『WIND BREAKER』は不良の概念をぶっ壊し!必殺仕事人のような爽快感がもう最高です

商店街を超えたトンネルの先にある飲み屋街、そこを縄張りとする“力の絶対信仰”「獅子頭連」との抗争がひょんなことから勃発してしまった際には、ただ闇雲に殴り合う乱闘が勃発してしまうのかと、肝を冷やした場面がありました。

しかし、なんと彼らはそれぞれがタイマンを張る一種の団体戦のような形で戦うことになるのです。

なんともスポーツマンシップに則ったやり方だと感心させられてしまったのですが、まるで格闘マンガのように一人一人が壇上に上がって、タイマンを繰り広げるのです。

乱闘の最中に、重要キャラ同士が相容れるというのはよく見る演出ですが、他の構成員たちが見守る中でのタイマンという描写は、こういった不良マンガではあまり見ない光景のため、思わず感動してしまった次第です。

喧嘩は喧嘩と言えども、拳と拳のぶつかり合いという男気溢れるバトルが繰り広げられるのもまた本作の魅力。喧嘩シーンにおける迫力満点のカメラワークにも注目です。

アウトローからヒーローへ。キャラクターも魅力的

さらに、個性豊かなキャラクターたちも大いに魅力的。

主人公の桜遥は、ブラックとホワイトの髪色に、黒と金のオッドアイを持つ青年。その容姿から、虐げられる生活を送ってきた彼が「ボウフウリン」の一員として、ヒーローになっていく過程が描かれていきます。

まさに主人公らしい主人公と言えて、アウトローからヒーローへ、他人を信用できない彼が大多数の人々に受け入れられていく様はとても小気味いい限りです。

他に、カンフーを取り入れた格闘スタイルを魅せる隻眼の美少年・蘇枋隼飛、「ボウフウリン」最強の男・梅宮一などなど、昔のヤンキーものとは少し異なり、イケメン、美青年が多数登場。ここに、女性からの支持が強い要因があるのかもしれません。

令和の世に復活を遂げつつある不良・ヤンキー漫画。その中核を担う、新時代の不良マンガ『WIND BREAKER』。たかが不良マンガ、されど不良マンガ。よくある不良マンガだと思ったら大間違い! 観れば観るほど、概念はぶち壊されます。

(執筆:zash)

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zash

子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

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