の我が子を連れて隣のテーブルにあいさつをしに行ったり、記念撮影をしたりしている光景があちこちで観られました。
ドールを通じてオーナー同士の輪も広がって……「ドールズ パーティー」は、ドールはもちろん人と人との交流の場としても機能しているのでしょう。奥深い楽しみが味わえる、すばらしいイベントだと感じました。
筆者も『星間学寮』のマクシミリアンくんをいち早くお迎えして、ぜひ次回も参加したいです。またその時に心奪われるドールが続出して、どんどん我が子が増えていってしまう予感しかしないのが少し心配ですが(笑)。
やはりドール沼は「底なし沼」かも……? まだ見ぬ奥深い魅力を探るべく、今後もチェックしていきたいです!
(執筆・写真:柴田捺美)
<ドルパ51 アフターイベント開催(2024年5月4日)>
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詳細はこちら:https://dollfie.volks.co.jp/event/dolpa_after/dolpa51.html
柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
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