『チェンソーマン』“吉田ヒロフミの女”の複雑な恋心「私達は財布からメス蛸になったんです」

※記事の性質上、原作のストーリーに触れています。

2022年、大きな話題を集めた作品と聞いて『チェンソーマン』の名前を挙げる人も多いはず。同作は悪魔と呼ばれる怪物が跋扈する世界で、チェンソーの悪魔の心臓を持つ少年・デンジが“チェンソーマン”となって悪魔たちをなぎ倒す痛快バトルアクション。

漫画『チェンソーマン』第1部の公安編は、すでに最終回を迎えましたが、2022年7月にはマンガアプリ「ジャンプ+」にて第2部・学園編がスタートしました。さらに、同年10月にはアニメの放送がはじまり、チェンソーマン一色の一年だったといっても過言ではないはず。第1部連載中は、衝撃に次ぐ衝撃の展開に、読者はついていくのに必死でしたね……。
アニメ『チェンソーマン』メインビジュアルより

アニメ『チェンソーマン』メインビジュアルより

この記事を開いてくれた方は、第1部を完走した猛者と見込んで話をつづけますが、公安編では多くのキャラクターたちが去っていきましたね……。毎週毎週、自分の推しの命は無事なのか否か、震えながらページをめくった人もいるでしょう。そのため、1部から引き続き2部にも登場するキャラはほとんどいません。
本稿では、そんな数少ない生き残りのひとり“吉田ヒロフミにスポットを当てました。

わずか数コマで恋に落ちた、“ヒロくんの財布”女たち

吉田ヒロフミとはマキマに招集された、高校生の民間デビルハンター。無造作な黒髪ヘア、左耳の大量のピアス、口元のホクロ、そしてアンニュイな雰囲気は一部の読者の“癖(へき)”に刺さりまくったよう。
彼には熱烈な女性ファンが多く、彼女たちはネット上で“雌蛸(メスダコ)”と呼ばれているそうです。なぜ彼女たちはそんなふうに呼ばれているのでしょうか。

そこで今回は吉田ヒロフミを「ヒロくん」と親しみを込めて呼ぶ美奈子さん(仮名)に、彼の魅力をお聞きしました。

CD『KICK BACK』(米津玄師)

CD『KICK BACK』(米津玄師)

via CD『KICK BACK』(米津玄師)
ヒロくんの初登場は、第55話「レッツゴー」。通称・サンタクロース編と呼ばれているシリーズで、世界中の殺し屋から命を狙われるデンジを護衛する民間のデビルハンターとして彼は現れました。美奈子さんは、そのときの衝撃をこう語ります。
「デンジくんの護衛についたのは、3人のデビルハンター。ヒロくん以外に日下部、玉置という公安デビルハンターが出てきて『よろしくお願いします』とか『よろしく』とか、そんな挨拶をしていましたが、ヒロくんだけ口元にセクシーなほくろを携えて『オレ吉田な 仲良くしようぜ』という、フランクな自己紹介をしたんです……! 正直、度肝を抜かれましたね」
日下部と玉置は公安の黒いスーツを着ていましたが、民間のヒロくんだけが私服。美奈子さんは、ほかのキャラとはまったく異なる彼の雰囲気に、一発で恋に落ちたといいます。
「でもその後、コマにも映らないし、ほとんど喋らない。何の情報も得られず、私たちファンは『対人護衛のエキスパート』『民間』『ひとりだけフルネーム』など、とりあえず本編の情報を呪文のように繰り返す以外に、やることがありませんでした。

情報が少なすぎて『彼女を殴ってそうな顔』といわれはじめ、ファンの子はネットで『ヒロくんの財布』と呼ばれる始末。それから1カ月ほどが経ち、やっと第61話で彼の能力の一端が垣間見えたんです」

その回では、ドイツのデビルハンター「サンタクロース」が仕掛けた多くの“人形たち”や、暗殺者たちが戦場と化したデパートに大集結。それらの人形にまぎれて攻撃をしてきた、中国の最凶暗殺者・クァンシと、ヒロくんの戦闘シーンが描かれました。
「ほかの公安デビルハンターがクァンシ様に倒されるなか、ヒロくんが突然『蛸』とつぶやきました。すると、太い蛸の脚が現れて彼を抱えたんです。私たちヒロくんギャルは、その瞬間から財布から“雌蛸”になったんです。

いまだに“蛸”がどんな存在なのか、契約している悪魔なのかどうかも明かされていませんが、蛸といえば海外で悪魔の魚として恐れられる存在。いろいろな意味で、相当なポテンシャルを感じましたね」

「サンタクロース編のクライマックスでは、公安の岸辺隊長とヒロくんが蛸の脚に座って親しげに会話をするのですが、ここでもっとも重要な情報が解禁されました。なんと、彼が期末テストを控えた高校生であるという新事実が判明したんです。働く高校生、めっちゃいいですよね
 惜しまれつつも、彼はサンタクロース編で退場。第1部でのヒロくん登場コマ数を数えたところ、合計47コマでした。ページ数でいえばもっと少ない。それでも彼は、連載中に行われた第1回キャラクター人気投票で10位、連載終了後の第2回人気投票では6位にランクインしています。凄まじいですね。

「活躍してほしいけど、ほどほどに」雌蛸のジレンマ

美奈子さんは、第1部のヒロくん退場は寂しくなかったのでしょうか?
尋ねると、こんな答えが返ってきました。
「好きなキャラが登場しなくなるのは寂しいですが、この作品は『チェンソーマン』。どれだけ雌蛸に推されていても、いつなんどき命を落とすかわからないので、存命のまま去ってくれたのはある意味ホッとしました。それに、第2部のスタート前からタツキ先生が『吉田はまだまだ活躍します!』というコメントを残してくれたんです。第2部でもヒロくんに会える! と思い、その後の精神を保ちました」

『チェンソーマン』12巻発売記念スペシャルPV

その予告どおり、現在連載中の第2部ではデンジよりも先にヒロくんが登場し、雌蛸のみなさんは狂喜乱舞。美奈子さんも再登場の喜びに浸る一方で、ヒロくんに対して第1部とは異なる印象を抱いたとか。
「1部のときは、フランクな感じが男子高校生っぽくてかわいかったのですが、今はなんだかクールで大人っぽいですよね。ミステリアスさが増して目が離せませんが、また1部の頃のような飄々としたヒロくんも見たい! でも、活躍しすぎると本当の意味で退場しそうなので、ほどほどがいいのかもしれませんね……」
活躍してほしいけど、いなくならないでほしい。複雑な雌蛸心を抱えているようです。
(執筆:清談社)

TV アニメ『チェンソーマン』作品概要

TVアニメ『チェンソーマン』メインビジュアル

TVアニメ『チェンソーマン』メインビジュアル

via TVアニメ『チェンソーマン』メインビジュアル
TV アニメ『チェンソーマン』作品概要

【イントロダクション】
『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。
親が遺した借金返済のため、貧乏な生活を送る中、
裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、
悪魔の心臓 を持つもの 『 チェンソーマン 』として蘇る ── 。

【放送情報】
2022年10月 11日(火)24:00よりテレビ東京系6局ネットにて放送開始
(テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送)

2022年10月21日(金)25:15より長崎放送にて放送開始
2022年10月21日(金)26:15より新潟放送にて放送開始
2022年10月27日(木)25:28よりテレビユー福島にて放送開始
2022年10月28日(金)25:55よりテレビユー山形にて放送開始
2022年11月3日(木)26:00より鹿児島テレビにて放送開始
2022年10月12日(水)21:30よりAT-Xにて放送開始
2022年10月29日(土)21:00よりアニマックスにて放送開始
※放送日時は変更の可能性がございます

【配信情報】
2022年10月11日(火)25:00よりPrime Videoにて最速配信
2022年10月12日(水)25:00より各プラットフォームにて見逃し配信
※配信情報の詳細は公式サイトをご覧ください。

【スタッフ】
原作:藤本タツキ(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:中山 竜
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
アクションディレクター:吉原達矢
チーフ演出:中園真登
悪魔デザイン:押山清高
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
撮影監修:宮原洋平
音楽:牛尾憲輔
オープニング・テーマ:米津玄師「KICK BACK」
挿入歌:マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
エンディング・テーマ:
ano「ちゅ、多様性。」
Eve「ファイトソング」
Aimer「Deep down」
Kanaria「大脳的なランデブー」
syudou「インザバックルーム」
女王蜂「バイオレンス」
ずっと真夜中でいいのに。「残機」
TK from 凛として時雨「first death」
TOOBOE「錠剤」
Vaundy「CHAINSAW BLOOD」
PEOPLE 1「DOGLAND」
マキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ」
アニメーションプロデューサー:瀬下恵介
制作:MAPPA

【キャスト】
デンジ:戸谷菊之介
ポチタ:井澤詩織
マキマ:楠木ともり
早川アキ:坂田将吾
パワー:ファイルーズあい
姫野:伊瀬茉莉也
東山コベニ:高橋花林
荒井ヒロカズ:八代 拓
岸辺:津田健次郎

【WEB】
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式Twitter:@CHAINSAWMAN_PR(https://twitter.com/CHAINSAWMAN_PR

©藤本タツキ/集英社・MAPPA

【原作情報】
第二部「少年ジャンプ+」にて連載中! コミックス1~11巻発売中! 待望の最新刊・12巻は10月4日発売!

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numan編集部

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