山本裕典×桑野晃輔 開幕直前インタビュー！【チェキあり】舞台『カレイドスコープ』

山本　僕、人見知りなので、慣れるまでは時間がかかるので、まだ馴染んで…。

桑野　えっ!?　馴染んでないんすか(笑)？

山本　いや、そんなことないけど、やっぱり作品の世界観もあって、僕の演じる役の立ち位置もあって、いろいろ探りながら、って感じですね。

――日々、細かい部分を詰めていってる段階？

桑野　そうですね。今回、四面舞台なので、4つ方向から楽しんでもらえるような演出にはなってると思っていて、その見せ方の部分と、人物の気持ちの流れを合わせて、僕らもお芝居に活かしていけたらなと思ってます。

山本　毎日いろいろな部分で変化もあるんですけど、けっこう僕、器用っぽく見られがちなんですけど、どっちかというと、不器用で(笑)。ホントにやり込まないと染み込まないタイプなので、必死です。今回、周りのキャストがみんな適応能力が速いんですよね。状況に適応するスピードが速い。「みんなもうちょっと迷ってくれよ」っていう感じです(笑)。

桑野　いや(笑)、そんなことないですけど、でも、それぞれの役が一筋縄ではいかないような感じなんですよね。そこはみんなで協力しあって解消しあっていきたいし、それができる座組であり、カンパニーであると思うので。

――魅力的なキャストがそろいました。

桑野　ホントにすごい役者さんたちがそろった作品なので、みんなでそれを乗り越えて、最終的には圧倒的にお客さんの度肝ぬかしたいというのはあります。そこまで行き着くために試行錯誤していきたいですね。

山本　裁判の傍聴席にいるような感覚というか。360度なので、お客さんもある意味キャストというか、その空間にいるような感覚で楽しんでもらえたらと思います。僕は稽古してる中で感じてるのは、かすみちゃん（木村心静さん）が出るところが全て好きで。あんまり詳しく言うわけにいかないんですけど、僕自身、前半はお客さんと同じような目線でみんなのお芝居を見てるんですけど、かすみちゃんが出てくる部分が魅力的だな、って思ってます。かすみちゃんが出てくると、みんなの見えないところでけっこう涙ぐんだりしてるんですけど(笑)。

桑野　そうなんですか？

山本　けっこうグッときてる。

――桑野さんは今作をこんなふうに観て欲しいというのは？

桑野　非現実的なこと、日常では感じられないような空間が描かれるんですけど、でもどのキャラクターにも、私もこういう経験ある、俺もこういうことあったな、みたいな共感してもらえる部分は絶対あると思うんです。「嫉妬」だったり「辛さ」だったり「もろさ」や「痛み」。そういうことを共感してもらいつつ、それぞれのキャラクターに自分はあの人の気持ちはすごくわかる。でもあの人の気持ちは全くわからないなぁ、とそれぞれに受け止めて楽しんでもらいたいなと思ってます。

――人によって受け止め方も変わってくる？

桑野　そう思います。僕自身は今の段階では、これは家族愛の話なんだなって思ってます。思ってますけどまだわからない(笑)。ここからいろいろ感情が変わっていくかもしれないですね。

山本　稽古の中で変化していくだろうね。