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ディビジョン別CD「.Buster Bros!!!」に収録された、山田三郎の新曲「朱夏」には三郎の歩んできた軌跡が全部詰まっていると語る天﨑滉平さん。
イケブクロ・ディビジョンのBuster Bros!!!、山田三兄弟の末っ子にして、兄たちとは違い何でもそつなくこなす天才肌。長男の一郎のことは尊敬しているが、次男の二郎とは毎日のように喧嘩をしている三郎。そんな弱冠14歳の三郎が、ディビジョン・ラップバトルを経て成長した部分とは……?
兄たちの背中を追いかけてきた三郎が「自分自身のやり方で、誰かにとっての憧れにならなければ」という考えに至った、田舎でのひとり旅についても想像してもらいました。
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』から、ディビジョン別CDが7か月連続リリース! そのトップバッターを飾るのは、『ヒプマイ』の斬り込み隊長的な存在のBuster Bros!!!のCD「.Buster Bros!!!」。イケブクロ・ディビジョンの山田家三『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』男・山田三郎を演じる天﨑滉平さんに、思春期を脱しようとしている三郎について語っていただきました。
■『ヒプノシスマイク』木村昴「一郎が二郎と三郎を怒鳴りつけたのは衝撃!弟たちの成長がめっちゃ寂しい…」ディビジョン別CD「.Buster Bros!!!」ロングインタビュー
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■『ヒプノシスマイク』石谷春貴「あの二郎からこんなに難しい言葉が出てくるなんて…」ディビジョン別CD「.Buster Bros!!!」ロングインタビュー
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INDEX
――6月からのディビジョン別CDの発売、『ヒプマイ』の最初の頃に戻ったようでワクワクされているのでは?
天﨑滉平(以下、天﨑):
ソロ曲がまた増えることがとても嬉しかったです。三郎は今までに2曲ソロ曲があるのですが、新しいソロがどんな曲になるんだろうとワクワクしましたし、しかもメンバー3人のソロ曲とドラマトラックがディビジョン別に出るということで、イケブクロはもちろんほかのディビジョンの楽曲も気になります。
たしか10th ライブで発表があったと思うんですけど、観客の皆さんもとても盛り上がってくれていましたし。ただ、10th ライブが今年の4月だったので、6月のCDの発売まではあっという間でした。
――最初のイケブクロ・ディビジョンのCD「Buster Bros!!! Generation」は2017年10月の発売でしたが、その頃と今とで作品やキャラクターへの思いに変化はありましたか?
天﨑:
僕のラップスキル的なものもそうですが、三郎は最初のドラマから見ると、本当に成長したと思います。なんせ14歳ですからね。彼の内面の成長がたくさんあったので、僕自身も三郎から学びながら三郎と一緒に成長させてもらいました。
Buster Bros!!!としてもいろいろなバトルを経て、絆が強くなったように感じます。それぞれのバトルに思い入れがありますが「Re:start!!!」を歌った、どついたれ本舗とのバトルは、最初のバトルでの負けを経験したあとということもあり印象に残っています。
2018年に新宿のアルタで麻天狼の優勝発表があったバトルは最初のディビジョン・ラップバトルということもあり、結果に一喜一憂していましたが、悔しい思いもしたので。その悔しい気持ちを汲んだ楽曲の「Re:start!!!」を作っていただき迎えた2ndバトルなので、思い入れは強かったです。
あのバトルを経て、この勝負に勝ち負け以上の価値を見い出せたと思います。1stバトルは負けたインパクトが大きすぎて勝負に固執してしまっていましたが、2ndバトルを経験することで勝っても負けても僕らの努力は残るし、応援してくださった皆さんの愛はなかったことにはならないと受け入れられるようになりました。
今もその気持ちは継続しています。
――山田三郎の新曲「朱夏」について教えてください。
天﨑:
まず、□□□(クチロロ)の三浦康嗣さんが作詞・作曲・編曲を担当してくれているのですが、三浦さんは「New star」「レクイエム」とずっと三郎のソロ曲を手がけてくれています。三郎のソロはいつもイントロが始まると、サンプリングしたクラシックが流れてから歌が始まるのですが、今回はベートーヴェンの「悲愴」です。最初に音源を聴いたときに「わ、来た……!」と大興奮!(笑)
「今回はベートーヴェンか……!」というワクワク感があったし、クラシック曲をサンプリングするのは三郎のソロ曲の魅力だと思うので、聴いていてなんだか嬉しくなってしまいました。仮歌は三浦さんが歌ってくれていたのですが、リリックもめちゃくちゃよくて! なにがいいかって「New star」からの三郎が歩んできた軌跡が全部詰まっているんです。それができるのって、ずっと三浦さんが三郎のソロ曲を作ってくれていたからだと思うんです。
三浦さんご自身がもう“山田三郎”なんですよね。『ヒプマイ』が始まってからずっと三郎と共に歩んでくれている。三郎と三浦さんと僕がイコールなんです。山田三郎がひとりでやるラップを作る人は、三浦さんが唯一無二。おそらく僕と三浦さんは、同じくらいの熱量で三郎に向き合っているんじゃないかと思います。そういう三浦さんの思いが感じ取れるリリックで、歌詞を見て仮歌を聴いて、本当に嬉しくなって心から三郎として身をゆだねています。
――「朱夏」でとくに好きなリリックはありますか?
天﨑:
とくに好きなのは<三本の矢が折れないのは 一本一本が強いから>という部分。「三本の矢」っていわゆる戦国武将の毛利元就が、息子たちに話した「1本1本の矢は弱くても、3本集まれば折れないから、兄弟で力を合わせるように」という教えですよね。それを<一本一本が強いから>と表現するのがイケブクロらしいなって(笑)。
「3」という数字はBuster Bros!!!の人数でもあるし、三郎の名前の数字でもあります。僕はこの「三本の矢」に一郎・二郎・三郎を重ねて見たのですが、「朱夏」は三郎のソロ曲としては3曲目なので、「New star」「レクイエム」「朱夏」の3曲を合わせて「三本の矢」とも考えられますよね。こんな風に、三郎のリリックでいろいろな考え方ができるのも素敵だなと思います。
――これまでの山田三郎のソロ曲「New star」(2017年10月発売)、「レクイエム」(2019年12月発売)からの変化や、キャラクターの成長について教えてください。
天﨑:
「New star」ではまだ三郎に幼い部分があって、大人に憧れつつも中二心を抱える思春期の気持ちが表現されていました。「レクイエム」では子ども扱いされることや、大人への反抗心がより攻撃的に出ていましたが、今回の「朱夏」は前の2曲を踏まえて少し大人になった三郎が自分のことを振り返る歌詞になっていて。
大人が自分の子ども時代を振り返るのではなく、ちょっと大人になった三郎が自分のことを顧みられるようになった感じなんです。自分の過去を少し俯瞰しながら、さらに先の未来へと舵を切っていく三郎。三浦さんからも「解放感があるようにしたい」とお話をいただきました。
<Ride on Ride on>からのリリックですが、最初にレコーディングしたときはちょっと俯瞰に立ち過ぎた歌い方になってしまって。天﨑滉平が中学時代を振り返る、くらいの精神年齢で優しくなりすぎてしまっていたかもしれません(笑)。そのときに三浦さんに「未来に向けて漕ぎ出すイメージはどうだろうか?」という話があって、「なるほどな」と思いました。そこから歌い方を変えて、三郎の未来を表現できたと思います。
――「朱夏」を歌われて、「New star」「レクイエム」からの三郎の成長を感じたリリックは?
天﨑:
いっぱいあります! でもいっぱいありすぎて、ひとつに絞るのが難しい(笑)。いつも思うのですが、三郎の楽曲ってひとつのストーリーになっているのでセクションで区切れないんですよね。この曲全体を見て通したときに「ずっと憧れていた長男に少しでも近づきたかったけれど、背中を追っているだけじゃダメだよね」という、一郎に憧れていた三郎が「自分は自分としてやる」という思いに至ったのは「レクイエム」。さらにそこから「自分自身のやり方で、誰かにとっての憧れにならないと」というところに至ったのが三郎の成長だと思います。
三郎は三男なので、お兄ちゃんがふたりいますよね。だからきっと「誰かにとっての憧れ」になったことはほとんどないと思うんです。一郎は長男で弟がふたりいます。二郎は一郎の弟でもあるけれど三郎の兄でもあるので、三郎のことを意識して気にかけてくれています。そのふたりを見てきた三郎のポジションで、この言葉が出たことが成長だと思います。
そして、「朱夏」には「New star」と「レクイエム」のリリックが入っている部分があるので、そこにも注目してほしい。<1,2,3 なら 3>は「New star」の最初のリリックだし、<葬って葬って葬った>も「レクイエム」のリリックなんですけど、そのふたつが入っているだけじゃないんです。
<1,2,3 なら 3>には<Move on It’s the magic number 朱夏 それは変わらないんだ>というリリックが続いて、自分にとって大事な魔法の言葉なのは変わらない。「レクイエム」では<葬って葬って葬った>とたくさん言ってましたが、今回はポジティブな方向に三郎を捉えた歌詞になっています。僕も含め、イケブクロや三郎をずっと応援してくれている人にすると救いの歌詞だと思うんです。
――そんな「朱夏」はどのタイミングで三郎が「こういう歌にしよう」と思いついたと感じますか?
天﨑:
今回のドラマトラックも新曲ととても合った内容になっていて。その中で三郎が旅に行っていたという話が出ていました。一郎と二郎から離れて、自分の目で外の世界を見て、自分自身で感じたことによって三郎が気づきを得ての楽曲だったんじゃないかな。
――三郎が田舎に行っていたのは、ちょっと予想外でした。
天﨑:
あはははは!(笑) そうですね、自分のテリトリーから出て、逆のことを学ぶって大切なんだなと改めて思いました。知らない世界に飛び込むことで気づきもたくさんあるし、人を成長させてくれますよね。「世界ってひとつじゃない」って。いろいろな人たちがいて、いろいろな考え方をするから世界は成立していると、彼も気づけたのではないかと思います。
都会っ子の三郎が田舎に行くのは意外でしたけど、行ったら行ったで根はいい子だからみんなにかわいがられるはず。頭でっかちなところがあるので、今までは踏み込めなかった部分もありますが、思い切って旅に出てみてよかったのではないかと思います。
――「New star」や「レクイエム」を、「朱夏」の時間軸の三郎が歌ったら印象が変わりそうですね。
天﨑:
ものすごく変わると思います。「New star」も「レクイエム」も、そのときの三郎が思っていることを包み隠さずハッキリと歌っているので、今の三郎だと表現が異なる部分があるかもしれない……。
僕もライブで三郎の曲を歌うときは、その当時の三郎の気持ちで歌っているので、今現在の三郎が過去の曲を歌うとしたらどういう気持ちで歌うのか気になります。リリックをなぞることはできるけれど、気持ちは変わってしまっていると思うので……。
――天﨑さんがライブで「朱夏」を歌うなら、やりたいことはありますか?
天﨑:
「New star」をライブで歌うときは、わりと静かな雰囲気なんですよね。木村さんや石谷くんもゆったり聴いてくれるような立ち位置のステージ表現が多かったです。「レクイエム」ではダンサーさんに入ってもらって、曲の世界観を劇のようにアグレッシブに表現していました。
「朱夏」はその2曲の間くらいですよね……?
今まではひとりで静かに歌うとか、ひとりの世界に入って歌うような演出が多かったですが、「朱夏」はちょっと違いますよね。イケブクロの3人で肩を組んで、横に揺れながら歌うような感じがいいかな。気持ちとしてはそうなんですけど、『ヒプマイ』のライブとしてはちょっと面白くなっちゃいそうなので、カッコイイ演出を考えてもらいたいです(笑)。
「New star」は夜の星空な雰囲気があって、「レクイエム」は精神世界の深くて暗い部分な印象があったのですが、「朱夏」は明るいんですよね。タイトルに「夏」と入っているとおり、夏の明るい空や、朱色なイメージがあります。そんな開けた演出で歌えたらいいですね。
――一郎と二郎のソロ曲で楽しみなことは何でしょう?
天﨑:
一郎の曲はまだ聴けていないのですが、一郎のソロ曲に関してはまず好良瓶太郎先生の作詞に期待しています! 個人的に「HIPHOPPIA」が大好きで、これまでの一郎だけでなく『ヒプノシスマイク』全体を背負ってくれた曲だと思うんです。今回のディビジョン別CDのお話が出たときに、瓶太郎先生がどんなリリックを書かれるのかとても気になりました。
二郎の曲は、先ほど取材の合間に石谷くんが仮歌のデータを聴かせてくれまして。「お、そう来たか!」という感じで、今までの二郎の楽曲とは違うけれど、二郎の魅力が出るようにハマっていて。オートチューンがかかったような部分が二郎の声とも合うだろうし、早く石谷くんが歌った版を聴きたいです。もしライブで歌うなら、どんな風に歌うのかすでに気になっています(笑)。
どちらの曲も、早く聴きたいです!
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