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なぜ悲鳴嶼行冥は「最強の剣士」と呼ばれた? 実力者集団の柱たちが彼に従う理由とは

お館様から柱の中で唯一、自身の最期の身の振り方を託されていた悲鳴嶼さん。それはお館様が「この話を明かしても感情的にならず、きちんと現実的な判断を下して動いてくれる」という彼の冷静さに、大きく信頼を寄せていたからにほかなりません。

余命わずかのお館様に託された信頼。悲鳴嶼さんは、確かにそれに応えました。お館様の計画を実行に移すまで誰にも漏らすことなく抱え続けた、その葛藤や辛さも想像に余りあるものがあります。

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加えて産屋敷邸の爆破を目前にしてなお、鬼である協力者・珠世の合図で真っ先に無惨の首を、彼はたった一撃で捕らえました(連携の取れ方を見ると、おそらく珠世の存在もどこかで事前に知っていた可能性も高そうですが…)。

その後も瞬時に首を再生した無惨を見て、その速度と同等のスピード感で瞬時に戦況を判断。“自分たちが具体的に何をすべきか”を見極め、集まってきた柱たちに状況を端的に伝えました。

想像してみてください。もし自分が、悲鳴嶼さんの下で働いていたら…。これだけ頼りになる上司・先輩はなかなかいませんよね。

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圧倒的なパワーや年長者という立場はもちろんですが、あれだけ個性も自我も強い柱の面々が、それでも悲鳴嶼さんの指示や挙動には素直に従う。その理由は彼の最強さ・冷静さに通じる“頼もしさ”であることが、簡単に想像できることでしょう。

盲目という誰よりも大きなハンデ…その驚きのカバー方法とは?

悲鳴嶼さんの強さについて。最後に触れておきたいのはうっかりすると忘れてしまいそうな、彼の大きなハンデについてです。

登場時から一人だけ、目の描写が普通のキャラたちと明らかに異なっていた悲鳴嶼さん。もしかしたら予想のついていた方もいたかもしれませんが、柱稽古編で明かされた通り、彼は元々目が見えないという障がいを負っています。

キャラクターの詳細な情報が載っている『鬼滅の刃』公式ファンブックによると、悲鳴嶼さんが失明したのは赤ん坊の頃の高熱が原因だそう。

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ですが視覚を失ってなお、その他の感覚が異常なまでに優れていた彼(体格の大きさもそれに由来しているのでしょう)。おかげで目が見える人と変わらない生活を送れたのですが、過去には心無い人々からそれを不審がられたり、怖がられたこともあったのだとか。

目が見えない悲鳴嶼さんが何の苦労もなく生活する。それはつまりわかりやすく言えば、自身の周囲の状況を正確に把握しているということです。
視覚が使えない分、おそらく周囲の音を正確に聴く聴覚、周囲の物体との距離や空間の位置関係を感覚で正確に把握する触覚などが、特に突出した能力でもあるのでしょう。

そのため彼の戦闘スタイルや戦うために必要な武器も、それらの感覚をフルに生かしたやや個性的なものとなります。


悲鳴嶼さんの武器となる大きな鉄球と斧、そしてそれを繋ぐ鎖。これらの役目は鬼の身体を攻撃するだけではありません。武器は当然動かすたびに特に鎖からジャラジャラと大きな音が鳴りますが、彼はその音の反響を利用して周囲の空間状況を把握しているのです。

とはいえその仕組みがわかっても、実際にそれができるかと考えると…普通の人間では絶対に無理、ということは誰しもがわかりますよね。
これまでにも実は度々アニメに登場している、『鬼滅の刃』の物語の鍵を握る歴代最強の剣士。彼もまた非常に優れた剣の才能と、常人離れした身体能力の持ち主でした。
目が見えないハンデさえなければ、悲鳴嶼さんはその剣士と並ぶ、あるいは彼を超える最強の剣士になった。そんな道も、もしかしたらあったのかもしれません。

無限城編、開幕──最終戦の火ぶたがいよいよ切って落とされる

ついに物語も最終局面へと向かい始めた『鬼滅の刃』。ここから始まるのは無惨率いる鬼たちと、炭治郎らをはじめとした鬼殺隊の面々の、苛烈で激しい総力戦です。
鬼のボスとなる無惨の人智を超えた強さは、すでに見た通り。加えて未だ彼の下には、これまで登場したどんな鬼よりも強い上弦の鬼たちも控えています。

一方で、心の拠り所でもあるお館様を喪った鬼殺隊。ですがその戦意は衰えるどころか、これまでにない勢いで各々の隊士が復讐の炎を無惨へと燃やし始めたばかり。
いよいよクライマックスへと走り始めた彼らの激闘。その勇姿を、我々もぜひ最後まで見届けましょう。

(執筆:曽我美なつめ)

■アニメ『鬼滅の刃』キャラクターの魅力徹底解剖【竈門炭治郎&禰󠄀豆子、我妻善逸、胡蝶しのぶ、煉獄杏寿郎、鬼舞辻無惨、宇髄天元etc.】https://numan.tokyo/anime/yakmL/

作品基本情報

『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』

■スタッフ
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島 晃
アニメーション制作:ufotable

■キャスト
竈門炭治郎(かまど・たんじろう):花江夏樹
竈門襧豆子(かまど・ねずこ)※:鬼頭明里
我妻善逸(あがつま・ぜんいつ):下野 紘
嘴平伊之助(はしびら・いのすけ):松岡禎丞

冨岡義勇(とみおか・ぎゆう):櫻井孝宏
宇髄天元(うずい・てんげん):小西克幸
時透無一郎(ときとう・むいちろう):河西健吾
胡蝶しのぶ(こちょう・しのぶ):早見沙織
甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり):花澤香菜
伊黒小芭内(いぐろ・おばない):鈴村健一
不死川実弥(しなずがわ・さねみ):関 智一
悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい):杉田智和

■コピーライト表記
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

■公式サイト
https://kimetsu.com/anime/

■Twitter
@kimetsu_off
https://twitter.com/kimetsu_off(推奨ハッシュタグ:#鬼滅の刃)

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曽我美なつめ

音楽、二次元コンテンツ(アニメ/マンガ)を中心にカルチャーを愛するフリーライター。コロナ禍を経て10年ぶりにオタク・同人沼に出戻りました。全部宇髄天元のせいです。

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