福山潤、躍進しつづける声優。高音から低音までこなす一流アーティストとなるまで

TVアニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』ドラルク役でも大人気の声優・福山潤さん。由緒正しい吸血鬼らしさを感じさせる低音ボイスと、コミカルな奇声を見事に使い分けています。

しかしデビュー当時はハイトーンボイスで知られていた福山さん。声質、役柄、そして活動の幅も年齢とともに広がりを見せています。

今回は、そんな福山潤さんの魅力を深掘り！　低音ボイスへのターニングポイントとなった役柄や、新たに開拓した活動などに迫ります。

1998年に声優としてデビューした福山潤さん。2000年に『無敵王トライゼノン』神威章役でTVアニメ初主演を担当しました。

2006年には『コードギアス 反逆のルルーシュ』ルルーシュ・ランペルージ、『xxxHOLiC』四月一日君尋、『いぬかみっ!』川平啓太など多くの作品で主役を熱演。
その後2007年に第1回声優アワードで主演男優賞を受賞しました。

2009年には第3回声優アワード海外ファン賞を受賞し、国境を越えた人気の高さも証明。
さらにアニメ雑誌『アニメージュ』のアニメグランプリ声優部門で3回もグランプリを受賞するほど、多くのファンから愛される声優です。

今では低音ボイスも素敵な声優として知られている福山さんですが、デビュー当時は少年のようなハイトーンボイスが持ち味。
『xxxHOLiC』四月一日君尋をはじめとする、ハイテンションなキャラクターや、『巌窟王』アルベール・ド・モルセールのように若さや純粋さを感じさせる役柄を多く演じていました。

しかし『コードギアス 反逆のルルーシュ』でルルーシュ・ランペルージを演じてからは変化が。
『鉄のラインバレル』加藤久嵩や『黒執事』グレル・サトクリフのように、主人公と敵対するヒロイックなキャラクターが増加しました。これまでのハイトーンボイスに加え、大人っぽい低音ボイスも武器となったのです。

CD『コードギアス 反逆のルルーシュR2 Sound Variety R18』のトークで「ルルーシュを演じてから新たに低音ボイスの役や、面倒な性格の役がいただけるようになった」と語っていた福山さん。
ルルーシュを演じるときは地声よりも低い音にするよう谷口悟朗監督に言われたと、インタビューなどでも明かしています。

『コードギアス』でアフレコを重ねるうちに、福山さんもだんだんと低い声が出るように。
その成長が作中で描かれたルルーシュの変化ともマッチし、長く愛されるキャラクターになりました。

福山潤さんが広げているのは、演技の幅だけではありません。
現在放送中の『吸血鬼すぐ死ぬ』ではOP「DIES IN NO TIME」の歌唱を担当するなど、アーティストとしてもファンを喜ばせています。

以前は「歌は苦手」と公言していた福山さん。それでも31歳の誕生日を機にデビューアルバム『浪漫的世界31』を発売し、個人名義で歌も披露するようになりました。

ちなみに30歳の誕生日を迎えた2008年11月26日には、苦手だったデジタル機器を使ってブログ「気になるアイツはポンチョ～ヌ」を開設。
『浪漫的世界31』にブログのテーマソングや記事をもとにしたリーディングトラックが収録されていることからも、アーティスト活動をスタートさせる大きなきっかけだったとわかります。

ほかにも2011年には何度も断念していた自動車の運転免許を取ったり、2015年に趣味の筋トレを活かしたスポーツ番組『福山ッスル!』に参加したり、音楽とポエトリーリーディングを融合させたライブに取り組んだりと、新たな“福山潤”を開拓してきました。

福山さんはデビュー当初からの持ち味であるハイトーンボイスや純粋さは維持しつつも、低音ボイスや歌など表現の手段を増やしてきたといえるでしょう。

自分自身の限界を決めずに取り組む姿勢も、ファンから一目置かれているのかもしれません。​

さらに2018年からは声優事務所「BLACK SHIP株式会社」代表取締役CEOのひとりとして、後進の育成にも携わっています。

苦手なことにも果敢に取り組み、躍進を続けている福山潤さん。今後の役柄や活動にも注目です！

福山潤（ふくやま・じゅん）
所属事務所： BLACK SHIP
出身地：大阪府
誕生日：1978年11月26日
血液型：A型
身長：170cm
愛称：じゅんじゅん
代表作：『コードギアス 反逆のルルーシュ』ルルーシュ、『暗殺教室』殺せんせー、『おそ松さん』松野一松『文豪ストレイドッグス』坂口安吾など。