ジョジョ6部『ストーンオーシャン』は問題作?異色の主人公・空条徐倫の魅力

荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』は週刊少年ジャンプで1987年から連載が開始され、2005年からウルトラジャンプに舞台を移し、現在でも続くロングヒット漫画。累計発行部数は1億部を越え、多くのヒット作を抱えるジャンプ作品の中でも代表的なもののひとつです。

そんなジョジョシリーズの第6部にあたる『ストーンオーシャン』のアニメがいよいよ放送開始。シリーズ中でも異色と呼ばれながらも熱狂的な人気を誇る本作の注目ポイントとは?

『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』公式サイトより

『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』公式サイトより

シリーズ最大の問題作?『ストーンオーシャン』の魅力とは

本作『ストーンオーシャン』はジョジョシリーズの中でも異色作。シリーズ最大の問題作と評されることもあります。
その最大の理由が、主人公の空条徐倫。ジョジョシリーズでは章ごとに主人公が変わりますが、これまでの主人公はいずれも男性でした。

しかし原作では第6部『ストーンオーシャン』ではじめて女性主人公が登場したのです。これまで「男の世界」として描かれてきたジョジョに突如現れた女性主人公は大きな驚きを持って読者に迎えられました。人によっては「こんなのジョジョじゃない!」と否定的な気持ちになったかもしれません。

ですが、当初は否定的な目で見ていた読者もだんだんと徐倫の魅力に引き込まれることになったのです。
徐倫の魅力はその明るく、強い精神力にあります。
第3部の主人公である空条承太郎の娘、空条徐倫は無実でありながら刑務所に放り込まれるところから物語はスタートします。
少年誌・青年誌で描かれる女性囚人は“女”を武器にしたり、どこかか弱かったり……色っぽさを全面に出していることが多いかもしれません。
ですが徐倫にそんな要素はまるでなし。刑務所内で自らを慰めていた行為を匂わせるシーンもありますが、それは男子校の休み時間の会話のよう。
ひき逃げ容疑で逮捕された際にもか弱い女性とは程遠い様子で、詰め寄る男性警察にひるむことなく「うるせェェェーーー 弁護士を呼べェェェーーーッ」と返し(原作2話より)、刑務官に身体検査を強いられた際も、臆することなく筋肉質の身体を堂々と見せつけます。
これまでのジョジョシリーズの主人公はどちらかというとクールな中に熱さを秘めたキャラや、ある程度の計算の上で明るさを演じるといったキャラが中心でした。

一方で徐倫はキャラとしてベースとなる性格が明るく、前半の刑務所内という暗い舞台の中で輝いています。その上で時々見せる冷静さや知的さに何度もドキっとさせられ、気付いたら徐倫というキャラクターに夢中にさせられてしまうのです。

特に自身が投獄された真の理由を知り、脱獄を決意してスタンドに語り掛けるシーンは印象的です。
彼女が明るいながらも強い芯を持っていることを感じさせてくれる名シーンのひとつでしょう。

徐倫の成長も見どころ。父・承太郎の口癖も!?

『STONE OCEAN』ichigo from 岸田...

『STONE OCEAN』ichigo from 岸田教団&THE明星ロケッツより

via 『STONE OCEAN』ichigo from 岸田教団&THE明星ロケッツより
徐倫の成長が鮮やかに描かれているのも本作の魅力のひとつ。ジョジョシリーズにおいて戦いのカギを握る「スタンド」が何なのかさえしらない状態から物語はスタートします。そんな状態で戦いに巻き込まれ、状況に向き合う中で着実に成長していく姿を楽しめるのがポイント。

少年漫画としては王道の展開であり、過去のジョジョシリーズにおいても同様に主人公は成長していきますが、本作では特に前半における徐倫の成長のスピードが早く爽快感が強いのです。最近人気の単なる「俺強え」系というわけでもなく、徐倫の秘められた謎が明かされながら成長していくため説得力も十分。

加えて、家庭を顧みなかった父・承太郎に対して反感を抱きながらも父のかつての口癖を彷彿させる「やれやれだわ」といったセリフを口にするといったシーンには徐倫の中に眠る「血」を感じ、シリーズのファンであれば思わずテンションが上がってしまうでしょう。
このように、主人公の設定からしてこれまでのジョジョとはひと味違った作品となっています。これこそが『ストーンオーシャン』の特異点であり、魅力といえるでしょう。

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」PV ~空条徐倫~

異色の設定とあまりにも魅力的な世界観に注目

今作の見所は、異色の設定とジョジョシリーズならではの世界観。物語の舞台はまさかの刑務所からスタートしますが、そこはジョジョの世界。私達がイメージする現実の刑務所とはまるで異なった空間が広がっています。
歴代シリーズの中でも特に前半から場面展開が激しく鮮やかなため、かなりアニメ映えします。
目まぐるしく変わるシーンの動きやキャラクターのカラーをはじめとした「アニメ映え」という点も、原作ファンとしておおいに期待したいポイントです。

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」OP映像

そしてジョジョアニメで見逃せないのが豪華声優陣。これまでのシリーズでも実力派人気声優が多数起用されてきました。

今作『ストーンオーシャン』でも、主人公には若手実力派声優として人気急上昇中ファイルーズあいさんを起用。中心キャラには『ダイの大冒険』ダイ役など主演作も増えてますます実力をつけている種崎敦美さん、そして実力派として知られる小野大輔さん梅原裕一郎さん、浪川大輔さんといったキャストが脇を固めます。彼らの演技も楽しみのひとつとなりそうですね。

ジョジョアニメ待望の最新作である『ストーンオーシャン』が、いよいよTVで放送スタート。すでにNetflixでは先行配信されているので、一刻も早く観たいという方はこちらもチェックしてみましょう。アニメはもちろんのこと原作も魅力的なので、あわせて読むことでもっとこの作品を楽しめるかもしれません。

(執筆:佐々木ユウタ)

アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』放送情報

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」PV |Eng sub

■STAFF&CAST
【CAST】
空条徐倫:ファイルーズあい
エルメェス・コステロ:田村睦心
フー・ファイターズ:伊瀬茉莉也
エンポリオ・アルニーニョ:種﨑敦美
ウェザー・リポート:梅原裕一郎
ナルシソ・アナスイ:浪川大輔 ほか
【STAFF】
原作 荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊)
総監督 鈴木健一
監督 加藤敏幸
シリーズ構成 小林靖子
キャラクターデザイン 筱雅律
サブキャラクターデザイン 土屋圭
スタンドデザイン 石本峻一
プロップデザイン 新妻大輔 宝谷幸稔
美術設定 滝れーき 長澤順子 渡邊由里子
美術監督 渡辺佳人
色彩設計 佐藤裕子
撮影監督 山田和弘
編集 廣瀬清志
CGプロデューサー 濱中裕
CGディレクター 宍戸光太郎
音響監督 岩浪美和
音楽 菅野祐悟
アニメーション制作 david production
■放送情報
2021年12月1日(水)よりNetflixにて第1話~第12話まで全世界独占先行配信中
TV ON AIRテレビ放送2022年1月よりTV放送開始!

TOKYO MX
1月7日(金)より毎週金曜 24:30~
MBS
1月7日(金)より毎週金曜 26:55~
BS11
1月7日(金)より毎週金曜 24:30~
アニマックス
1月22日(土)より毎週土曜 20:00~
ABEMA
1月7日(金)より毎週金曜 24:30~
※放送時間は変更になる場合がございます

■公式サイト:https://jojo-portal.com/anime/so/

©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SO製作委員

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numan編集部

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