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『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃に現代女性が共感するわけ。女らしさと自分らしさ、どっちを望む?

確かに鬼殺隊という場所は、非常に過酷で危険な場所でもあります。どうしてそんな場所に身を投じてまで、彼女は自らの理想の男性を追い求めるのか。

それには彼女の過去と、あまりにも「女性らしくない」自身の体質が大きな理由ともなっていました。

「女性らしさ」と「自分らしさ」。私が本当に幸せになれるのは、一体どっち?

キュートな外見と愛らしい振る舞いで、一見非常に「女性らしい」人物にも見える甘露寺。ですが実は彼女には、あまりにも「女性らしさ」とはかけ離れた隠された自身の体質がありました。

それはなんと、常人の八倍の筋肉量を持っているというもの。普通の女性のように見える彼女ですが、実はとんでもない怪力の持ち主なのです。
またそれ故かなりの大食いでもあり、その食事量は相撲取り3人分をゆうに超えるもの。さらに個性的な髪色は後天性で、大好物の桜餅を食べすぎたのが原因でした。

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清楚で貞淑な女性像が理想とされた大正の時代で、甘露寺蜜璃という女性はあまりにも「女性らしくない」人物です。
上記の理由が原因で、彼女は一度男性から辛辣な言葉を浴びせられ、酷いお見合いの破談の仕方をしています。
特に若い女の子にとって、幸せなお嫁さんになる夢はいつの時代も普遍的なもの。
ただし彼女は、ありのままの自分では到底その夢が叶わないことを知ってしまいます。可愛らしい髪を地味な黒粉で染め、食事量も頭が朦朧とするほど減らし、たくさん嘘をついて力も弱いふりをして……至極ありふれた、幸せなお嫁さんになりたいという夢。彼女にとってそれは、「自分らしい」をひた隠しにしてでも叶えたい、切実な夢だったのです。
そんな必死の努力の甲斐あって、再び彼女の前には自分と結婚したい、と言う男性が現れました。
ですが彼女は徹底的に嘘で塗り固めた自分を好いた人と添い遂げることに、大きな疑問を感じます。

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このまま残りの人生数十年間、私は「女性らしい」けれど「自分らしくない」自分で一生を生きていくのだろうか。
自分自身に投げかけたその問いに、結果彼女が出した答えはNOでした。

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曽我美なつめ

音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。

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