舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

草地稜之は井澤勇貴を尊敬しているけれど、ライバル視もしている!? 舞台『おそ松さんon STAGE』初代&2代目F6おそ松インタビュー

「アナタの推しを深く知れる場所」として、さまざまな角度で推しの新たな一面にスポットを当てていくnuman。今月の深堀りテーマは“推しの推し”。11月4日の「いい推し(1104)の日」にちなみ、誰かの推しとなり得る人が自身の推しに会いに行く【推しに会ってみた】対談を複数本掲載していきます。

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俳優として活躍する井澤勇貴さん草地稜之さん。おふたりは、舞台『おそ松さん on STAGE』(以下、松ステ)F6のおそ松役を演じた初代キャストと2代目キャストです。

『おそ松さん on STAGE~SIX MEN'S SHOW TIME~2nd SEASON』では、後輩たちのダンスの振付に参加していた井澤さん。初代キャストが2nd SEASONの公演を見に行ったり、新・喜劇『おそ松さん』では初代がアフタートークに登壇したりと、2代目メンバーに慕われている様子を感じることができました。

井澤さんにとって草地さんは「純粋で可愛い弟」、草地さんにとって井澤さんは「憧れのお兄さん」といった様子。撮影中、「勇貴兄さん!」と楽しそうに声をかける草地さんの姿に、スタッフ一同の頬は緩むばかりでした。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

いつもはファンに推される存在であるおふたりに、お互いの推しポイントを聞いてみると……。井澤さんは「作品を盛り上げようという姿勢」、草地さんは「優しくてリーダーシップがあるところ」と答えてくれました。

さらに最近の推し活事情を探ってみると、飛び出てきたのは「キックボクシング」や「リアル脱出ゲーム」といった、意外にもアクティブな趣味。おふたりの共通項である松ステやF6の話題も交えながら、“推される側から見た推し活の魅力”についてもたっぷりと語ってもらいました。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

井澤勇貴さんによるF6おそ松

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

草地稜之さんによるF6おそ松

 

F6おそ松役の共通点は、第一印象いまいちでゴツいブレスをつけている!?

――井澤さんは2nd SEASONの稽古場にダンスを教えに行かれていたとのこと。これまでにも交流があったかと思いますが、同じF6おそ松役を演じた者同士、お互いの推せるところを教えてください。

草地稜之(以下、草地):
井澤さんは本当に優しいんですよ。声色から雰囲気から、本当に王子様みたいだと、今日改めてお話して思いました。

井澤勇貴(以下、井澤):
本当に? 本当に王子様?

草地:
はい。僕、けっこう声が低いのですが、井澤さんはトーンが高くて、すごく爽やか。

井澤:
さわやかジャスティス”(※F6おそ松のキャッチコピー)だ。

草地:
(指をパチンと鳴らして)それだ!

一同:
(笑)。

草地:
井澤さんの“優しいリーダーシップ性”が素敵で、そこが推せるって思いますね。

井澤:
僕は、彼なりの“盛り上げ方”がすごく素敵だなと。芝居やダンスや歌に一生懸命というのは、この業界では誰しもがやっていることです。でも、SNSを見ていると、彼はそこにプラスして、公演期間中はファンに喜んでもらうためのテキストを添えて、ちゃんとキャラクタービジュアルの写真をあげている。どの作品でも、盛り上げようとしている姿勢が素敵だなと思います。

草地:
本当に井澤さんがおっしゃったとおりで、僕が携わった作品や僕が演じたキャラクターが、作品を知らない人にも届くくらい人気になってほしいという気持ちでSNSをやっているので、まさにそのまま言い当てられてびっくりしました。

井澤:
見ていてわかるよ。作品愛も伝わってくるし。

草地:
めちゃくちゃ嬉しいですね。ありがとうございます。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

――歴代F6おそ松同士の出会いはどんな様子だったのでしょうか。草地さんは稽古場に初めて井澤さんがいらっしゃったときのことは覚えていますか?

草地:
めちゃくちゃ緊張しましたし、初代の映像を何度も観てきたので「おお、本物だ……」と思いました(笑)。実際に井澤さんにお会いしたら、もうリーダーシップがすごいんですよ! 僕は普段、どちらかというと人に付いていきたいタイプなので、長男としてもっと引っ張れるようにならないとなと、プレッシャーも感じました。

井澤:
でも、この子、初めて会ったときすごかったんですよ! 今だから言えますけど、正直「なんだこの子は」って思いましたからね(笑)。

草地:
アハハ!

井澤:
振付として入った初日、F6キャストみんなに「どれくらい踊れますか?」って聞いたんです。十四松役の木村優良くんは「ダンスが好きで得意です!」「オッケー、了解です」。一松役の磯野 亨くんは「全然できなくて……」「そっかそっか、オッケー」みたいな感じで順に聞いていって、いよいよ草地くんの番ですよ。僕の顔をじっと見たまま、手をポケットに突っ込んで、やや足でリズムを取りながら「そこそこ」って言ったんですよ(笑)。

一同:
(笑)。

井澤:
「そこそこ」は初対面でなかなか言えないですよ(笑)。でも、僕はその草地くんから、絶対に初代の盛り上がりを超えてやるっていう気概を感じたんですよ。

草地:
たしかにその気持ちはあったと思います。

井澤:
僕のことも、どこかライバル視していたんじゃないかな。最初は「そこそこ」発言にびっくりしましたけど、僕が踊るのを見たらすごいと思ってくれたのかな。そこからは「勇貴くん、勇貴くん!」って慕ってくれて。素直で可愛い子なんだなって思いましたね。

草地:
当時、なんで「そこそこ」って言ったのかは覚えてないんですが(笑)、僕、本当によく言われるんですよ。「第一印象最悪」って。

井澤:
いや、わかるよ。僕も「第一印象悪い」って言われていたから。人としゃべるときもサングラスを外さなかったし。

草地:
ほぼ僕だ!

井澤:
でしょ。和田雅成(初代F6カラ松役)との初対面でも、僕は帽子もサングラスもヘッドホンも取らずにしゃべっていて、当時は「仲良くできなさそうだな」と思われていたみたい。だから、似てるね。

草地:
似てますね。

井澤:
長男になるべくしてなった人の特徴なのかもしれない。草地くんに「そこそこ」って言われたときも、誰よりも負けん気が強い、昔の僕みたいだなってすごく感じました。

草地:
それは嬉しいです。「そこそこ」って言ってよかった(笑)。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

――今日おふたりが右手につけているブレスレットがすごく似ているのも、実は気になっていました(笑)。

草地:
気づきました? 僕も「似てる!」と思って、撮影中、わざとブレスレットをちらつかせました(笑)

――事前に打ち合わせしたとかではなく?

井澤:
完全に偶然です。僕もさっき気づいてびっくりしました。第一印象が良くないのと、右手にゴツいブレスレットつけていることが、F6おそ松役の条件ですね。

草地:
アハハ!

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

松ステの推しポイントは、F6の楽曲と気楽に見られるところ

――では、松ステの推しポイントはどんなところにあると思いますか。

草地:
僕はF6の楽曲が好きです。

井澤:
いいよね、わかる。

草地:
普通の曲にない歌詞で、インパクトがすごいじゃないですか。僕、唯一無二なものが大好きなんですよ。だから、そういう曲を歌えるのは嬉しいです。

――とくに推している楽曲は?

草地:
FantaStIc X-tasy」です。

井澤:
いいね。かっこいいよね。

草地:
かっこいいです!

井澤:
実はこの曲、裏話があって。2nd LIVEツアー「FANTASTIC ECSTASY」では2曲新曲があったんですが、最初に出来上がった「NAKED KINGDOM」が、いい曲なんだけど、カップリング曲っぽい印象が強かった。ライブをもっと盛り上げるには、他の新曲もあった方がいいということで作ってもらったのが「FantaStIc X-tasy」だったんです。

草地:
それ、大正解です。

井澤:
だから、僕たちも1番好きな曲になっていましたね。みんな、リハは力を抜いて踊るんですよ。だけど、「FantaStIc X-tasy」だけ毎回みんなガチで踊るの(笑)。それくらい楽しい曲でした。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

――井澤さんが思う松ステの推しポイントはどこでしょうか。

井澤:
僕はちょっと抽象的になってしまうのですが、ある意味、ファンの皆様が何も考えないで観られる気楽な舞台というところが、松ステの推せるところだなと思っています。F6なんて、何やってるか全然わからないでしょ。

草地:
全然わからないです。

井澤:
アハハ。そうなんだよ。でも、それが気楽でいい。もちろん、初演のときはミーティングしましたよ。「僕たちってこれで合ってるのかな……」って。でも、“あれこそがF6”というのがわかってからは、安心して演じられるようになりましたし、お客様もそれをわかって楽しんでくれていたと思います。気楽に彼らの日常を観て笑って、ラストはかっこいいショータイムがあって。舞台って堅苦しいものじゃないよと伝えられる、松ステだけの唯一無二感が推しポイントですね。

草地:
僕らも2nd SEASONの初演で、「これで合っているのかな」って同じ話し合いをしました(笑)。井澤さんにも相談したら「これがF6だ」と言ってもらえたので、胸を張ってやろうと初日を迎えたことを覚えています。

井澤:
本当にいいF6が出来上がっていました。2nd SEASONの初演を、和田(F6・カラ松役の和田雅成さん)と小野(F6・チョロ松役の小野健斗さん)と和合(F6・十四松役の和合真一さん)とで観させてもらって。4人で「F6、よかったな」と感想を言い合ったくらい、初代F6キャストとしては、F6の存在感が素晴らしかった。恋心を投げたり、「今何を見せられているんだ……」というセリフだったり。お客様にもかなりのインパクトを残せただろうなと確信しました。

草地:
嬉しいですね。実際、僕らも「今何やっているんだろう」と思うシーンばかりで、稽古では本当に不安だったので、そう言ってもらえて嬉しいです。

井澤:
本当に素敵でした。

草地:
ありがとうございます!

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

――ほかに、2代目のパフォーマンスを観て印象的だったことはありますか。

井澤:
「Forever 6ock You」の曲振りで、草地くんが「この曲は先代のF6が大事にしていた曲です」と曲紹介してから始まったんですよ。あ、ヤバイ、今思い出しても泣きそう……。あの瞬間は、僕ら4人とも感極まりましたね。それでいてパフォーマンスではばっちり盛り上げてくれていて、それも本当に嬉しかったです。

――2代目キャストの活躍は、ただただ嬉しいという感情?

井澤:
もう嬉しい以外ないですよ! 本当に嬉しいです。2nd SEASONが決まる前は、またいつかF6としてやりたいなという気持ちもありましたけど、決まってしまえばあとは託すだけですから。僕はダンスを教えに稽古場に行って、みんなの練習風景も見ていたので、ゲネプロを拝見したときはただただ感無量でしたね。普通に本番を観に行っていたら、立ち上がって声出してたんじゃないかな(笑)。

舞台『おそ松さんon STAGE』初代(井澤勇貴)&2代目(草地稜之)F6おそ松インタビュー

――そんなおふたりにとっての舞台『おそ松さんon STAGE』とは?

井澤:
僕にとっては、いろんな景色を見せてくれた作品です。2nd LIVEツアー「FANTASTIC ECSTASY」を幕張メッセでやったとき、このコンテンツだからこそあの場所に立てたという、今までにない感動がありました。松ステ後もいろいろな作品に携わらせてもらいましたが、僕にとっては舞台『おそ松さん on STAGE』が原点、ルーツですね。

草地:
唯一無二の「おそ松さん」という世界に、おそ松として立たせていただいていることが本当に嬉しくて。どの作品もそれぞれ魅力がありますが、本当に松ステって異色なんですよ(笑)。ほかにはない、“普通じゃない舞台”で、それこそが松ステの魅力だと思います。これから僕たちがさらに盛り上げていくので、もっともっとたくさんの人に知ってもらって観てもらえたら嬉しいです。

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格闘ゲームと『キン肉マン』、井澤勇貴と草地稜之の推し活遍歴

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双海 しお

エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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