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名作ゲーム『FF6』ケフカが問う哲学的な言葉。いま私たちが生きていく意味とは

幼いころから大人なるになるまで、ずっと私たちの身近にある漫画やアニメ。
キャラクターが発した台詞が心から離れない、という経験をした人は多いのではないでしょうか。

作品の“名言”を振り返る本シリーズ。
今回は1994年4月2日にスクウェア(現・スクウェア・エニックス)より発売された大ヒットゲーム『ファイナルファンタジーVI』から心に響いたフレーズをご紹介します。
セーラームーンを筆頭に、90年代コンテンツを愛する小川満鈴さんに影響を与えた言葉とは?

※特性上、作品の内容に触れています。

『ファイナルファンタジー6 アドバンス 公式コンプリー...

『ファイナルファンタジー6 アドバンス 公式コンプリートガイド』

via 『ファイナルファンタジー6 アドバンス 公式コンプリートガイド』(スクウェア・エニックス )より
滅ぶとわかっていながらなぜ作る?死ぬとわかっていながらなぜ生きようとする?
これはFF6のラスボス、「ケフカ」のセリフです。

ちょっと厨二病っぽい感じもありますが、突き詰めますと人間はいつかは必ず滅びますし、例えば寿命だってあります。今勤めている会社だっていつかはなくなりますし、お店だってなくなります。
でも、それでも目の前のことを懸命にがんばる「しかない」のが人間です。

なんだか哲学のようで、結構重いテーマですが、命を絶ってしまう人やすぐに何かを諦めてしまう人に逆に伝えたいと思いました。

“ケフカ”のギャップが怖かった

今回は名作RPG『ファイナルファンタジー』シリーズの中から、ナンバリングタイトルでございます『FF6』の中から私が心に残ったセリフをご紹介させていただきたいのですが、素直に言いますと、実はFFは1、2、4、5、6、7、9しかプレイしていません……そこは申し訳ありません……。

『FF6』は私の中で結構衝撃的な作品でして、なんと言いますか、全体的にすごくダークな雰囲気が漂っているんですよね……。オープニングもなんだか怖いし、ナルシェの雪山の中を歩く魔導アーマーの不気味さも怖くて、そしてFF6のタイトルが浮かび上がってくる時のファーファーという音楽も怖すぎる……(これ伝わっているかしら?)。

さらに、結果的にラスボスとなるキャラクター『ケフカ』の傍若無人さと言いますか、その道化師のような容姿も私にとってはものすごく怖かった。
このケフカというキャラクターの恐ろしさは、逆にたまにコミカルな一面を見せることなんです。ずっこけたり、ちょっとボケてみたり、可愛い感じのセリフを言ったり。でもそれが逆に狂気な部分を引き立てている。

なんと言いますか、小学生とかの時に、いつもは楽しくて笑ってばかりの先生が、クラスがうるさい時に急に黙って何も言わない怖さみたいな……(これも伝わるかしら……?)

つまりはギャップが怖いんですよね。

哲学的な言葉から見えてくるもの

『ファイナルファンタジーV アドバンス 公式コンプリー...

『ファイナルファンタジーV アドバンス 公式コンプリートガイド』

via 『ファイナルファンタジーV アドバンス 公式コンプリートガイド』(スクウェア・エニックス)より
そのケフカのラストあたりのセリフの中に、「滅ぶとわかっていながらなぜ作る?死ぬとわかっていながらなぜ生きようとする?」というものがあります。

コミカルなケフカさんからは想像もできないような哲学めいたセリフですよね。でも私はこのセリフに本当に深みを感じてしまったんです。

確かに、人間という存在なんて地球、宇宙規模の時間軸で言えば一瞬の存在。いつかは人間という存在なんて絶対になくなるわけです。
でも私たちはこうやって頑張って働いて、お金を得て、好きな人ができて恋をして、食べ物を食べて、家を建てて、そしてお部屋を掃除して、お買い物に行っている。

でもそんな行動はいつかは何の意味もなくなってしまうのもまた事実。

なんだか厨二病のようなことを書いてしまっているような気もしてきましたが、それでも毎日毎秒を必死に生きることが私たちがするべきことで、逆に生まれた以上それが一番素敵な時間を過ごすための近道であるのもまた事実。

今日本では(日本だけではないですが)毎日多くの命を絶つ人がいます。年齢を問わず、まだ10代20代の方でも増えてしまっています。
きっとその方々は「自分の未来に魅力を感じなくなってしまった」からこそその選択肢を選んでしまうのですよね。

ファイナルファンタジーVI(SFC)PV

全力で戦って、また始めればいい

でも考えてみてください。ケフカさんは「滅ぶとわかっていながらなぜ作る?死ぬとわかっていながらなぜ生きようとする?」と言いましたが、このセリフでさえ死んでしまったらもう言えないんです。

そしてケフカさんは結局自分の理想郷を作ろうとして主人公たちと命をかけて戦うことになるわけです。
口ではこうは言っていて、それが本音だとしてもやはり死んでしまっては何も始まりません。全力で戦って、仮に負けたとしてもそれが自分の未来。そこからまた始めればいいんですよね。

ここまで書いて、ものすごい厨二病な空気を自分でも感じていますし、きっとお読みの方々も小川は厨二病的な雰囲気を感じ初めているかと思いますが、こういうゲームのキャラクターのセリフだったりの小さな部分から何かを得て自分の力に変えていくことがきっと大事。

最後、ケフカさんはまるで神話の中の神様のようになり、そして散っていきました。
でも、彼の存在があったからこそ、主人公たちは出会えて、絆が生まれ、新しい未来が見えてきた。

「滅ぶとわかっていながらなぜ作る?死ぬとわかっていながらなぜ生きようとする?」は確かに長い目で見ればそうかもしれませんが、私たちにもう一つ大事なのは、目の前の鏡の前の自分のために必死に生きることなのではないでしょうか。

やばい、今回本当に厨二病ぽいぞ……私。

(執筆:小川満鈴)

小川満鈴(おがわ・みな)さん プロフィール画像

小川満鈴(おがわ・みな)さん プロフィール画像

<小川満鈴(おがわ・みな)プロフィール>
子役経験を経て、2016年に結婚。
現在は連載コラムなどライター業を中心に活動中。
また、日本一のセーラームーングッズコレクターでもある。

■おがわんセーラームーングッズコレクションサイト(随時更新中):
http://ogawansailormoon.versus.jp/ogwansailormoon/sailormoontop.html

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numan編集部

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