双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
2次元の世界を飛び出して、ライブやイベント、写真集など幅広いフィールドで活躍する声優の皆さん。numan読者アンケート「2025年にブレイクしそうな男性声優」で熱い支持を受け、見事1位に輝いたのが今井文也さんでした!
昨年(2024年)公開『映画 ギヴン 柊 mix』鹿島 柊役での熱演&熱唱が記憶に新しいほか、『神クズ☆アイドル』仁淀 ユウヤ役、『プロジェクトセカイカラフルステージ!feat. 初音ミク(以下、プロセカ)』東雲彰人役などで注目を集める今井さん。さらに、昨年は自身初となる写真集『concept?』も話題に。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの今井さんに、読者からは「2025年はさらなる飛躍を遂げるのでは?」という声が多く寄せられました。
そこで今回、今井さんにインタビューを敢行! ランキング結果を一足先にお伝えすると「率直に嬉しい!」と喜ぶ一方、「正直ランキングの順位は、そこまで気にしないタイプ」だと語ります。その裏には「おごらず、妥協せず、自分らしさの軸に関してはブレずにやっていきたい」と語る、今井さんの”自分らしさ”へのこだわりがありました。
さらに2025年の目標を書き初めしていただくと、「爆」の一文字を勢いよく書き始めて……?「習字なんて小学生ぶり!」と言いつつ真剣に筆と向き合っていただいた撮り下ろし写真とともに、約1万字のロングインタビューをお届けします。
INDEX
――numan読者が選ぶ「2025年にブレイクしそうな男性声優」第1位、おめでとうございます!
今井文也(以下、今井):
ありがとうございます。恐縮です…!
――まずはランキング結果を聞いて、いかがでしたか?
今井:
率直に嬉しかったです。普通に生きていて「あなたがランキング1位になりました」と言われることってあんまりないので(笑)。
2024年1月の同ランキング結果をSNSで見たのですが、その時は大塚剛央さんが1位を獲られていて。浦 和希さんが2位で僕が3位だったので、浦さんとの番組で「2位と3位だね」と話した記憶があります。だから今回は1位になることができて素直に嬉しいですし、ありがたいなと思います。
2024年にもっとブレイクしそうな声優TOP10🎉
🥇1位 大塚剛央さん
🥈2位 浦和希さん
🥉3位 今井文也さん4位以下も注目❗https://t.co/xzs3QjNepz
「話題作への出演が続いた大塚さん!」
「浦さんの主人公感ある演技が素晴らしい」
「今井さんは多彩でトークも面白い素敵な方です」 pic.twitter.com/SPfyijdgLx— numan(ヌーマン) (@numan_edd) January 10, 2024
――1位に輝いたことに対して、ご自身ではどのように分析されていますか?
今井:
いや、本当に全然分からないです(笑)。こう言っちゃうとアレですが……正直ランキングというものを、そこまで気にしていないというか。
これまで頑張ってきたことの評価の一つであるとは思うのですが、自分が1位であることに対してというより、「ようやく僕らの世代が第一線で仕事ができるようになったんだな」という喜びの方が大きいですね。
今回のランキング結果もそうですけど、実際にアニメやゲームのアフレコ現場でも香盤表の上の方に僕ら世代の名前があったり、同世代の声優さんだけで作っているようなコンテンツも増えてきたりしている印象があります。
――昨年は同世代の方々の活躍も、実感された1年だったのですね。
今井:
そうですね。ただ僕個人としては、昨年はありがたいことに表舞台に立たせていただいたり、上の世代の方々と一緒に仕事させていただいたりする機会も増えてきて。そういうことも含めて、自分自身もちょっとずつ足場を固めているというか、しっかり1歩1歩、階段を登れているなという自覚がありました。
――昨年は大きなトピックスとして、初の写真集『concept?』を発売されました。
今井:
「まさか自分が」でしたね(笑)。正直、雑誌とかの撮影もそんなに得意ではなくて。写真を撮られたり、映像を撮られたりって、自分の中で胸を張って「自分いけます!」と言えるお仕事ではないんです。
どちらかというと苦労することが多いのですが、そういう中で、「写真集を作ってみませんか?」とお声がけいただいて。2024年は、自分の可能性がさらに広がった感覚がありましたね。
――意外にも、撮られることはあまり得意ではなかったのですね。では、写真集を出すことに対して、悩みや戸惑う気持ちもあったのでしょうか。
今井:
ありました。なので、実は最初に話をもらった時はお断りしたんですよ。「僕の写真集は出さなくていいんじゃないかな」って。そうしたら、マネージャーに電話で30分以上説得されまして(苦笑)。地方の仕事からの帰りの東京駅で話したことを、今でも鮮明に覚えています。
そのあとに改めて考えたんです。この業界、僕と声質や容姿が似ている方もいると思いますし、もっと経験豊富な方もいる。「そこで自分の個性を出すとしたらなんだろう?」と。
写真集をきっかけに“今井文也”を知ってくれる人もいるだろうし、僕のことをまだあまり知らない人に「今井くんって、実はこういう仕事をやりたいんだ」と知ってもらえるかもしれない。そう考えると、これから声優の仕事を続けていく中で「写真集がいい起爆剤になるかも」と思ったんです。
――一度断ろうと思った写真集を発売してみて、反響や手応えはいかがでしたか?
今井:
思ったより受け入れてもらっていて、びっくりしましたね。僕を応援してくれる方は女性が多いのですが、女性ファンに喜んでもらえるような、いわゆる“キラキラ王子な今井さん”ではないものを作り出しているなと。実は、そういう自覚もあったので(笑)。
写真集の最初の撮影場所が音楽スタジオで、真っ赤な照明で舌出しながら髪をぐしゃぐしゃにして撮ってもらったんですよ。地下にあるスタジオで、壁にあるおびただしい数のペイントを背景にしていて。あの瞬間、「もう俺はキラキラ王子ではない、自分らしい方向性でいくんだ」と腹をくくった瞬間でもありました(笑)。
――写真集のテーマが“自分らしさ”ということで、今井さんの出したい個性を存分に詰め込んだ1冊になったのですね。
今井:
僕の好きなものを、前面に押し出しました。好みは分かれるだろうなと思っていましたが、意外と「今井さんらしいね」と受け止めてもらえて嬉しかったですね。
ファンの方だけじゃなく、うちの事務所(Rush Style)代表の速水 奨さんや五十嵐 麗さんにも「今井くんらしくて、いいんじゃない?」と言ってもらえたのが、すごく印象に残っています。こうやって自分で舵(かじ)をとって、これからの道を選び取っていくんだなと、その瞬間に強く感じました。
――読者アンケートで特にコメントが多かったのが、『神クズ☆アイドル』『ギヴン』『プロセカ』での活躍でした。これらの作品は、今井さんにとってどんな影響や成長を与えてくれたと思いますか?
今井:
どの作品も挙げたらキリがないくらい、いろんな印象的な出来事があって、そのすべてで成長させてもらいました。
『神クズ☆アイドル』は、原作の先生やキャスト陣がすごく仲が良くて、「エンタメってこう作られているんだな」という学びを得た現場でした。『ギヴン』は初めてオーディションで役を勝ち取ったアニメ作品なので、まさかそれが(TVアニメ第1期放送から)5年越しに、自分のキャラクターが主軸となる劇場版が公開されて、ライブも開催して、曲もたくさんリリースされて……と広がるなんて。当時は想像すらしていなかったので、すごく成長させてもらったなと思っています。
『プロセカ』は最初の収録から数えたら5年以上経っていますが、今でも一つひとつのエピソードをちゃんと覚えています。所属1年目からそのような作品に携われて良かったなと思いますし、「周りの人に支えられて、導いてもらっているな」という気持ちもすごく大きいですね。
2025年で仕事を初めて7年ほど経ちますが、仕事に対する姿勢や表現の幅は大きく移り変わって見えているのかなと思います。自分自身でも、成長を感じる部分もありますね。
――では、改めて昨年を振り返ってみて最も成長や飛躍を感じたポイントは?
今井:
いっぱいありますが、昨年はとくに歌の仕事をいただくことが増えたなという印象です。出演作品のライブをはじめ、ステージに立たせてもらう場数が本当に増えましたね。毎月何かしら大きなライブやイベントがあったんじゃないかな。
自分がどういうところに楽しさを覚えて、どういうところにこだわるのか。仕事への向き合い方を、ステージを通して改めて考えることができたと思っています。俯瞰して自分を見ることができたので、お芝居にも良い影響がありましたね。
双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
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