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9年に渡りゲーム、アニメとさまざまなメディアで刀剣男士を演じてきた鳥海浩輔さんと前野智昭さん。そんなふたりが「今までで一番緊張感のある本丸」と口をそろえて言うのがアニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』(以下、『刀剣乱舞 廻』)。
「三日月の鋭い一面がより分かりやすく描かれていた」と語る三日月宗近役の鳥海浩輔さん。山姥切国広役の前野智昭さんは「今までで一番感情を露わにした山姥切を演じた」と本作のアフレコを振り返ります。
魔王・織田信長を元主にもつ4振りの刀剣男士たちと共に織田信長が暗殺される本能寺の変へと出陣した三日月宗近と山姥切国広。いよいよクライマックスを迎える『刀剣乱舞 廻』の見どころ、そしておふたりが演じて気づいた「廻る」感じをお聞きしました。
INDEX
――『刀剣乱舞 廻』の台本を読まれた際の印象を教えてください。
鳥海浩輔(以下、鳥海):
そうですね、第一印象は「今回は織田か!」でした。そのなかでも、織田信長に縁のある刀剣男士と山姥切国広という主軸が分かりやすくふたつあるんだなという。
前野智昭(以下、前野):
今回の山姥切、ちょっと主人公感がありますよね。個人的には、舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺には登場しなかった刀剣男士も登場するというのがとても楽しみでしたし、彼らがどんなふうに自身の葛藤と向き合って成長していくのかも楽しみでした。
――舞台を脚本原案としたアニメということで気負いなどはありましたか?
鳥海:
舞台はあくまで脚本原案で、台本もアニメーション用に変わっていますし、アニメはアニメだと思って演じるようにしました。我々の感覚からすると、舞台作品のアニメ化というよりは「『刀剣乱舞』の新しいアニメシリーズ」という印象が強かったです。また違う本丸の三日月宗近を演じられるんだなという感覚でした。
前野:
僕も鳥海さんと同じ気持ちで、今回のアニメもいろいろな方に見ていただきたいという思いで挑みました。ただ、舞台版のキャストさんたちがアニメをご覧になった際に「アニメの『刀剣乱舞 廻』も面白いな」と思ってもらえるような作品になったらいいなという気負いはありましたね。
――『刀剣乱舞』はゲームやアニメ、舞台とさまざまなメディアミックスがされていますが、今回の『刀剣乱舞 廻』の本丸はどんな本丸だと感じられましたか?
前野:
今回の本丸は『刀剣乱舞』のメディアミックスのなかでも、わりと緊張感のある本丸ですね。本丸でのんびりしているシーンもあるにはありましたが、『刀剣乱舞-花丸-』ほどのほのぼの感ではないですし……。
鳥海:
どこかしらにずっと緊張感がある感じだったよね。
――それは三日月宗近と山姥切国広に対して?
鳥海:
全体の空気感ですね。
前野:
そうなんです。とくに織田信長に縁のある刀剣男士たちが常にピリついていて……。なおかつ、山姥切国広も過去のトラウマなどで悩んでいる時期でもあり、油断しているともめごとに発展してしまうのではないかという緊張感がありました。そこを三日月宗近や鶴丸国永が和ませてバランスを取ってくれている印象でした。
鳥海:
ストーリー全体を通して、常にピンと張りつめているような印象だったよね。
前野:
今まで演じた『刀剣乱舞』のメディアミックス作品のなかでも、かなりピリッとした緊張感のある作品だったと思います。
――いろいろなメディアミックスで三日月宗近と山姥切国広を演じられているおふたりですが、本作の2振りの特徴は?
鳥海:
基本的な部分は同じなのですが、本作の三日月宗近は鋭さがあったと思います。今までのメディアミックスでもそういう面はありましたが、より鋭い一面が分かりやすく描かれていた気がします。ちょっとシビアな部分が強い三日月宗近というか。ほかの刀剣男士はまだ知らない大局が見えていて、みんなを導くような立ち位置にいたのが特徴的だった気がします。
そこまで強い口調なわけではないですが、不動行光に刀を向けて「俺たちは、おまえを斬らねばならん」と言っていたじゃないですか。ここまでハッキリ言う三日月宗近は初だったので、ある種の怖さみたいなものも見せていましたよね。
前野:
どの作品の三日月宗近もそうですが、本作でも存在感や説得力が言葉の端々にあって。ぽろっと口にした言葉が壮大な伏線になっているんじゃないかと思うくらい、意味深な雰囲気を醸し出していたなと思います。なんてことのない会話でも「これは答えに導いてくれていたのではないか」と後から気づくみたいなね。
山姥切国広に対してはとくに顕著で「おまえは、あの月を見てなんと思う?」「山姥切が美しいと思った心が、あの月に宿ったぞ。その心はいつぞやおまえに帰ってくるやもしれん」とか「伏線なんでしょ?」と勘ぐってしまいますよね。
鳥海:
はははは。「月の本来の姿は岩肌だ。陽の光に照らされてようやく、あの美しい姿をなすのだ」ってね、意味深すぎるよね。
前野:
きっとね、最終回まで見終わってから気づく伏線もあると思います。アニメだと『刀剣乱舞-花丸-』や『活撃 刀剣乱舞』の山姥切国広にもシリアスな面はありましたが、『刀剣乱舞 廻』では彼の感情のふり幅がより大きく描かれているように感じました。そういう意味では、今まで山姥切国広を演じてきたなかで一番感情を露わにしたお芝居をしたと思います。
過去の出来事からの葛藤をどう乗り越えて成長につなげていくのかも見どころです。『刀剣乱舞 廻』の主軸は織田信長に縁のある刀剣男士たちですが、主人公は山姥切国広なんじゃないかというような描写も多くて、山姥切目線で物語が進む部分もけっこうありました。
――山姥切国広の感情がとくに大きく動いたと思うシーンは?
前野:
やっぱり、不動行光と向き合うシーンですね。自分を「ダメ刀」と言う不動に対して、共感に似た気持ちを感じて山姥切が「自分もこうするから、お前もこうしろ」とアドバイスをしてみたり。戦闘でも危機感のあるセリフを発したり。ほかのシリーズでは出してこなかった、山姥切の感情の引き出しを開ける回数が多かったと思います。
鳥海:
山姥切はどの本丸でもわりと悩みがちな青年ですが、今回は心情の描写が時間をかけて丁寧にされている印象だよね。刀剣男士・山姥切国広の性格として、ちょっと後ろ向きなところがあるというのはどの本丸でも共通していて皆さんご存知なところではあると思いますが、彼が悩みに向き合っていく様子がとくにしっかり描かれていました。山姥切の繊細な部分がよく描かれていたと思います。
――本作での三日月宗近と山姥切国広の関係性はいかがでしたか?
鳥海:
三日月からすると、山姥切は導くべき存在。近侍も交代するし、とても期待しているんじゃないかと思います。次の一歩を踏み出させるために、山姥切の背中を押してあげるような立ち位置にいるのが本作の三日月宗近だと思います。一番大事な核心までは言わないのですが、ほかの刀剣男士とはちょっと違うところを見ているイメージです。
前野:
そうですね。三日月はいつも背中を押してくれる存在ではありますが、本作ではとくにそういう部分が強くて。困っていたり悩んでいたりすると、三日月が背中を押してくれる。答えは決して言わないし、分かりづらいアドバイスなんですけど、結果的に「こうすればいいのか」と気づかせてくれて、それが山姥切の成長に繋がる一言だったんだなと後から気づく感じです。
鳥海:
現代の指導者に必要な要素だよね(笑)。
前野:
自分で考えさせるっていう(笑)。
鳥海:
いきなり答えを教えてあげるのではなく、自分で考えて成長させる三日月宗近。理想の上司ですね(笑)。
――意味深な三日月宗近は、アニメのアフレコ時にそうしてほしいというディレクションがあったのでしょうか?
鳥海:
それが言われないんですよ(笑)。
前野:
そのさじ加減は「鳥海さんが一番分かっている」という信頼ですよね。僕は山姥切国広に関しても、いつものブレない軸みたいなものは持って収録に臨みましたが、舞台からアニメになったということで意識したこともありました。刀ステで山姥切を演じている荒牧慶彦くんとはお仕事をご一緒する機会もあり、舞台のキャストさんたちがどういう熱量でこの作品に取り組んでいるのかを伺ったことがあったので、こちらも本気で挑んでいいものを作っていかなければという思いがありました。そういった意味では、土俵は違いますがお互いに高め合える存在だと思います。
――『刀剣乱舞 廻』のアニメならではの見どころはどんな部分でしょう?
前野:
山姥切としては、近侍という大役をどうまっとうしていくのかですね。彼は自分にコンプレックスがあって自信がないのですが、それでも任務はこなさなければという責任感はあるので。彼の葛藤を見せながら物語が進んでいくので、そこでの三日月の分かりづらい助言を彼がどう受け止めて成長に繋げていくのか……。
鳥海:
さらにそこに不動が絡んでくるからね!
三日月の見せ場はやっぱり、いいことを言って背中を押してくるところですね。
――本作でおふたりが心惹かれたシーンは?
前野:
僕は第4話の「四部隊対抗戦闘訓練」の描写がとても好きです。刀ステではたしか紅白戦だったと思うのですけれど、アニメでは4部隊が入り乱れて戦う大乱戦になっていたので、演じてみて映像が出来上がるのが楽しみなシーンでした。この刀剣男士とこの刀剣男士が刀を合わせるのか……という夢が実現するようなシーンでもありましたし。
鳥海:
刀剣男士だけでなく歴史上の人物もたくさん出てきて、森蘭丸の最期も衝撃でしたし……。彼らとのやり取りや、刀剣男士のアクションもアフレコ時はまだどんなふうに描かれるか分からなかったので、完成した映像を見るのが楽しみだなと思いました。
――おふたりはいろいろなメディアミックスの本丸で刀剣男士をご覧になっていますが、本作で気になった刀剣男士は?
鳥海:
メインで描かれているのが山姥切と織田の刀なので、やっぱりそこかな。なかでも今までとちょっと印象が違ったのは薬研藤四郎。
前野:
薬研は今までになく大人な立ち位置でしたよね。
鳥海:
お医者さんだったしね。
前野:
宗三左文字も大変そうではありましたが、こちらも大人だなと思いました。
鳥海:
悪夢を見て飛び起きるみたいな描写もあったし。
前野:
大変そうと言えば、へし切長谷部! 『刀剣乱舞 廻』ではいつも以上にピリピリしていましたね。不動に悪気はないのですが、悪気がないからこそ余計にイライラするみたいなところがあって、長谷部も大変そうでした。
鳥海:
長谷部はずっと怒っていたよね。
前野:
それもね、織田信長に囚われているということなんでしょうけれど。
鳥海:
不動もそうですが、宗三も今までの作品では役としてのやり取りがあまり多くはなかったので、今回スポットが当たることでいろいろな面を知ることができたと思います。ゲームは基本ひとりで収録しますから、自分が演じる刀剣男士以外のことって詳しくは知らなかったりするんですよ。
前野:
そうですよね。気になったと言えば、序盤で山姥切が加州清光と手合わせをして引き分けで終わっていましたよね。勝負がつかなかったので、ここでの山姥切と加州は同じくらい強いんだなと思いました。
――この本丸でとくに強そうな刀剣男士は?
前野:
それはやっぱり三日月じゃないですか? 三日月はずば抜けて強いと思いますが、山姥切はその三日月と四部隊対抗戦闘訓練では第一部隊と第二部隊に分かれて戦っていたりしましたから、山姥切もなかなかの強さだと思います。
鳥海:
どちらが強いみたいなのは分からなかったよね。
前野:
そうですね、みんなそれぞれに強くていいところを持っている印象でした。
鳥海:
山姥切は周りにいい人が集まっていたし。
前野:
「兄弟~!」ってね(笑)。そんなふうにいい仲間に支えられているからこそ、過去の自分の失敗が余計に許せないんだと思います。
――「始まりの物語」とありますが、おふたりが初めて『刀剣乱舞』に触れたときの思い出を教えてください。
鳥海:
原案ゲームの収録が最初でしたが、まさかこんなに長く続く作品になるとは……! 元々歴史や和風なものは好きでしたが、日本刀はそこまで詳しくはなかったので「なるほど日本刀の付喪神なのか」と。
前野:
山姥切国広を最初に演じたときは「始まりの五振り」のうちの1振りになりますという説明をして頂き、初めてプレイするときに選んでもらえるということで、多くの人に触れてもらえるチャンスだと思った反面、後々追加されるキャラクターのほうが強いのではとも思ったのが素直な感想です。
元々ゲームが好きなので、ゲーム開始時の初期キャラクターに比べて後から出てくるキャラクターのほうが強いという風潮をなんとなく感じていたので、強い刀剣男士が出てきたら、みんなそっちに行っちゃうんじゃないの? という不安もあったのですが、ゲームが始まって9年経った今でも「始まりの1振りの山姥切をずっと可愛がって育てています」というご意見をよく頂き、改めて皆さんの愛によって育てていただいたキャラクターだと感じていてます。
鳥海:
来年には十周年なので、さらに長く続いてほしいですね。
――『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』で三日月宗近と山姥切国広を演じられて感じた「廻」な部分とは?
鳥海:
本能寺の変のような正史を改変させない戦いをひたすら繰り返すのが刀剣男士の日常なので、言い表すのが難しいのですが三日月はもうその「廻る」ことを受け入れてしまっているんです。
前野:
刀剣男士の宿命として「歴史を守る」というのがありますが、本能寺の変は織田の刀たちにとってはとても辛い光景だと思うんです。それを自分の目で見て、正史を変えずに守らなくてはいけないというのはとても過酷なことですよね。それって本能寺の変だけではなく、どの刀剣男士にもそういった過去があるはずなので、ほかの刀剣男士のバックボーンも廻ってみたくなりました。
アニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』
■STORY
魔王・織田信長を元主にもつ4振りの刀剣男士たち。
彼らは信長が暗殺される本能寺の変へと出陣することに。
葛藤の先に彼らが守る歴史とは。
これは、廻る歴史の始まりの物語――
■STAFF
原案:「刀剣乱舞ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
監督:市川量也
シリーズ構成・脚本:末満健一(脚本原案:舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺)
キャラクターデザイン:高田真理
美術監督:根本洋行
撮影監督:野村達哉
音響監督:菊田浩巳
音楽:葛西竜之介
音響制作:楽音舎
編集:ドメリカ
製作:『刀剣乱舞 廻』製作委員会
アニメーション制作:ドメリカ
■CAST
三日月宗近:鳥海浩輔
山姥切国広:前野智昭
宗三左文字:泰 勇気
不動行光:阪口大助
へし切長谷部:新垣樽助
薬研藤四郎:山下誠一郎
江雪左文字:佐藤拓也
小夜左文字:村瀬歩
一期一振:田丸篤志
鯰尾藤四郎:斉藤壮馬
燭台切光忠:佐藤拓也
鶴丸国永:斉藤壮馬
ほか
■公式サイト
https://touken-kai.jp/
■公式X
@touken_kai
■公式TikTok
touken_kai
©2024 NITRO PLUS・EXNOA LLC/『刀剣乱舞 廻』製作委員会
<『刀剣乱舞ONLINE』とは>
西暦2205年。
歴史改変を目論む「歴史修正主義者」が過去への攻撃を開始した。
対峙する時の政府は歴史の守りとして「審神者」なる者を過去へと派遣する。
物の心を励起する審神者の力によって生み出された、刀剣に宿りし付喪神「刀剣男士」たちは、審神者と共に歴史を守る戦いへと身を投じる。
■『刀剣乱舞ONLINE』メディアミックスポータルサイト
https://www.toukenranbu.jp/
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