zash
子供の頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。
一方、海外のレビュワーはどのような反応を示しているのでしょうか? 英語版IGNには、『怪獣8号』の独特な魅力に触れたレビューが掲載されています。
それによると「『怪獣8号』は怪獣バトルを率先して見せるわけではなく、ほとんどのアニメがわざわざ尋ねようとしない“この後始末をしなければならない不運な奴は誰なのか?”という問いに答えている」と冒頭で語られます。
日比野カフカというキャラクターが、このお話の主人公であることは明らかですが、それを示唆するものが何もない点が他作品と一線を画す要因だと言います。
「ほとんどの主人公が天才的な才能を持った高校生であるのに対し、カフカは32歳で、ずっと昔に夢を諦めた男だ」と続けられており、近年のアニメ作品とは異なる視点で物語が語られていると評価。
さらに「カフカは脚光を浴びる代わりに、怪獣廃棄物処理作業員という報われない仕事をせっせとこなしている。本作は近年人気の“異世界”ジャンルのルートを進むのではなく、不屈の決意によって畏敬の念を抱かせる主人公を描いている」と綴られます。
カフカが自分の過酷な人生を乗り越えようと必死に生きている様が、実に感情移入を誘うと言うのです。
「戦いはスコールのように突然勃発し、絶望的な戦いを目の当たりにする。だが、危険を伴うストーリーを深刻に捉え過ぎず、ユーモアをもって緊張を和らげる素晴らしい仕事もしている」とリアクターと同様に、シリアスになり過ぎず、コメディ要素でしっかりと箸休めができる点も高く評価しています。
最後に同レビューは、「Production I.G.の見事な仕事ぶりはカフカを愛すべきキャラクターへと昇華させている。スタジオ カラーによる恐ろしい怪獣デザインと相まって、『怪獣8号』が絶対に見逃せないアニメとなる準備は整った」と締めくくられています。
10点満点中8点の高得点を叩き出しており、序盤の滑り出しとしては上々のようです。
アニメ界に颯爽と現れた巨頭『怪獣8号』。
オープニング、エンディング共に洋楽アーティストを起用している辺りに、海外を視野に入れた作品であることが伺えますが、その戦略は功を奏し、日本よりも海外の方が大きな盛り上がりを見せている印象さえ受けます。
今後『怪獣8号』が、世界でどのような足跡を残していくことになるのでしょうか。
(執筆:zash)
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