曽我美なつめ
音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。
2020年にサービスが開始され、以来大勢が楽しむアプリゲームとなっている「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」。リリース5年目となる今も10~20代の若年層から非常に熱い支持を得ており、ゲームをプレイしたことはなくとも存在は知っている、という人も多いはず。
また従来から人気の高かった音楽ジャンル・VOCALOIDを中心とした楽曲ラインナップの音ゲー(リズムゲーム)アプリという点も、人気の理由のひとつ。
そんなプロセカによる、ボカロコンテンツ初となる劇場版作品が今年初旬に公開。『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』は公開直後から多くのファンが映画館に足を運ぶ作品ともなり、2025年2月上旬には興行収入10億円を突破しています。
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』公式サイトより
今回の話題をきっかけに、「プロセカってどんな物語なの?」「いろんな曲もあるんだよね?」と、改めてコンテンツに興味を持った人も多いはず。
そこで今回は劇場版の話題にあわせて、プロセカに登場する5ユニットとその人気曲を、ガチオタ兼約15年のミュージシャン歴も持つ音楽ライター・曽我美なつめがご紹介。“プロセカ沼”入門編として、楽曲やキャラたちの魅力を改めて解説いたします!
INDEX
プロセカの舞台となるのは、今の私たちが暮らす現代の日本・東京とよく似た場所。この世界には、普通の音楽と同じかそれ以上に、VOCALOID音楽を愛する人々がたくさんいます。
加えて大きな特徴となるのは、「誰かの強い思い・願い」から生まれた“セカイ”という異次元空間です。
「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」メインビジュアル
セカイにはそれぞれの空間に応じた格好をした、初音ミクほかバーチャルシンガーたちの姿も。そんなセカイと現実を行き来しながら日々を生きる、さまざまな高校生たちを主役とした物語を、プロセカは描いています。
元々ボカロシーンでは、“○○さん家のミク”というような、同じ名前でも姿形の違う初音ミクほかボカロたちが同時に存在する、マルチバースな世界観が常識でもあります(『刀剣乱舞』の“弊本丸”と似た考え方ですね)。
だからこそプロセカで各セカイのボカロたちが同時に存在し、かつ彼らが違う人物であるという考え方は、多くのファンに当たり前に受け入れられているのです。
物語で活躍するのは、主に5つのユニットで活動する高校生たち。まず本作の主人公格ユニットとなるのが、4人組ガールズバンド・Leo/needです。メンバーは全員幼馴染ですが、様々な事情から過去にすれ違い、4人は一度それぞれ疎遠な関係性となっていました。
「Leo/need SEKAI ALBUM vol.2」(ブシロードミュージック)
ですが「またみんなで仲良くしたい」「4人でバンドをしたい」という本当の思いから作られた“教室のセカイ”の初音ミクたちのサポートもあり、再度仲直りできた彼女たち。
同時にプロのバンドとして活動するという夢を掲げて走り始め、その目標も無事達成。今はプロデビューしたガールズバンドとして、厳しい音楽の世界で力をあわせて奮闘している最中ともなっています。
そんなLeo/needを象徴する音楽となるボカロ曲は、じん(自然の敵P)「ステラ」やOrangestar「霽れを待つ」、halyosy「Flyway」など。爽やかで煌びやかなバンドサウンドが印象的な曲が、数多く提供されています。カバー楽曲もn-buna「ウミユリ海底譚」やEve「ドラマツルギー」など、バンドで演奏する姿が思い浮かぶようなボカロ曲が多数ありますね。
今回の劇場版プロセカでそんなLeo/need曲として書き下ろされた「SToRY」は、作詞作曲をDECO*27、編曲をバンド・PENGUIN RESEARCHとしても活躍する堀江晶太(kemu)が担当。
疾走感あるソリッドなサウンドと、傷つくことを怖れながらも一歩を踏み出す人の背を力強く支えるような、大勢に勇気を与えるナンバーとなっています。
女性アイドルグループとして活躍するMORE MORE JUMP!も、キラキラした姿で勇気と癒しを与えてくれるユニットのひとつでしょう。アイドルを夢見る1人の少女をきっかけに、様々な事情を抱える女の子が集まったこのユニット。
メンバーの大半は元々、過去にアイドルの道を諦めたことのある面々です。
「MORE MORE JUMP! SEKAI ALBUM vol.2」(ブシロードミュージック)
彼女らのアイドルへの強い思いから生まれた、“ステージのセカイ”の初音ミクたちの後押しもあり、縁あって集まった彼女らは再度アイドルユニットを結成。事務所などに所属しないフリーのグループとして、トップアイドルを目指すべく夢へと走り出したばかりになっています。
そんなMORE MORE JUMP!を象徴する人気曲には、ナユタン星人「モア!ジャンプ!モア!」や、Mitchie M「アイドル親衛隊」、ナナホシ管弦楽団「パラソルサイダー」などがありますね。
またEasyPop「ハッピーシンセサイザ」やdoriko「ロミオとシンデレラ」といった、ポップでキュートなボカロ曲カバーもアイドル像にぴったり!
劇場版プロセカでは書き下ろし曲として、作詞・作曲:DECO*27、編曲:いよわの「Fun!!」が登場します。一度大きな挫折を味わい、再スタートからアイドルの夢を追い続ける彼女たちの<失敗してもダメじゃない>という歌に、たくさんの希望をもらったファンも多いのではないでしょうか。
さらにプロセカに登場するのは、かわいい女性キャラだけではありません。
かっこよくて魅力的な男性キャラもいるグループのひとつ、それがストリートユニット・Vivid BAD SQUADです。
「Vivid BAD SQUAD SEKAI ALBUM vol.2」(ブシロードミュージック)
元々は女子高生ユニット・ViVidsと、男子高生ユニット・BAD DOGSとしてそれぞれ活動していた彼ら。伝説のライブイベント・RAD WEEKENDを超えるステージを作りたい、という共通の目標のため、ライバル同士だった2組がタッグを組んだチームでもあります。
大勢の友人やライバル、そして夢への強い思いから生まれた“ストリートのセカイ”の初音ミクらの協力も得て、チームは晴れて“RAD WEEKEND超え”を成し遂げたばかり。ですがその活躍はまだ終わりません。彼らは世界を標榜するユニットへと目標をチェンジし、まだまだ高みへの挑戦を続けている道の途中なのです。
そんなVivid BAD SQUADの曲には、Ayase「シネマ」やChinozo「Flyer!」、キタニタツヤ×はるまきごはん「月光」など、ダンサブルかつ力強く背中を叩いて応援してくれるような、勢いのある人気ナンバーが満載! ぬゆり「フラジール」や柊マグネタイト「マーシャル・マキシマイザー」などもユニットカバーされており、こちらも必聴となっています。
劇場版プロセカで新たに書き下ろされた新曲「ファイアダンス」を手がけたのは、作詞・作曲:DECO*27。編曲はこれまでもたびたびユニット曲に関わってきたボカロP・Gigaが担当しています。不安や悩みを抱える人を「大丈夫!」とグッと引っぱってくれるような、パワフルでエネルギッシュな1曲ですね。
またエンターテインメント性抜群のショーユニット・ワンダーランズ×ショータイムも、男性メンバーの所属するユニットです。
曽我美なつめ
音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます
特集記事
ランキング
電ファミ新着記事