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『ヒプノシスマイク』の楽曲では、好良瓶太郎の名前で作詞もされているイケブクロ・ディビジョンBuster Bros!!!の山田一郎を演じる木村昴さん。
今までで一番作詞に悩んだという新曲「H歴維新」の誕生秘話やサンプリング曲との関係性。そしてドラマトラックでは、初めて弟たちに声を荒げる一郎を演じて感じた、一郎・二郎・三郎の「ちょっと寂しい」成長についてお聞きしました。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』から、ディビジョン別CDが7か月連続リリース! そのトップバッターを飾るのは、『ヒプマイ』の斬り込み隊長的な存在のBuster Bros!!!のCD「.Buster Bros!!!」。イケブクロ・ディビジョンの山田家長男・山田一郎を演じる木村昴さんにたっぷりお話しを伺いました。
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――6月からのディビジョン別CDの発売、『ヒプマイ』の最初の頃に戻ったようでワクワクされているのでは?
木村 昴(以下、木村):
やっと来たかという感じもあり、とにかく楽しみです!
ラップ自体も結構久しぶりで、ドラマトラックでもラップを封じられて「音楽フェスをやろう!」みたいな流れがあり、ラップミュージックではない音楽にもトライする期間がありましたよね。それを経て、またラップ力が高まった状態で新たなディビジョン別CDが発表されたので「待ってました」感があります。
去年の「音楽フェスをやろうぜ!」の「『The Block Party -HOMIEs-』『The Block Party -HOODs-』」のタイミングでも、一郎だけは「HIPHOPPIA」という楽曲でラップをしたんですよ。今回はそれともまた違う「イケブクロらしさ」や山田三兄弟のレベルアップしたところを打ち出すような思いを感じられました。
今回の「『ヒプマイ』ってどんなだったっけ?」と再確認できるチャプターでがっつりラップができて、発売がとても楽しみです。だいたいこういうもののトップバッターってBuster Bros!!!がやりがちなんですよ(笑)。イケブクロ的にはその分プレッシャーもありますが、ブクロの曲がしょっぱかったら後のチームにも期待してもらえなくなってしまうから、トップバッターとしてカッコよくかましたい思いもありました。
――最初のイケブクロ・ディビジョンのCD「Buster Bros!!! Generation」は2017年10月の発売でしたが、その頃と今とで作品やキャラクターへの思いで変化したことはありますか?
木村:
もちろん変化はしています。というのも、物語が進むことでキャラクター同士の関わり方も変わってきています。山田兄弟の関係性などもそうですね。作品が始まった2017年よりも、キャラクターのことも理解できるようになったと思うので、そういう違いや成長はあると思います。
僕ら声優が役を演じる良さのひとつが、キャラクターは「こういう人です」と決まっていることだと思うんです。だからその芯の部分で考えていることはブレないんですよね。山田一郎と歩んできているなかで、彼の芯はブレないんですけど、演じている僕らも聞いてくれているみんなも年齢を重ねているから、やる側や聞く側のほうが変化していると思うんです。僕らの歌や演技も深みを増して、皆さんも耳が肥えてきたことでの変化はあると思います。
そして、その変化を楽しみながら演じられています。弟たちのラップがめちゃくちゃ上手くなっていることが一番の変化かもしれません(笑)。
――今改めて思う、Buster Bros!!!の魅力とはどんなところでしょう?
木村:
やっぱり“兄弟”というのが何よりの魅力だと思います。ほかのディビジョンにも仲間としての絆はあるけれど、気が変わったら抜けることだってできると思うんです。裏切っても不思議じゃない、みたいな立ち位置の人もいますよね?(笑)
でもうちは兄弟だから、血が繋がっているしずっと一緒に生きてきたし、誰かが抜けるとか考えられないと思うんですよね。そういう信頼感と見ている側の安心感は強いんじゃないかと思います。兄弟間で裏切ったら「絶縁」ですよ、もう(笑)
――成長した山田兄弟、一郎・二郎・三郎の魅力とは?
木村:
一郎は使命感が増していると思います。H歴になり、武器で戦わず言葉を武器に音楽を通してラップが力を持つようになって、それに則って戦っていた一郎が、ストーリーが進むことで「何か違うんじゃないか?」と思うところまで来たというのが大きな成長だと思います。時代に従っていくだけでなく、自分の考えで疑問を持って「俺はこういう世界を作りたい」と行動に移すカッコよさが増しましたね。
「みんながやるなら俺もやる」タイプではなく、「誰もやらないなら俺がやる」「みんなついてこい!」と先陣を切るようなところは改めてカッコイイと思いますし、ここ数年でリーダー味が増した気がします。
二郎と三郎は、ずっと仲が悪いんですよね。変わらないなって思います(笑)。でもそこがいい! 最近はお互いを理解しあっちゃうような瞬間もちょこちょこ出てきたけど、理解できたことにムカついてまた喧嘩して……みたいな。そして、それを見守る一郎。
そんな山田兄弟の3人が、今回「.Buster Bros!!!」のドラマトラックで初めて喧嘩するんですよ。二郎と三郎の喧嘩は日常茶飯事ですが、そこに一郎も加わるのは初めてだと思うんです。二郎と三郎が一兄に「それは違うと思う」と食ってかかってきて、一郎も「ガキが分かったような口を利くんじゃねぇ!」と逆ギレしてしまう……。
そんなこと弟に言ったことなかったから、収録でも泣きそうでした。寛大で優しい一兄が弟に怒鳴るなんて……ねえ? でも本当は一郎で初めての感情が出せたので、気持ちよかったです(笑)。
――長男の一郎と対等に意見を交わすような弟たちを見て、木村さん的にその成長は嬉しかったですか? 少し寂しかったですか?
木村:
めっちゃ寂しいです!
寂しいですが「こんな日もいつか来るかもしれない」とは思っていたので、それほどショックではなかったです。どこかで心構えをしていたような気もします。弟たちがいつまでもかわいいままでいてくれるなんてことはないだろうと思っていたし、兄貴を越えなければいけない瞬間が来るだろうなとは思っていたので、大人になったという意味では納得しています。
でもやっぱり、一郎は「このかわいい弟たちよ永遠に続け」「成長よ止まれ!」とも思っていたんじゃないかと思うんです(笑)。
――「.Buster Bros!!!」ドラマトラックの収録で印象的だったことは?
木村:
弟たちと喧嘩をするところは、良くも悪くも新鮮だったので印象に残っています。あとはイケブクロのCDだけど、天谷奴零も出てくるんですよね。天谷奴零って気に障る存在ではありますが、的を射ていることを言うし、納得せざるを得ない部分があるんです。そこがまたムカつんですけど!(笑)
あと作品の根幹に関わることなんですが、『ヒプノシスマイク』は「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」として始まった、ラップミュージックが力を持って、音楽の力で戦うというのがコンセプトですよね。その最新話でたどり着いた先が「話し合おう」なのが面白いなって思いました(笑)。
今回のドラマトラック、皆さん聴かれました? 内容をめちゃくちゃざっくり要約すると「話し合おう」なんですよ。「お互いの気持ちをぶつけ合おう」みたいな。勝った人の意見が通って、負けたら発言権はなしというバトルをこれまでやってきたのに、「お前の話しも聞かせてくれ」みたいな感じで、お互いの意見をぶつけ合っていて。
「お前もそう思ってたんだ?」「俺はこう思ってるぜ!」「なるほど」
「お前はどうなんだ?」「俺はこう思ってるぜ!」「なるほど」
「じゃあ、お互いのいいところを見つけて、落としどころを探そう」「イエーイ!」
みたいな展開に(笑)。
音楽やラップの言葉の力で戦ってきたけれど、相手を倒して終わりではなく、話し合って理解し合おうという感じで、ある種ヤンキー漫画っぽいですよね。「戦ったらマブダチ」みたいな。一郎が「音楽フェスやろうぜ!」と言ったときもひっくり返りましたけど、今回「話し合おう」と言ったときも一回ひっくり返りました(笑)。
――山田一郎の新曲「H歴維新」について教えてください。
木村:
ドラマトラックでも「話し合おう」となっていたし、依頼のなかにも「対話をテーマにしたい」とあったので、それをラップで表現する難しさがありました。ラップの最先端の戦い方は「話し合いだ」というところに僕が迷ってしまって……。僕がものすごく悩んで作ったというのを踏まえて聴いてみていただきたいです(笑)。
――ラップだけど対話という部分、木村さんのなかではどこを落としどころにされましたか?
木村:
今まで言いたいことは、全部ラップで言ってきていたんですよ。自分の思い、ラップに期待すること、自分たちの未来についてを全部楽曲に込めてきたので、対話をラップで表現するのはなんだか違う気がしてしまって。ラップにはあくまで攻撃性を持たせておきたかったので、バースの部分はわりと攻撃力が高めでアグレッシブな内容に。途中一郎が語る部分があるのですが、今回のテーマはそこで言おうと思って。
アグレッシブなラップで攻撃しつつ、途中で本心を語るという曲にしました。だから、しゃべっている部分とラップの部分でちょっとメッセージの質が違うんです。シンプルなメッセージは台詞のほうが伝わるだろうなというのもありました。
――今回の一郎の思いが強くでている歌詞はどのあたりでしょう?
木村:
一郎の思いは台詞部分がメインかなぁ。
リリックだと<新たな時代にまだまだ期待してんだよ RAPで変われる未来>のあたりですね。個人的に好きなパンチラインは<ペンは剣より偽りがない言葉が矛で盾 思い出せ>の部分で、言葉で守ることもできれば、攻撃することもできるという。
「ペン」がキーワードになっていて、武器で攻撃し合う時代が終わってラップをしていた俺たちにはリリックが必要なわけですよね。そのリリックを「書く」、物語を「描く」ところで<ペンは剣よりヒプノシスマイク>という歌詞がすでに「ヒプノシスマイク - Division Battle Anthem-」にあるように、書き記す部分がキーワードになっています。
さっき「戦ったらマブダチ」というのがヤンキー漫画みたいだとお話しましたが、リリックでも<信念通すヤンキー漫画のような真剣勝負 俺がキーマンだ>と言っています。実はヤンキー漫画の名作『ろくでなしBLUES』という言葉も入れているので、気づいてくれる人がいたら嬉しいです。
――「H歴維新」、リリック以外の音楽面ではいかがでしたか?
木村:
作曲にDJ OASISさんの名前が入っていますよね。OASISさんはヒップホップグループKGDR(キングギドラ)のDJ兼MCをされている方なんです。元々キングギドラの楽曲に「平成維新」というものがあって、「H歴維新」は「平成維新」をサンプリングしてNAOtheLAIZAさん、A.M.P. Killerさんがトラックにしてくれたのが今回のミソ!
なので、キングギドラを知っている人が見ると「“H歴維新”? それってもしかして……?」となるわけなんです。「平成維新」はけっこう怖い雰囲気の曲なのですが、NAOtheLAIZAさんがサンプリングされるにあたってめちゃくちゃカッコよく作ってくださって。「サムライが刀で斬る」みたいな物騒な曲をサンプリングしつつ「戦わず話し合おう」という曲になっているところが熱い!
今まではサンプリング=三郎の曲でのクラシックがメインでしたが、『ヒプノシスマイク』とは違う世界のヒップホップをサンプリングするのは初なんじゃないかと思います。
――これまでの山田一郎のソロ曲「俺が一郎」(2017年10月発売)、「Break the wall」(2019年12月発売)からの変化や成長について教えてください。
木村:
楽曲を繋げて聴くとひとつの物語になっているのは、作詞家の好良瓶太郎として意識しました。「俺が一郎」で自己紹介をしつつラップへの思いを語り、物語が進んでいくなかで壁に阻まれながらも自分たちを押さえつけるものをぶち壊してやるという思いを込めたのが「Break the wall」。
「Break the wall」で壁を壊して外に出たことで、戦いの手段としてのラップミュージックとは違う、本来のピースフルなラップに気づいた。けれど、まだ中王区に支配されていて路頭に迷うようなフェーズのなかで、俺たちが目指しているのは「HIPHOPPIA」というヒップホップのユートピアだと。音の前においてみんなが平等なユートピアを目指して航海に出て、ヒップホピアにたどり着いたことで、好良瓶太郎としては一郎の物語は完結したつもりでいたんです。
ラップの力を信じた男が壁を怖し、<信じ抜いた者だけに開く扉ここが俺らのGREAT HIPHOPPIA>で歌詞も終わるので。ヒップホピアにたどり着いてミッションコンプリート感があったんですけど、「HIPHOPPIA」のレコーディングが終わってしばらくしてから「“H歴維新”という曲を作ろうと思うのですが……」と連絡があって。「俺もうヒップホピアでゴールしちゃいましたよ?」みたいな状態になったこともあり、今回の「H歴維新」は書くのが大変だったというわけなんです(笑)。
今回は「俺は何を伝えたいんだろう?」という部分に向き合うのが一番大変だったかもしれないですね。キャラクターとしても強くなっているし、ちゃんと前に進んでいるのが有言実行だなと思いますが、一貫して「俺が一郎」のときから根幹となる思いは変わっていないと思います。
――二郎と三郎のソロ曲で楽しみなことは?
木村:
まだ聴けていないのですが、このふたりのソロ曲も久々なのでカッコよくラップをしているかが楽しみです。二郎と三郎は約5年ぶりのソロ曲になりますが、イケブクロとしての曲や複数人で歌う曲はあったので、石谷くんと天﨑くんが熱心に練習をしていることは知っていますし、どれだけラップが上手くなっているかに期待しています!
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