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2024年4月13日より放送中の、アニメ『黒執事 -寄宿学校編-』。大人気漫画『黒執事』のアニメ化6作目となる本作でも、引き続き「悪魔で執事」なセバスチャンを演じる小野大輔さんにインタビュー! これまでのアニメシリーズから変わった部分、変わらない部分をお聞きしました。
19世紀英国。名門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに“女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負っていた。ある日、シエルの元に女王から英国屈指の名門寄宿学校・ウェストン校に通うデリックほか複数人の生徒が音信不通になっているという手紙が届く。セバスチャンとシエルは、事件を調査するためにウェストン校に潜入する――。
INDEX
――『黒執事 -寄宿学校編-』のアニメ化をお聞きになった際はいかがでしたか?
小野大輔(以下、小野):
前作となる、2017年に公開された劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』で、セバスチャンを演じきったという思いがありました。そこから7~8年経つ今、改めて『黒執事』がテレビシリーズになるというのは「また演じてもいいよ」とご褒美をもらったような感覚でした。
『寄宿学校編』を楽しみにしてくださっているファンの方々の熱量が日に日に増しているというのも、いろいろな方面から聞いてました。別現場で会った黒執事ファンのスタッフさんたちの熱量がすごかった。「また『黒執事』やるんですか? 楽しみにしてます!」って、一人二人じゃなくたくさんの方々に声をかけてもらって。「『黒執事』を見ていて、アニメ業界に入りたくて今制作にいます」とか「『黒執事』が好きでアニメ業界に入って宣伝担当してます」とか。『黒執事』を見ていた人たちがアニメ業界を支える人材になっている。それがとても嬉しかったです。
――『寄宿学校編』の台本を読まれて、実際に演じられての印象は?
小野:
P4(プリーフェクト・フォー)は「少女漫画の王道」という感じで、学校においてそれぞれのカーストの一番上に君臨する美少年であり、憧れの存在。まさか『黒執事』でこんな展開があるとは思いませんでした。男の僕が読んでいてもときめきましたね(笑)。
――久々の『黒執事』でセバスチャンを演じられた印象は?
小野:
劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』で演じきったという感覚があったので、じゃあ改めてどう演じるのか。まずは新しいものというより「セバスチャンを守る」ということを意識しました。
それを踏まえた上で、今回は寮監を装っている状況もあるので少し人間に寄せて、わずかながらの熱量を入れたお芝居にしています。15年セバスチャンを演じていますが、感情を乗せたお芝居は今回の『寄宿学校編』が初めてでした。
つまりそこが“ご褒美”なんですよね。アニメⅠ期の1話からずっと「もっと低く」「もっと淡々と」「もっと感情を込めずに」と言われ続けて、引き算の演技をしてきました。お芝居では足し算のほうがやりやすくて、引くのは勇気がいるし、人によっては表現していないようにも感じられることもあります。でも悩んで、考えて、試行錯誤しながら積み重ねてきたうえで、足し算が許された。これまでのセバスチャンとは違った感情の起伏に注目していただきたいです。
――劇場版『黒執事 Book of the Atlantic』を経ての『寄宿学校編』のセバスチャンということで、これまでと一番「違うな」と思ったことは?
小野:
セバスチャンは人間という存在を面白がっていて、人の死や命は取るに足らない食糧だと思っていました。でも今回作中で「人の命は終わりがあるから美しい」と話すんです。それは葬儀屋(アンダーテイカー)の考え方と真逆なんですよね。終わりがない人生の続きを見てみたい、その実験がしたいと考えているのが葬儀屋。死者の人生を無理矢理続けさせるという悪の存在です。
僕はこの葬儀屋の考え方が本当に嫌いです。終わりがあるから一生懸命生きる、だからこそ「人間の魂は美しい」と劇中でセバスチャン自身も語ります。これまでそういうセバスチャンは描かれていなかったので、漫画でこのシーンを読んだときに感銘を受けましたし、今回アニメで演じて、セバスチャンの「人の命に対する考え方」が変わってきていると感じました。
――今回のセバスチャンはシエルが所属する、紺碧の梟寮(サファイア・オウル)の寮監としても登場しますが、「ミカエリス先生」としてのお芝居はいかがでしたか?
小野:
いわゆる劇中劇を演じているような感覚でした。セバスチャンはそれが得意なんです。持って回った言い方をしたり、慇懃無礼に立ち振る舞うとか、ことさら所作を美しく見せるとか、得意中の得意なので、ミカエリス先生のお芝居も楽しかったです。寮監でいるときが、慇懃無礼さが一番出ていたと思います。
逆にシエルはずっとむず痒くて「こんなことしたくない」と思いながら生徒を演じている。それを(坂本)真綾ちゃんが一生懸命やっているんですよね。「了解です!」ってシエルが笑顔で敬礼をするシーンなんかも「なんか恥ずかしい」って言いながらお芝居をしているのを僕はニヤニヤしながら見ていましたね。「あ、今セバスチャンとシエルっぽいな」と思って楽しかったなあ。
――シエル役の坂本真綾さんと久々にお芝居を合わせて感じたことは?
小野:
今回の『寄宿学校編』は新しい座組です。監督をはじめとして若いスタッフで臨む体制でしたが、皆さん『黒執事』で大切にするべき事柄を絶対に外さずにいてくれて。そのひとつが、セバスチャンとシエルのアフレコのスケジュールを必ず一緒にしてくれていたこと。こんなにありがたいことはないです。執事って主人がいないと成り立たないですから。
僕は真綾ちゃんの声を聞くことで本当の意味でセバスチャンになれるんです。この話を真綾ちゃんにしたら、真綾ちゃんも「小野さんの声を聞くと自分もシエルになれる」と言ってくれて。分散収録が当たり前になりつつあるなかで、一緒に録れて本当によかったねって。
――シエルに対するときの「ミカエリス先生」はシエルのことをニヤニヤ見ているかもしれませんが、他の生徒に対する「ミカエリス先生」のお芝居で意識したことは?
小野:
「寮監を演じているセバスチャン」を演じました。言い方が難しいんですけど、それ以外に何も込めていない感じですね。セバスチャンには気持ちがないので。気持ちがないのに完璧に役柄を演じられる。そこが彼の「悪魔で執事」たる所以なのかもしれないです。
セバスチャンってなんでも完璧にこなすじゃないですか。寮監も完璧にできちゃう。ミカエリス先生がラテン語で詩を詠むシーンがあるんですけど、そこもそのまま演じさせてもらいました。
――ラテン語も読まれたんですか!?
小野:
はい、なんと一発OKで。本当に「そんなこともできなくてどうします」という感じで演じました(笑)。
――寄宿学校でもセバスチャンは八面六臂の活躍をしますが、ここはすごかったなと思われる部分は?
小野:
うーん、難しい質問ですね。彼自身が大変だと思ってやっていないので。ただ、演者としての苦しみは、セバスチャンがやる大変なことを何でもないことのように演じなくてはいけないことです。
ものすごい速さで全力疾走して、学園長を追い込んだと思ったらいなかったシーン。昔だったら息の演技は入れていないところですが、今回はちょっと息遣いが入ったりもしています。東奔西走しての焦りを入れましたが、その足し算の加減が難しい。いざやってみると「これはこれでしんどいな」ってなりました(笑)。でもハードルが高いほど演者としては楽しいので、毎回楽しんで演じていましたね。
――新入生として寄宿学校に入った「ファントムハイヴくん」。シエルはここを頑張っていたなと思われる部分は?
小野:
学校で同年代と並ぶことでより分かりやすかったのは、彼が本当は脆弱で小さな存在だということですね。本当に必死にクリケットの試合をやりきったと思います。そこは誉めてあげたいです。泥だらけで、汗まみれで、ちょっと血も流して。あそこまで必死なシエルを見るのは初めてでした。いつもはもっと別のことに必死になっているので。同年代の学生たちと汗を流す姿は、これはこれで美しいなと思いました。
――『寄宿学校編』ならではの見どころはどんな部分でしょう?
小野:
『寄宿学校編』は、ウェストン校というクローズドサークルのなかで起きるミステリーというだけでなく、スポーツにいそしむ青春スポ根モノの面白さなど、漫画やアニメというエンターテインメントのなかでできるいろいろな要素を詰め込んだバラエティに富んだシリーズです。
ミステリーがあって、ギャグがあって、スポ根があって、美少年が出てくる……。光のあたる明るい学校生活がずっと描かれていきますが、最後はやっぱり闇に堕ちていくという光と闇のギャップ。光があるからこそ裏には闇がある、表の光が明るければ明るいほど闇は深くなっていく。そのカタルシスはやっぱり『黒執事』の魅力だと思うので、今回はそこが見どころになると思います。
前半はとにかく明るいです! ですが、最後どう決着が着くのかまでしっかり見届けてほしいです。
――前半の明るさの一因にもなる、P4を演じるキャストさんたちとのお芝居はいかがでしたか?
小野:
エドガー・レドモンド役の渡部(俊樹)くんのお芝居に衝撃を受けて、とても興味を持ちました。あそこまでクセの強い特徴的なしゃべり方ってなかなか生み出すことができないと思うんです。あれをやるのって勇気がいると思う。でも最初に聞いた瞬間に「ドルイット子爵の一族だ!」って思ったんです。
それは物語上のひとつのギミック。だからそのしゃべり方なんだと分かった瞬間、全部が腑に落ちたんですよね。貴族なんだけど社会的にはちょっと手に負えない、薬にはならず毒にしかならない存在って世の中にいるよねって(笑)。ああいう存在は物語において重要なエッセンスにもなるので、何かとんでもないことを巻き起こしそうだなという高揚感を覚えました。
そういうお芝居を渡部くんが生み出していたから、すごいなと思いました。彼もいつもはレドモンドみたいなしゃべり方ではないはずですから。びっくりして渡部くんの事務所のサイトでサンプルボイス聞いて確認しちゃいましたもん(笑)。彼自身、原作が大好きで今回のお芝居をするに至ったと聞きました。「なるほど愛だな」と感じましたし、長年『黒執事』でセバスチャンを演じてきた身としても嬉しくなりました。
――そのP4が監督生を務める寮が4つありますが、小野さんがウェストン校に入るなら、どの寮に所属したいですか?
小野:
僕は自分が入るなら、武内(駿輔)くん演じるハーマン・グリーンヒルが監督生をしている「翡翠の獅子(グリーン・ライオン)寮」がいいですね。「紫黒の狼(ヴァイオレット・ウルフ)寮」は素行が悪いですし、「紺碧の梟(サファイア・オウル)寮」は勉強しないといけないし、「深紅の狐(スカーレット・フォックス)寮」に入れるほど高貴な身分じゃないので居心地悪そうですし……。
緑寮は体育会系なので上下関係がしっかりしていると思うし、裏表がなさそうじゃないですか。見えている通りの関係性なのが気持ちいいなと思います。
――『寄宿学校編』をご覧になっているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
小野:
15年という長い年月、僕たちも大切に育んできた作品です。『寄宿学校編』は今まで紡いできたものが一度終わって、これからまた新しく進んでいく新たな『黒執事』です。
これまで応援してくださってきたファンの皆さんはもちろん、新たなファンの方にも楽しんでいただきたいです。枢先生が『黒執事』を描き続ける限り、僕もセバスチャンを演じ続けたいと思います。これを機に末永く応援お願いします!
◆アニメ公式ポイント企画◆
「監督生の寮弟をめざせ」
ポイントコード[reward]
アニメ『黒執事 -寄宿学校編-』
■放送情報
2024年4月13日(土)より各局にて放送
TOKYO MX:4月13日(土)23:30~
BS11:4月13日(土)23:30~
群馬テレビ:4月13日(土)23:30~
とちぎテレビ:4月13日(土)23:30~
MBS:4月13日(土)27:38~
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
ABEMAほか各配信サイトにて配信決定!
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合がございます。予めご了承下さい。
■STAFF
原作:枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
監督:岡田堅二朗
シリーズ構成:吉野弘幸
キャラクターデザイン:清水祐実
サブキャラクターデザイン:髙田 晃
総作画監督:清水祐実・髙田 晃・清水裕輔・猪口美緒
色彩設計:横田明日香
美術設定:伊良波理沙(KUSANAGI)
美術監督:根本邦明(KUSANAGI)
テクニカルディレクター:佐久間悠也
撮影監督:金森つばさ
CG監督:宮地克明
編集:小口理菜
音楽:川﨑 龍
音響監督:明田川 仁
制作:CloverWorks
■CAST
セバスチャン・ミカエリス:小野大輔
シエル・ファントムハイヴ:坂本真綾
エドガー・レドモンド:渡部俊樹
ロレンス・ブルーアー:榎木淳弥
ハーマン・グリーンヒル:武内駿輔
グレゴリー・バイオレット:橘 龍丸
■公式サイト
https://www.kuroshitsuji.tv/
■公式X(旧Twitter)
@kuroshitsuji_pr
© Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler
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