柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
「キティちゃんはね、もう“かわいい”だけに留まらない存在なんですよ。私にとっては『愛』であり、常にそばにいるような、酸素のような存在なんです」
大のサンリオキャラクター推しで、数多くのメディアでもその魅力について語っているお笑い芸人「馬鹿よ貴方は」の平井“ファラオ”光さん。
ハローキティを“サンリオの顔”としてリスペクトする平井さんとともに足を運んだのが、2024年11月1日(金)から2025年2月24日(月・休)まで東京国立博物館 表慶館で開催中の「Hello Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる-」。
ハローキティ誕生50周年を記念して開催された本展は、初日から多くのファンが駆けつけ話題を呼んでいます。
今回は、その会場の様子を平井さんとレポートしつつ、平井さんに聞くハローキティのすごいところ、そして本展の見学を終えて新たに気付いた魅力などをインタビュー。
「ハローキティは、日本が誇る“KAWAII文化”の国宝・第1号」と笑顔で語る平井さんと、半世紀もの間多くの人々に愛され続けるハローキティの魅力を探ります。
INDEX
本展の見どころは、なんと言ってもデビュー当時から現在までに発売されたハローキティのお宝グッズ。ハローキティ史上最高展示数というグッズやアパレル商品に加え、有名絵画やアーティストとのコラボ作品も展示されています。
会場である表慶館の目の前に来ると、さっそく大きなハローキティが! いきなり“KAWAII”全開で、私たちをお迎えしてくれました。
すぐさまスマホを取り出して、ウキウキしながら撮影する平井さん。
さていよいよ、エントランスホールへと足を踏み入れていきます。一体どんなハローキティが待っているのでしょうか……!?
平井:
「見てください、真ん中にキティちゃんがいますよ。わあ、後ろ姿もかわいらしい。こういう細かいところまで全部かわいいのが、すばらしいですよね」
会場に入るやいなや、おおはしゃぎな平井さん。大きなトートバッグから私物のぬいぐるみを取り出し、ハローキティとのご対面に感動している様子。
本展のテーマは「わたしが変わるとキティも変わる」ということで、時代とともに変わるハローキティの姿をグッズを中心に見せる構成。「プロローグ Hello! You」から「エピローグ Hello! Tomorrow」まで8つのカテゴリーに分けて展示されています。
<展示内容>
プロローグ Hello! You - ハローキティは、あなたの世界にやってくる -
第1章 Hello! Memories - グッズ出身のキャラクターゆえに近づいたファンとの距離感 -
第2章 Hello! Style - ファンの「ほしい!」に寄り添い続ける-
第3章 Hello! Evolution - 変化することを恐れない、デザインのユニークさ -
第4章 Hello! Collaboration - 変身できるから、誰にでも寄り添える-
第5章 Hello! Friends - キティは、いつでもあなたのそばに-
第6章 Hello! Tomorrow - 未来に受け継がれるハローキティのユニークさ –
エピローグ Hello!Tomorrow
エントランスから右手に進み、展示ブースの入口をくぐると、まずはプロローグから。
真っ先に我々の目に飛び込んできたのは、誕生した年である1974年の翌年(1975年)に発売されたぬいぐるみです。少しレトロでかわいらしいお顔立ちに、平井さんも大興奮。
平井:
「かわいいですね。当時の商品で、こんなに状態が良いものが保存してあるのもすごいです。……あ、あれを見てください!!」
平井:
「1975年発売のこのプチパースは、ハローキティ初のグッズとして有名なのですが、まさか現物が残っているとは……。写真では何度も拝見していましたが、意外と小さくて驚きました」
ハローキティ好きの間では有名な、プチパース。隔週刊のグッズ付書籍の付録として復刻版が発売されたり、サンリオショップで買い物をすると貯まるポイント(スマイル)と交換できる景品では似たデザインのポーチが登場したりするなど、そのレトロでかわいらしいデザインが再び人気を集めているグッズの一つです。
ですが、当時販売されていた現物を目にしたことがあるという方は、マニアの間でもそう多くありません。平井さんも本展で初めてお目にかかったようでした。
プチパースに限らず、マニア垂涎のグッズが壁一面に展示されているこちらのブース。360度ぐるっとハローキティのお宝グッズに囲まれた空間で、戸惑いにも似た興奮が続きます。
平井:
「おお~! このテレビもすごいんですよ。サンリオ創業30周年を記念して3000台限定で生産・販売されたものなのですが、今は手に入れるのが非常~に困難なアイテムなんです」
平井:
「テレビのとなりにある電話も、すごくかわいいですよね。白と赤のものは現在ミニチュアチャームとしてカプセルトイの商品になっていて、見かけたことはあるのですが。青のものは、初めて目にしました」
そのほか、デビューして間もない時期に発売されたミニチェストやペンケース、ノートなどの文房具類も。実は、ハローキティはイギリス・ロンドンの中心地から離れた郊外の小さい街で生まれた女の子で、ロンドン市街にある学校にはスクールバスで通学しているそう。
ハローキティの普段のスクールライフが垣間見えるようなイラストが使用されているのは、この頃のデザインの特徴の一つかもしれません。
90年代初期に登場したビビッドな色合いのCDプレイヤーや、アメリカンな雰囲気の「スーパーマーケット」シリーズのグッズもありました。
第1章「Hello! Memories」の展示では、初期のグッズだけでなく20周年、30周年を記念したグッズたちも展示。
1988年には、当時人気だったアイドルグループ「チェッカーズ」のファッションから影響を受け、ハローキティのグッズにもタータンチェックが取り入れられるようになったのですが、40周年などそれ以降にも復活。
当時のものから、より現代的かつ大人なデザインにリニューアルされ、マスコットぬいぐるみやポーチ、ヘアアクセサリーなどが発売されました。
平井:
「定番の赤やピンクはもちろん、緑やネイビーまで……どんなカラーリングでも似合ってしまうのが、キティちゃんのすごいところだなと思います」
そのほか、任天堂『ゲームボーイアドバンス』用のゲームや、1996年発売のPC用ゲーム『サンリオ タイニー・パーク』の現物も展示。
ぬいぐるみやポーチなど身の回りのものはもちろん、昔からゲームや家電などいろんな商品とコラボするキティのポテンシャルの高さに、平井さんも脱帽している様子でした。
2階へ上がると、「第2章 Hello! Style - ファンの「ほしい!」に寄り添い続ける-」の展示へ。
原宿系やコギャル風など、ファッションの流行も積極的にデザインへと取り込んできたハローキティ。その世界観が、当時発売されたグッズやアパレルとともに展示されていました。
2000年代初期、原宿系ファッションの流行を反映した衣装と、「ツインテールキティ」のぬいぐるみ。
こちらのマネキンが着用しているスパンコールが輝くトップスは、韓国限定のコラボ商品。ショッキングピンクを貴重に“コギャル風”にまとめたスタイルが、平成初期のファッションの流行を反映しています。
こちらのブースには、思わずポーズを決めて撮影したくなるスポットも。平井さんは、自慢のヒゲをお直ししていました。
第4章「Hello! Collaboration」の展示は、“変身できるから誰にでも寄り添える”ハローキティの魅力を訴求し、ほかキャラクターやブランド、企業・自治体とのコラボレーション商品を展示。
特に平井さんが興奮していたポイントは、「ご当地キティ」。観光地など地域限定商品として販売され、長年愛され続けるあの商品が「かぶりもの」「おきがえ」など、パターン別でずらっと展示されています。
青森県の「にんにく」、東京都の「東京タワー」。時には双子の妹・ミミィと協力して「さくらんぼ」を表現するなど、バリエーションの豊富さに見ていて退屈しません。
平井:
「沖縄県の『ゴーヤ』とか、個性的な見た目ですごくかわいいですね。もともとのシルエットとまったく異なる姿に変身したとしてもかわいくなれるのは、やっぱりキティちゃんの力ですね。個人的に好きなのは……うーん、選べないですけど、埼玉の『日本人形』が渋くていいですね」
そのほか、ふなっしーやちいかわなどの人気キャラクターとのコラボグッズに加え、企業や世界的に有名なアパレルブランドとの特別なアイテムも展示。
平井:
「いろんなキャラクターや企業とコラボしていることで、よく『キティは仕事を選んだほうがいいのでは』なんて意見もありますが、キティちゃんは『選ばない』というより『やりたいことは全部チャレンジする』精神なんですよね。そこが、素晴らしいなと思います」
平井さんの言葉の通り、本展ではさらなる挑戦も。なんと東京国立博物館収蔵品の「風人雷神図屏風」(重要文化財)、「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」などの有名絵画と、ハローキティがコラボしているのです。
日本が誇る名画にも、違和感なく溶け込んでしまうハローキティ。それでもなお失われないかわいさに、終始平井さんは感嘆の声を漏らします。
平井:
「『風人雷神図屏風』の迫力に驚いている様子のキティちゃん、かわいらしいですね。『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』は、海がこんなにも激しく荒れているのにも関わらず、キティちゃんは平然とした表情をしているのもさすがと言ったところです」
続く第5章では、30人のアーティストによる本展描き下ろしイラストレーションを展示。
先ほどの浮世絵テイストなキティとうって変わり、現代的でポップなものや水彩画の優しいタッチで描かれたハローキティなど、さまざまな作風でハローキティの更なる魅力を発掘しました。
最後の展示となる第6章・およびエピローグでは、キティとサンリオキャラクターズのBIGフォトスポットが登場! まず第6章のブース左手には、ハローキティが妹のミミィやボーイフレンドのダニエル・スターと一緒に撮った90年代のプリクラ(プリントシール)が壁一面にデザイン。
ピューロランドにも頻繁に足を運んでいるという平井さんは、自身にとって思い出深い衣装を着たキティたちの姿に、思わず笑顔がこぼれます。
平井:
「どのキティちゃんもすてきですが……個人的には、やっぱりオーバーオール姿が好きですね。昔から変わらない、クラシックなキティちゃんの衣装が好みで。
とはいえ、リボンがたくさん付いた、キティちゃんらしい衣装も好きです。つい先日ピューロランドの『レディキティハウス』でお会いしたCLAMPさんとのコラボ衣装も、すごくかわいかったですね」
どの衣装を着ても、いつの時代になっても、キティの魅力は色褪せない。本展で50年の歴史をおさらいして「結局どのキティちゃんも最高!」という結論にたどり着いた平井さん。
90年代後半に登場し、大流行した「ピンクキルトシリーズ」の巨大サンダルとともに記念写真を撮り、ご満悦の様子でした。
向かいには、第1章で展示されていたドライヤーを模した巨大オブジェが。
後ろには定規やはさみなどの巨大パネルが設置されているほか、電話や色えんぴつ、そして「プチパース」など、先ほどの展示ブースで目にした懐かしのグッズたちが、壁一面に描かれていました。
平井:
「1F物販スペース近くの壁にも、キティちゃんのリボンをつけたクロミさまがいました!」
キティは“サンリオの顔”として大好きだけれど、サンリオキャラではクロミを推している平井さん。自分らしさを突き通すかっこいい生きざまに惹かれ、日頃から「クロミ“さま”」と呼んでいるほど。思わぬところで推しキャラを発見できて、思わず顔がほころびます。
エピローグの展示までしっかりと堪能したあとは、物販で限定グッズを購入! すべて手に入れたい気持ちをグッと堪え、どのキティをおうちに連れて帰るかをじっくりと吟味し……。
結果、マスコットなど数点を購入。たくさんの幸せと“かわいい”を詰め込んだショッパー袋を右手に、会場をあとにしました。
>>次ページ:平井“ファラオ”光さんが「ハローキティ愛」を語る特別インタビュー!
柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
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