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舞台『駆けはやぶさ ひと大和』は、もののふシリーズの第三弾にして最終章。
白虎隊の青春を描いた2015年9月上演の『もののふ白き虎(略称:もふ虎)』が話題を呼び、もののふシリーズとしてシリーズ化が決定。第二弾『瞑るおおかみ黒き鴨(略称:つむ鴨)』が製作されることとなりました。
2016年9月に上演された『瞑るおおかみ黒き鴨』では、明治初期に新政府軍と旧薩摩藩士族の間で起こった西南戦争を、新撰組なき後の斎藤一を主軸に描き、こちらも話題に。
シリーズ最終章になる本作は、もふ虎では憧れ、つむ鴨では過去として描かれた新撰組が題材。斎藤一役の青木玄徳さん、土方歳三役の荒木宏文さんはもののふシリーズ全作を通じて出演されており、最終章で新撰組隊士たちの姿はどのように描かれるのか、期待も高まります。
本作の主演を務めるのは、5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCEで活躍中の花村想太さん。今作が初単独舞台主演というだけでなく、テーマソングの作詞・歌唱も担当しています。
舞台挨拶では、豪華キャスト陣がそれぞれ舞台にかける熱い想いを語りました。
花村想太さん(中島登役)
シリーズ最終章ということで、このシリーズを象徴するような作詞を心がけました。本日からの舞台、めちゃくちゃ気合いが入ってます。今作を観た方が、過去作も観たくなるような素晴らしい作品になっています。
久保田秀敏さん(榎本武揚役)
榎本武揚役ということで、実際に榎本武揚のお墓参りに行ってきました。史実に忠実に演じられるよう、頑張っていきたいと思います。あと、この付け髭がとれないようにも頑張りたいです(笑)。
山本涼介さん(沖田総司役)
(演出の)西田さんに、この衣装と髪型のおかげで2割増しでカッコよくなったって言われました(笑)。人より長い刀で殺陣をしているところにも注目して観ていただければと思います。
杉江大志さん(市村鉄之助役)
命をかけて戦う男たちのカッコよさを、一人でも多くの人に観てほしいと思っています。
健人さん(横倉甚五郎役)
最後まで、一瞬一瞬を精一杯頑張ります。
近藤頌利さん(伊藤博文役)
見どころ満載の舞台なので、ぜひ皆さん楽しみにしていてください。
林田航平 さん(島田魁役)
前回の舞台から引き続き演じさせていただいて、今回は後輩が続々と登場していまして、ちょっとえらくなったんですけど…(ここで的場さんから「そんなにえらくなってないって」とツッコミが入る)…えらくなってはいないんですけど(笑)。後輩が登場したことで島田の新しい一面を観ていただけると思います。
青木玄徳 さん(斎藤一役)
シリーズ作品ですが、今作からでも楽しめる作品になっていると思います。
荒木宏文 さん(土方歳三役)
一所懸命頑張ります!!!宣伝よろしくお願いします!!!
中村亀鶴 さん(桂小五郎役)
男たちのカッコよさとカッコ悪さを描いている舞台です。現代に生きる方にも共感していただける舞台になっていると思います。
的場浩司さん(近藤勇役)
劇場に足を運んでいただいた方に何かを残せる舞台になればと思います。若者に引っ張ってもらいながら頑張ります。押忍!
気合い十分の舞台挨拶に、本編への期待が高まります。
開幕早々に描かれるのは、新撰組と言えば……の池田屋事件。
新撰組への入隊を志願してきた中島登(花村想太)は、入隊できるかどうかもわからぬままこの池田屋事件に巻き込まれることになります。
もののふ(武士)に志願してはいるものの、戦を恐れ「隙あらば逃げよう」と考えているかなり及び腰の主人公・中島登。
作・演出の西田大輔さんは、「これまでにない主人公を描きたかった」と舞台挨拶で語っていましたが、その通り、勇猛果敢、壬生の狼と恐れられた新撰組のイメージからはかけ離れているかもしれません。
その登が、激動の時代の中を新撰組としてどう戦い、生き抜いていくのかが本作の見どころの一つではないでしょうか。
やがて登は、新撰組に入隊し、横倉甚五郎(健人)や市村鉄之助(杉江大志)らと親交を深めていきます。
もののふシリーズと言えば殺陣も見どころの一つ。
本作では、池田屋事件を始めとして、殺陣のシーンが盛りだくさんで、それぞれの隊士たちのキャラクターに沿った戦い方を存分に観ることができます。
やがて舞台は戊辰戦争へ。
敵である新撰組を「男が憧れるには充分だった」と評する新政府軍の乾退助(越村友一)。それほど新撰組には、己の”誠”を背負い、信念を持った男たちが集まっていました。
そして激動の時代の中、新撰組の一人として戊辰戦争最後の地、函館を戦い抜いた中島登。
最初の頃の及び腰の態度が嘘のように、逃げることをやめ、自らの意思で新撰組として生きることを決断する登。
“剣はたたないが筆はたつ”登は、ともに戦った新撰組の仲間たちを絵姿に留めることで、彼らの”誠”、新撰組の男たちの生き様を後世に届けることになるのです。
作・演出の西田大輔さんが「一作目では憧れの対象として描いていた新撰組を、今回は憧れの対象だけでない、生身の仲間たちを描きたかった」と語っているように、今回の舞台では、新撰組の仲間たちの絆が強く描かれています。
激動の時代を駆け抜け、成長していく彼ら。本作で描かれる等身大の隊士達の姿は、その悲劇的な結末も相まって、もはや涙なしには見られません。
観賞中は迫力に釘付けになり、終わった後はしばらく余韻に浸ってしまう、『駆けはやぶさ ひと大和』はシリーズ最終章にふさわしい熱量を感じられる舞台でした。
東京公演は2月18日(日)まで銀河劇場にて上演中。大阪公演は2018年2月23日(金)~25日(日)まで森ノ宮ピロティホールで上演されます。
どうかこの熱量を、皆さんもぜひ感じてみてください!
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