アニメ『ぼっち・ざ・ろっく』のリアルを現役バンドマンが語る「高確率で“廣井きくり”は存在します」

陰キャで人見知りな少女・ぼっちこと後藤ひとりがギターに目覚め、様々な出会いを経てバンド活動の楽しさを経験していくアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』。
これまで数々の名作アニメを排出したガールズバンド要素に加え、各所に盛り込まれた人気バンド・ASIAN KUNG-FU GENERATIONへのオマージュも話題になった本作。放送が終わって今なお、まだまだ話題の作品でもありますね。
そんな本作の大きな魅力として語られているのが、バンド活動に関するリアリティのある描写です。
作品のあちこちにある、時に生々しささえ感じるユニークなリアルエピソード。その数々のシーンは、多くのバンド経験者を中心に評判を呼んでいます。

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』本ビジュアル

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』本ビジュアル

via アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』本ビジュアル

実はドラム歴約15年、バンド歴10年以上の筆者も、本アニメを見ながら何度も「このシーン、めちゃくちゃわかる…!」となった一人。ぼっちを始めとした四人のバンド奮闘劇には、思わずあるある!と思ってしまう描写が満載です。

そこで今回は、作品の中でも特にわかる!となったシーンに注目。これまでの私の経験談とあわせて、注目したいバンドマン的『ぼっち・ざ・ろっく!』の見どころをピックアップしたいと思います。

【1】“楽器が上手な人”は必ずしもバンドが上手じゃない!?

まず最初のポイントは第1話「転がるぼっち」より。ぼっちがドラム・虹夏とベース・リョウの3人で初めて曲を合わせるも「ド下手だ…」と評されてしまうシーンです。

ぼっちのイマジナリーフレンド・ギタ男の説明通り、バンドはあくまでチームプレイ。単身で楽器の上手な人が、必ずしもバンドで曲を合わせた時に上手とは限らない、というのは、まさに「バンドマンあるある」なのです。

CD『結束バンド』結束バンド

CD『結束バンド』結束バンド

via CD『結束バンド』結束バンド
さらに言えば、バンド演奏の際特に大事なのはアイコンタクト。
メンバーと目を合わせることで、相手の思考がわかる…とまでは言いませんですが、「今日は調子よさそうだな」「曲のテンポちょっと早いかも」「ここできっちり決めたい!」などの気持ちや考えは、回数を重ねるほどなんとなく察しが付くようになってくるんです。
誰かと視線を合わせることはおそらく陰キャでコミュ障のぼっちにとって、とんでもなく高いハードルだったはず。それを考えれば三人での初合わせが大失敗だったことも、バンド経験がある人にとっては「ですよね~!」と予想がつく展開でもあったことでしょう。

【2】一番のあるある…それはバンドマン金欠問題

続いてのポイントは、物語全体に散りばめられたバンドマン金欠エピソード!
これに関しては大勢のバンド経験者が、アニメを見ながらそのリアリティに震えた(?)のではないでしょうか。

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曽我美なつめ

音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。

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