双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
――11月1日から、池袋PARCOでポップアップストア「FAIROUZ AI POP UP STORE『MALAIKA』」が開催されます。今回、開催に至った経緯は?
ファイルーズ:
今回、株式会社Juiceさんからお声がけいただいたんですが、グラフィックデザインの専門学校に通っていたときの同級生が、実はJuiceさんに就職していて。
そのことは知らずに、一昨年、「マツケンサンバ POP UP SHOP」に行ったことをSNSに投稿したら、その同級生から「うちの会社でやってるんだよ」とメッセージが来たんです。
マツケンサンバのポップアップショップ、最高だった
オタクの欲しいもの全てがある pic.twitter.com/PmRVbYf63C— ファイルーズあい💜POP UP 11.1〜開催💜 (@fairouzzzzzz) December 20, 2022
ショップの感想を伝えてやり取りしていたら、「ファイちゃんもポップアップストアをやってみない?」と。そこから縁がつながって、実際にJuiceさんで私のポップアップストアを開催していただくことになりました。
――まさかのマツケンサンバがきっかけだったのですね。
ファイルーズ:
上様がつないでくださった縁でございます。
――(笑)。監修にもすべてファイルーズさんが入られているとのこと。タイトル『MALAIKA』の由来を教えてください。
ファイルーズ:
本当に、色々と考えました。母方のおばあちゃんが、よく私のファッションを見て「あいちゃんはハイカラなもの着てるね」って言ってくれるので、“ハイカラ”っていいなと。ほかの言葉を組み合わせたり、音を重ねられたりできたらいいなと思ったんです。
そう考えたときに、私はすごく天使のモチーフが好きで、アラビア語で天使って「マライカ」というんですよ。“ハイカラ”と“マライカ”ってなんか似ているな、と。
「ハイカラマライカ」も候補にあったんですが、最終的にはキャッチーにしようと思って「MALAIKA」にしました。“AI(=あい)”と、自分の名前が入っているところも気に入っています。
好きなキャラのことを、よく「天使」と形容するじゃないですか。相手に対しては使うけれど、自分で自分のことを天使だと思えたら、自己肯定感が上がっていいなと。「みんなにも自分のことを『MALAIKA』だと思ってほしい」という気持ちも込めて、このタイトルにしました。
遊びに来た人が天使になれるフォトスポットも用意しているので、ぜひ皆さんも写真を撮ってほしいなと思います!
――店内の展示も楽しみです。 ファイルーズさんが描き下ろしたイラストの、メインビジュアルもすてきですね。
ファイルーズ:
今回は、ただの絵で終わらせちゃいけないなと考えていました。商業的なイベントでもあるので、街中でポスターとして目を引くような力強さがなくてはいけない。ラフを何度も何度も何度も何度も修正して、ようやく完成しました。
中央にいる人物は、最初は一人だけだったんです。でも、かわいい私とかっこいい私、どっちを描くか絞れなかったので、「どっちも描いちゃえ!」と、二人にしたんです。二人だと、真ん中でハートのポーズを作れますし。
私の名前である「あい(愛)」にもちなんでいるし、お友だちと遊びにきた方がポーズの再現もできるし、これでいこうということになりました。
――このイラストの推しポイントは?
ファイルーズ:
色をいっぱい使いたかったんです。とにかく「見てくれ」という感じで。でも、統一感は持たせたくて、そこはすごくバランスにこだわりました。自分の絵がグッズになるのが、ずっと夢だったんですよ。
一生懸命、絵を練習したり、勉強したりしてきたので、グラフィックデザインを学んでいた専門学生時代の自分に恥じないように、絶対に妥協しないという気持ちで取り組みました。
拡大して見れば見るほど、「これもいいな、ここもいいな」と思えるような、遊び心をたくさん詰め込んだイラストです。
――色々なグッズが販売されるそうですが、とくに楽しみなグッズはありますか。
ファイルーズ:
たくさんありすぎて一つに絞れないのですが、自分自身を表現した描き下ろしイラストのアクリルスタンドと、実写のアクリルスタンドが出るんです。
イラスト化された私が着ている洋服は、私物からインスピレーションを受けてデザインを考案しましたし、実写の私が着ているのもすべて自分でスタイリングしたので、私らしさが出ているグッズになっていると思います。
自分がアクスタになるのは初めてなので、「自分の周りに推しのアクスタを並べたら、私だけの『バチェロレッテ』ができる!」と今からすごく楽しみです(笑)。
それと、描き下ろしイラストを使用したTシャツもあります! 私が飼っているネズミちゃん(ファンシーラット)をモチーフにしたイラストのステッカーだったり、本来得意としているダークテイストのモチーフのものだったり。
とにかく本当にたくさん描きました。Tシャツで使用したイラストはアナログで描いたので、その原画も展示する予定です。
――さらに今回は、7名のイラストレーターの方とコラボされたとお聞きしました。
ファイルーズ:
そうなんです。私が以前からお付き合いのある方や、一方的に推していた方、それからJuiceさんに推薦していただいた計7人のイラストレーターの方に、私のイラストを描いてもらいました。
私はいろいろな髪色やスタイリングを試して、しょっちゅう“キャラデザ”が変わるので(笑)、特定の時期に偏っちゃうともったいないなと思って、「このイラストレーターさんには、この時の私を描いてください」と、写真を添付して依頼させてもらいました。
服装などはお任せしたので、どんな風に描いていただけるのか、すごくワクワクしましたね。
――親交のあるイラストレーターさんや推しのイラストレーターについて、ぜひ聞かせてください。
ファイルーズ:
中村杏子さんは、実は声優になる前からのお友達で。世界観がとにかく好きです。最近は動物モチーフを多く描いていますが、出会った当時は人物画もよく描かれていて、「杏子さんに私を描いてもらいたい!友達とお仕事できたら嬉しいな」と、指名させていただきました。
完成したイラストを見たら、杏子さんの昭和レトロなエッセンスもありつつ、私の西洋美術への愛も反映されていて、感無量でした!
燈彩さんは、私が水彩絵の具にチャレンジしようと思って検索した際に、たまたまイラストを拝見して、一目惚れした方です。あまりに魅力的で、一瞬でその世界観に引き込まれました。
水彩なのに油絵のように奥行きがあって、本当に大好きで。今回、熱烈にイラストをお願いさせていただきました!
あともう1人、厚塗りが神なSRBGENk(ゲンキ)さんという方。専門学校生時代から友人にもずっと言っていたくらい大好きな方で、ゲンキさんのイラストに感銘を受けて「ちゃんと厚塗りを勉強しよう」と思ったほど、私に影響を与えてくれた方なんです。なので、今回描いていただけて本当に嬉しくて。
先日も個展にお邪魔させていただいて直接お礼をお伝えしたのですが、こうして自分のことを認識していただいてることが、夢みたいでした。
ほかの4名も、ここでお伝えしきれないくらい、本当にすてきなイラストレーターさんです。皆さんが描いてくださった私のイラストの展示やグッズもあるので、ぜひ楽しんでもらいたいです。
――今後、好きなファッションと得意なデザインを活かして、アパレルラインの展開をしてみたいという願望は?
ファイルーズ:
とてもあります! 今回のイベントはグッズ販売が中心なので、私がデザインした服は展示のみになります。でも、今回をきっかけに私のファッションや私自身について知ってもらって、今後はもっとアパレルの販売も展開できたら嬉しいですね。
――普段から服を作ったりリメイクしたりすることはあるんですか?
ファイルーズ:
以前はミシンを持っていたんですが、今は手放してしまって。Tシャツをアレンジするくらいですかね。
先日、プロレス観戦に行った際も、Tシャツをアレンジしたんです。「ただ着るだけじゃ、ファイルーズあいじゃないな」と思って、裾を切って編み込んでみました。
昨日は人生初プロレス観戦‼️
グレート-O-カーン様の応援に、種市桃子ちゃんと一緒に行ってきました〜❤️🔥👼🏻
熱気と力強さにすごい興奮したし、Tシャツをリメイクしたりコーデ考えるのもめっちゃ楽しかった〜!試合後のオーカーン様と📷✌🏻
ありがとうございました! pic.twitter.com/3panvJC2J3— ファイルーズあい💜POP UP 11.1〜開催💜 (@fairouzzzzzz) September 9, 2024
――抜群にセンスのある人じゃないと、できないアレンジですね。かっこいい!
ファイルーズ:
意外と簡単で、ほとんど縫ってもないしハサミがあればできちゃうんです。でも、ゆくゆくはミシンが欲しいですね。
ただ、今は部屋がパンパンで(苦笑)、まずは場所の確保をしてからですね。今回のイベントをスタートに、ファイルーズあいの世界を広げていけたらいいなと思っています。
(取材・執筆=双海しお、編集=柴田捺美・阿部裕華、撮影=小川遼)
双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
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