『No No Girls』キービジュアル

17歳で誹謗中傷されたラッパーが伝える「あなたは素晴らしい」というメッセージ。『No No Girls』が若い女性から熱狂的に支持されるわけ

CHIKAの歌声は聴く者を魅了する。画面越しでも伝わってくるそのあまりの上手さに鳥肌が立った。だがCHIKAは自分に自信がなく、そのことが後々のオーディションでも引っかかる部分となってしまう。

それでもCHIKAは圧倒的な歌唱力で周りを蹴散らしていく。自信がないと言いつつ、それでも歌唱力を発揮できるのは、これまでCHIKAが突きつけられてきた「No」に対してくらいつき、努力し続けてきた結果なのだろう。

審査が進むたびにCHIKAは少しずつ壁を乗り越えて、さらにその実力の真髄を露わにしていく。彼女が全ての壁を乗り越えたとき、どのような歌声を聴かせてくれるのか、今から楽しみにしている。

「No No Girls」には他にもたくさんのドラマがある。これまで突き付けられてきた「No」の傷や痛みを表現に変え、成長していく姿には涙を流してしまう。

“悪編”のない番組構成。心理的安全性が高く温かい場所

また、オーディション番組では、ドラマを作るために少し偏った演出や編集、いわゆる“悪編”をする場合もある。しかし「No No Girls」にはそういったところが見当たらないのも魅力だ。

チーム内で起きた問題は、深刻にせずにその回の中ですぐに解決するし、誰かにヘイトを集めるような演出もない。

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たとえば3次審査のパフォーマンス後にステージ上で泣いてしまったHIBIKIについて、場合によってはヘイトを集めてしまう可能性もあったかもしれない。

しかし、ボイトレのりょんりょん先生が大人として忠告し、素直に応えるHIBIKI。そしてフォローするちゃんみなという映像まで写すことで、そのひと悶着は爽やかに幕を閉じ、禍根は残らなかった。

オーディション番組に出るような、これからいろいろな場所で活躍する可能性がある参加者に対して、その可能性を狭めないように大人が守っている、という構図が「No No Girls」ではいたる場面で見受けられる。

それは一次審査や二次審査で残念ながら去ってしまった参加者に対しても、同様の配慮がなされていた。

こういった心理的な安全が確保された場で、ガールズたちは成長し120%の実力を発揮していく。それに感化された視聴者は、純粋にガールズを応援したくなる。この番組的な構成も全て含めて「No No Girls」は尊く、温かいのだ。

ちゃんみなに続く、次世代のアイコンになるはず

「No No Girls」はガールズグループのデビューに向けて、審査もいよいよ厳しさを増していく。だが「No No Girls」の参加者は、きっと誰が選ばれても最高のグループになるし、去ってしまう人も別の形で再び姿を見ることができると信じている。

このオーディションは単に新しいガールズグループを生むだけでなく、全員が『No』を力に変える物語を描き出しているのだ。すべての「No」を乗り越えた彼女たちは、ちゃんみなに続く次世代のアイコンになるだろう。

オーディション最終審査「No No Girls Finale」が2025年1月11日(土)にKアリーナ横浜にて開催される。もう全員でデビューしてほしい!という気持ちが回を重ねるごとに増していくが、私たち視聴者も気持ちを整えて、彼女たちの行く末を見守るしかない。

(執筆:宮本デン)

オーディション番組『No No Girls』概要

本編(YouTube):2024年10月4日(金)〜 毎週金曜日20:00配信
完全版(Hulu):2024年10月6日(日)〜 毎週日曜日12:00配信

公式応援番組『No No Girls Night』(日本テレビ・長崎国際テレビ)
出演:ぺえ(タレント)、平成フラミンゴ・NICO(YouTubeクリエイター)
放送日時:2024年10月9日(水)〜 毎週水曜日24:59放送

【番組公式サイト】https://nonogirls.audition-bmsg.tokyo/
【番組公式YouTube】https://www.youtube.com/c/BMSG_official
【Hulu公式サイト】https://www.hulu.jp/
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宮本デン

音楽と酒とネット文化、そしてアニメ・ゲームに心酔するサブカルライター。大衆が作り出すカオスがどこまでいくのか見届けたいという思いで、日々執筆活動を行っています。表現に対する深読みや考察が大好きなオタク。あなたの好きなカルチャーを、深く独自に掘り下げます。

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