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梶さんはまず、「Hello everyone! How are you? My name is Yuki Kaji. Nice to meet you!(みなさんこんにちは。私の名前は梶裕貴です。はじめまして!)」と英語で挨拶。続いて「Do you like Attack on Titan? If not……(『進撃の巨人』は好きですか? もしそうでないなら……)」と尋ねたあと、「“駆逐してやる!”」と日本語で叫び、会場を大いに盛り上げました。
2017年4〜6月に放送されたSeason 2を受けて、どのようにSeason 3に挑んだのかを尋ねられると、Season 2のラストでエレンが母親・カルラを食べた巨人と再会し絶望するエピソードに言及。「ミカサの言葉を受けてもう一度立ち上がって戦い、新たな力がエレンの中で目覚めた。これはエレンにとってもですが、人類全体にとっても大きな意味を持つこと」と答え、「今後、エレンが巨人の力や自分自身の存在意義を再確認する葛藤が描かれていくと思うので、その微妙な変化を自分の中で意識しながら演じていきたいと思っています」と語りました。
同じ質問を尋ねられたブライスさんは、「この作品は常に変化しています。何よりもまず、キャラがどんどん死ぬ(笑)」と答えて会場のファンたちを笑わせ、「それから、Season 2のラストのように、だんだん秘密が明らかになっていく。僕自身も単純にストーリーを追うのを楽しんでいるし、レコーディング・ブースで自分がその瞬間に感じたものを込められるようにしています」と話しました。
梶さん「恐怖、怒り、憎しみという感情が彼を突き動かし、巨人への復讐こそが彼の生きる意味になってしまっている。それはとても悲しいことだけれど、そのエネルギーは誰よりも強い。だからこそ、エレンは巨人の力を手に入れるようなポジションにいるのかなと思う。彼の中の意志の強さや、少し危なっかしいけれどそれでも前に突き進んでいくような正義感、そういうものを大切にしながら演じようと意識しています」
ブライスさんは、「自分も彼の怒りをいつも取り入れようとしている」と梶さんのコメントに同意。そのために、これまでの人生で自分が怒りを感じたときのことを思い出そうとしたというエピソードで、「ペットのプードルたちにポテトチップスを食べられたときのことを思い出してね。『奴ら、僕のチップスを食べやがった!』……この怒りが僕のエレンの怒りのモチベーションになっているんだ!」と、またしても会場を笑わせました。
次に、エレンとの共通点を尋ねられ、「ポテトチップスを食べられたときに怒ってしまうところです」と梶さん。ブライスさんのネタに便乗したジョークに、会場は笑いに包まれます。「まあ、もちろんそれもありつつ(笑)。自分の中にある絶対的な正義、これだけは曲げたくないという信念や誇りというものを持っているところが近いのかなと思います」
一方のブライスさんは、「僕はエレンとは全然違う」とコメント。エレンがとても挑戦しがいのあるキャラクターであると説明しました。
ブライスさんも、「完全に同意だよ! 梶さん」と賛同し、「あとは、声のボリュームをもう少し下げてほしいかな。日本版の梶さんの演技、見るたびに怖いと思ってるから……(笑)」と冗談めかしました。
「これまでで最も難しかった場面は?」という質問には、梶さん・ブライスさんともにSeason 2のラストでエレンが泣きながら笑うシーンをチョイス。
梶さん「荒木(哲郎)監督から、『ここは梶さんにお任せします。梶さんの表現に合わせて絵も作りますし、好きにやってください』と言われました。うれしかったですし、ハードルにも感じましたけど、結果的にとても素敵な表現が生まれたと思っています」
次にお気に入りのシーンを尋ねられると、梶さんは巨人であることを明かしたライナーとベルトルトに「裏切り者が!」と叫ぶシーンをセレクト。
梶さん「その後、森の中でライナーと戦い、言葉よりも感情をぶつけ合うシーンは、エレンと本当にひとつになったような感じがあった。役者としても、僕としても、表現が難しいけど、気持ちのよい瞬間でした」
マーシャル・アーティストである側面を持つブライスさんは、『進撃の巨人』全体で描かれている武術を使った戦闘シーンがエキサイティングだと答えました。
梶さん「エレンとしてはリヴァイ兵長に全幅の信頼を置いているので、兵長しかいません。そう言わないと、何されるかわからないので(笑)」
次に、「Who is best girl?(いちばん好きな・大切な女性キャラは?)」と聞かれた梶さんは、「ミカーサ」と英語風の発音で回答。こちらにも、ファンは大喜び。「これも理由は同じです。こう言っておかないと何されるかわからないので」と梶さんが付け加えると、ブライスさんは「まったくもって同意だ!」と涙が出るほど笑い転げ、会場も再び笑い声に包まれました。
「もし自分が巨人にならなくてはならないとしたら、どんな能力を持った巨人がいいか」という質問には、「好きなときにいろんな能力の巨人に変身できるそんな巨人がいたら最強だろうな。今後そんな巨人が原作に出てきたらエレンで勝てるかなってちょっと不安……。ファイト、エレン!」と梶さん。
ブライスさんは、「僕は新しい巨人の力を作りたいな。空飛ぶ巨人とか。壁を超えて、人々を掬って食べちゃえるし」と答え、司会のローレンさんから「全然違う番組になっちゃうじゃない!」とツッコまれていました。
自分の人生におけるどんな経験が、エレンを演じるうえで役に立っているかを聞かれた梶さん。
「エブリシング、オール(全部です)。どのキャラクターもそうなんですけど、自分が経験してきたこと、身を持って感じたことを生かすのがいちばん素敵な表現につながると思っています。『進撃の巨人』みたいに非現実的、ファンタジックな作品では、経験だけでなく、そこからイマジネーションを働かせて膨らませていくことが大切。ブライスさんは格闘技をやっていることは役に立っているだろうし。僕も日々の生活でアンテナを立てて生かしていきたいと思っています」
終了後、ステージに再び現れた梶さんは、上映中のファンのリアクションの大きさに感激した様子。「いや〜、Very happy!(とても幸せ!)」と会場に向かって叫びます。
梶さん「Season3・第1話を世界で一番早く、LAでみなさんと一緒に観れてとてもうれしく思っています。海外の方とアニメを見るという経験が初めてだったので、こういう素敵なリアクションをいただけるんだと感動しました」
最後に、客席のファンたちが立ち上がり、右手の拳を左胸に当て、左手を背中に回すポーズをします。梶さんの「心臓を捧げよ!」の合図に、「ハッ!」と会場中が声を揃える様子は圧巻。梶さんも、「感動的! Amazing!」と絶賛していました。
最後の挨拶にて、梶さんは「Thank you! みなさんと一緒にこういう素敵な日を迎えられてうれしいです。みなさんとこれからも進撃を盛り上げられたらと思います。これからもよろしくお願いします!」とコメントしました。
日本のみならず、世界中を熱狂させる『進撃の巨人』。ワールド・プレミアでひと足先に公開されたSeason 3・第1話は、NHK総合にて7月22日(日)より放送スタートです!
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©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
取材・文:飯塚ゆとり
編集:小日向ハル
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