吉田可奈
エンタメ系フリーライター。作詞家。趣味特技は世界各国のサバイバルオーディション番組の投票。著書本『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(ともに扶桑社)。
四谷:
実は、ほんのりとずっと役者や歌手になるという憧れはあったんです。中学1年生の時に、佐藤健さんと大原櫻子さんの主演映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』という映画を見たときに、すごくいいなって思っていたんですよね。
――10代の頃って、何者にもなれる可能性があるからこそ、夢は流動的で、変化していいものだと思うんです。四谷さんはまさにその時々の夢に全力でしたね。
四谷:
そうですね。その時々で夢を追いかけながら、ずっと『PRODUCE 101』という、韓国のサバイバルオーディション番組は見ていたんです。だからこそ、いざそのオーディション番組を日本でやると知った時は絶対に出たいと思って受けたんですが、Season1は101人までに残らず、落ちてしまって…。
その後、専門学校で3年生になった時に、Season2が開催されることを知ったんです。その時はすでに芸能事務所をたくさん受け、他の事務所に所属することも決まっていたんですが、1度落ちているからこそ、再度挑戦しないと心残りになってしまうと思い、その事務所の所属をお断りして受けることにしたんです。
――そうだったんですね。プロゲーマーや、役者の勉強をするために専門に行く、アイドルオーディションを受けるなどその時々の大きな決断に対して、ご両親はどんな反応をされていましたか?
四谷:
全部反対していました(笑)。両親は僕に大学に行ってほしいと思っていましたし、プロゲーマーに関しては親には言っていなくて。 その職業自体、まだマイナーだからこそ、言っても意味がわからなかったと思うんですよね。ただ、配信をしていたことは知っていたので、ただ遊んでいたと思われていたと思います。
その後、オーディションを受けることもずっと心配をしていましたが、いまは両親ともにOCTPATHの活動を応援してくれています。ライブを観に来てくれて、すごく楽しそうにしている両親の姿は嬉しいですね。
――お話を聞いていると、それぞれの切り替え力がすごく高いなと思ったのですが…。
四谷:
嫌なことは、寝たら忘れるタイプです(笑)。もちろん、ゲームで負けたときはものすごく悔しいですし、落ち込むこともありますが「次があるしな」って思うんですよね。
今も、「あの時の発言はちょっと違ったかな」「ステージでもっとできたよな」と反省することはありますが、過ぎたことは仕方がないので「また次に頑張るか」と思えるんです。
――たしかに『スプラトゥーン』も、勝っても負けても、すぐに次の試合が始まりますしね。
四谷:
そうなんですよね。その繰り返しで、強くなるんです。さらに、プロゲーマーの時は、どうしてもアンチコメントをもらうことが多かったんですよ。『スプラトゥーン』はプレイしている平均年齢が若いので、まだ分別が付いていない子も多いんですよね。
そういった言葉を多く浴びていた経験があるので、いい言葉だけを受け取って、反省するところは反省してというメンタルの強さが出来上がった気がします。
――いまはグループでの活動をしていますが、プロゲーマーとしての活動がかなり今に活かせているのではないでしょうか。
四谷:
そうですね。やってみようと思ったことはちゃんと言っています。10代の頃から持っている積極性は、これからも大事にしていきたいですね。
――四谷さんは、デビュー当時からMCを担当されていますよね。そこでの視野の広さはかなり成長したのではと思うのですが、実感はありますか?
四谷:
いや~、どうでしょう⁉ 結成時に、僕は希望していたわけではないのにMCに割り振られていたんです。それまでやったこともなかったですし、喋りが達者というワケでもなかったので、最初は大きなプレッシャーがあったんです。でも、やるなら全力で取り組まなければと思い、やり続けてきました。
ただ、芸人さんのMCなどを見ていると、まだまだですし、本当に凄いなって思うんですよ。これからもしっかりと磨いていきたいですし、MCではグループを引っ張って行けたらいいなと思っています。
――デビューから3年が経ち、いろんな経験を重ねたOCTPATHはいま、どんな状態にあると思いますか?
四谷:
これまで出会いや別れなどがあり、本当にいろんな壁があったんですが、いまになってやっと前だけを向いて歩いて行けるなと思えるようになりました。そのポジティブな状態が作品にでも出ていると思いますし、すごくいい状態のように感じています。
――ニューアルバム『Present』も、ポジティブな曲が多いですよね。
四谷:
そうですね。今回はたくさんの挑戦もしました。僕は歌声にクセがあるんですが、『Car Stereo』では、フラットの方がいいなと思ったので、グループとして作品を作り上げる上で、シンプルに歌うことを心掛けたんです。それもあって、より心情を入れやすい曲になったように思います。
これまで、想いを歌に乗せて届けると言うことをしてきたんですが、今回は一歩引いて、僕が受け皿になり歌を届けてあげることによって、聴いてくれるみなさんが自分のエッセンスを入れられるというのも新しいアプローチの仕方だなと、いい発見になりました。ぜひそこに注目して聴いてもらえたら嬉しいです。
――このサイトは、“推し”がいる人が多く見ているのですが、これまでも推しを多く持つ四谷さんだからこそ伝えたいメッセージはありますか?
四谷:
僕はファンのみなさんの言葉がものすごく響きますし、それが支えになって毎日頑張れているんです。みなさんの行動や熱量は絶対に伝わっているので、無理をしない程度に推し活を続けてもらいたいですね。その分、僕たちも頑張れるように届けようという気持ちが増えていくんです。
――推し活って、生活に潤いを与えてくれますよね。
四谷:
本当に、そう思います。ゲームやマンガ、好きなアイドルをみるだけで、お仕事もはかどると思いますし、いい循環が生まれると感じているんです。僕も推し活をしながら、アーティスト、アイドルとして活動していくので、お互い楽しんでいきましょう!
(執筆:吉田可奈、撮影:奥本昭久、企画・編集:三鷹むつみ)
吉田可奈
エンタメ系フリーライター。作詞家。趣味特技は世界各国のサバイバルオーディション番組の投票。著書本『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん?』(ともに扶桑社)。
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