numan編集部
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――若林さんは、影山飛雄に共感する部分などがありますか?
若林 飛雄は屈折した部分があると思われがちですが、実際はすごくまっすぐだし素直だし……。
バレーに対して真摯に向き合うからこそ、他人との熱量に差が出てしまう部分があると思うのですが、そのひとつのことに集中してまっすぐ向かっていく部分にはとても共感しています。僕自身も、こうだと決めたら一点集中していくタイプなので。
加藤 星弥くんってすごく優しいんですよ。影山は厳しいところもありますが、優しい部分もあるのでその優しさを星弥くんの演技で見るのが楽しみです。
須賀 僕はオーディションのときから見せてもらってるんですが、二次審査と三次審査の間で一番印象が変わったのが彼だったんです。それはとても素敵なことだなと思いました。解釈だったり、役を嚙み砕いて勉強することを素直にやり続けるのって、実はすごく難しくて。自分の芝居を変えることにもなりますからね。僕も役者なので分かりますが、一度作ったものを崩して柔軟に対応していくのって難しい。それをオーディション中にやって見せた彼を見て、たのもしく思いました。
――オーディション中に心境の変化などがあったのでしょうか?
若林 僕は負けず嫌いなところがあるのですが、いろいろな人と一緒にオーディションを受けてみて、このままじゃダメだという思いが出てきて。ライバルを見ていてというのと、これまで舞台作品をやったことがないのもあって、自分が変わらないと僕が演じる飛雄に魅力を感じてもらえないと思ったから。原作を1から読み返して、アニメも見直して役を研究しました。あと、スパイクジャンプの審査があって……。
――バレー実技の審査もあるんですね!?
須賀 そうなんです、飛んでスパイクを打つ審査もあるんですよ。
若林 それで、スパイクを打つ動画もたくさん見て研究して、公園でスパイクジャンプの練習をたくさんしたのも活きたのかもしれないです。
――では、お三方のなかでバレーが得意なのは?
須賀 ふたりとも、球技得意なんだよね?
加藤 バスケットボールをやってました。
若林 僕も、中学3年間バスケットボールをやっていました。
須賀 バスケ作品の舞台もできちゃうね(笑)。ふたりはバレーの稽古もけっこうやってるんだよね?
加藤 はい。バレーってちゃんとやると思っていたより深い球技なんです。ひとつの動作が次の動作に繋がる部分があって、いろんなことを意識して動かなくてはいけないのが難しいなと思うのと同時に、とても面白い部分でもあります。
若林 僕は元々身体を動かすことが好きなので、バレーの稽古もすごく楽しかったです。
僕はセッターなのでトスを上げるのが中心になりますが、それもすごく難しくて……。相手が来てほしいと思っているところにボールを届けるために、指先や手首の細かい部分まで意識しなくてはならない……しかも速い動きのなかで。バレーの選手ってすごいなと改めて思いました。
――今回は劇団「ハイキュー!!」ということで、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」よりアナログにバレーを見せる部分があったりも?
須賀 そういう実技の部分を「リアルバレー」って僕らは呼んでるんですけど、そこをスローではなく普通の速度で見せることはもちろん出てくると思います。これは極論になってしまうのですが、バレーボールだけを見るなら一番面白いのは実際の試合を観に行くことなので、舞台ならではの見せ方で試合を進めていくことも重要になると思いますし、そこにはパフォーマンスやステージングが必要になると思います。
見てくださる人もどういう心構えで見るべきかというのがあると思いますが、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」のなかで舞台上のバレーにおけるルールみたいなものをこれまでの11作品で培ってきたので、いい部分は取り入れつつ、新しくできることには挑戦して劇団「ハイキュー!!」ならではのバレーボールをお見せしたいと思っています。
――おふたりから見て、須賀さんはどんな先輩・演出家さんですか?
須賀 こういう質問があると、ふたりともちょっとバツが悪そうな顔するよね(笑)。
若林 率直に尊敬できる先輩です。俳優としての面は舞台で拝見してきましたが、同じ俳優を目指す人間として須賀さんのようになりたいと思います。演出家としては、今回が初演出ということですが、ついて行きたいと思わせる安心感があります。
加藤 日向役としても俳優としても大先輩なので、先生みたいな部分が大きいですし、尊敬する部分しかないです。僕、須賀さんが出演されている作品も見ていて、演技も大好きで。こういうときにこういう表情をするんだっていう学ぶこともたくさんあるので、今回は演出家としていろんなことを教えてもらいたいと思っています。
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