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CD「Fondant」(ランティス)

岡本信彦、真っ直ぐな演技で魅了する声優。太陽のような人柄に業界人も惹かれる

1996年に声優デビューして以来、数々の人気キャラクターを演じてきた声優・岡本信彦さんは10月24日が誕生日。

そこで今回は岡本さんが演じてきたキャラクターを振り返りつつ、一直線な性格や愛される理由に迫ります。癖の強いキャラクターもこなす演技や会社代表となってからの変化とは。

CD「Fondant」(ランティス)

CD「Fondant」(ランティス)

熱い役から癖が強い役まで。幅広い声を持つ実力

岡本さんはプロ・フィット声優養成所を卒業後、2007年にTVアニメ「sola」の森宮依人役で初主演を担当。ハスキーでありながらよく通る若々しい声を持ち、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己に『青の祓魔師』の主人公・奥村燐、『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編で泣ける演技が話題を集めた不死川玄弥など、“熱い”性格の少年役を多く担当しています。

真っすぐな声質からか大声で叫ぶシーンのある役柄が多く、一部では「叫びの岡本信彦」と呼ばれるほど。アニメファンの間においても“熱い役”に対する高い信頼を得ています。

現在は多くの注目を集める話題作『葬送のフリーレン』にて勇者・ヒンメルに抜擢。熱い役から一転し、穏やかで優しい声が印象的な役柄です。

岡本さんが演じると発表になった当初はギャップに驚く声も見られましたが、放送するとその感想は一変。「過去一優しい岡本信彦…好き」「すごく良い(ヤバい)」などのコメントが見られるようになり、誰もが納得するヒンメルとして受け入れられました。

一方、岡本さんの“癖が強い”演技も必聴です。コミカルで癖のある演技にも優れ、『バクマン。』の天才少年漫画家・新妻エイジに『TIGER & BUNNY』の“見切れ”ヒーロー・折紙サイクロンなど、変わり者キャラを見事に演じる声優という印象のファンも多いのではないでしょうか。

アニメ以外には、セガの大人気ゲーム『龍が如く7』で岡本さんには珍しい裏社会の男・趙天佑を担当。ミステリアスで遊び心ある大人の表現が「アニメの時の岡本さんとまた違って良い」などと反響を呼びました。

周囲から愛される、太陽のように温かい人柄

そんな岡本信彦さんの声優人生で大きな話題を呼んだことといえば、やはり新事務所の設立・代表就任でしょう。

上述のプロ・フィットが2022年3月末での閉鎖を発表した際、未来ある新人声優らを引き取り守るため、岡本さんは新会社を設立。ファン達から「応援してます」「尊敬します」などの声が相次ぎ、中村悠一さんら声優からも激励の声が届くなど、SNSでのトレンド入りをし話題となりました。

それまで事務所所属の声優だった岡本さんは、“会社代表”に就いた際の変化を『ドラゴンクエスト』の職業に例え「“遊び人”から“賢者”に変わったぐらいの差がある」とインタビュー(※)で答えています。

「岡本信彦フォトブック NOBLE」(東京ニュース通信社)

「岡本信彦フォトブック NOBLE」(東京ニュース通信社)

それまでは社会に溶け込むことを苦手とし、役者として演技に没頭していた岡本さん。代表となってからは「自分ひとりで何とかなる」という考えを止め、マネージャーやデスクなど、周囲で支えてくれる人たちのことを意識するようになったのだそう。

※【ドラゴンクエスト 36周年記念インタビュー】「ずっと共通言語でいてくれた」職業・声優、そして会社代表 岡本信彦がドラクエと歩んだ36年(2022年5月27日掲載)より

そんな岡本さんを支えているであろう、仲の良い声優としてよく話題にのぼるのが、10年以上ラジオで共演している木村良平さんや、ほぼ同期の梶裕貴さんです。

梶さんとは『ヒロアカ』や『青の祓魔師』で共演した仲。岡本さんの事務所設立のお知らせに「がんばりすぎないでね」と返したことも、声優ファンの間で感動を呼びました。

岡本さんと仕事上で関わった業界人は、彼の人柄をこう話します。

「最初から最後まで明るい表情が崩れることがなく、その場の空気を温めてくれるお日様のような人です。一つひとつの言葉が前向きで、話を聞いているだけで明るい気持ちになれるよう。決して無理に取り繕うのではなく、自然体でその雰囲気を作り出せる点が本当にすごいと感じます」

温かい岡本さんだからこそ周囲には沢山の人が集まり、支えとなるのかもしれませんね。

ゲーム熱は声優仲間から引かれるほど…!?

自身の経験を『ドラゴンクエスト』に例えていることからもわかるように、岡本信彦さんは大のゲーム好きとしても知られています。

岡本さんは誰もが知る“ポケモン廃人”。ポケモンシリーズは小学生の時にプレイを始め、ポケモンごとの性格や配合などのパラメーターも、誰にでもアドバイスできるレベルなのだとか。

その熱はアニメ『ポケットモンスター』アイリス役の悠木碧さんら声優仲間にも好きなポケモンについて延々と語ったり、欲しいポケモンをおねだりするなどし、ドン引きされるほど……!?

念願のTVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』でグラジオ役が決まった際も「伝説の現場に行き、一緒に仕事ができたことはかけがえのない宝物です」と想いを嚙み締めた呟きを投稿していました。

ゲーム実況を配信したり、ボードゲーム番組のMCを担当するなど、多彩な面を見せてくれる岡本さん。今後は声優×ゲーム界の重鎮となるかもしれません。

担当してきた幅広い役柄、一つのことにとことん突き進む努力家で一直線なキャラクターなど、多くの人を魅了してやまない声優・岡本信彦さん。まだまだ岡本さんの沼にハマっていく人が増えていくでしょう。

(執筆:ナツキ)

岡本信彦さんプロフィール

岡本信彦(おかもと・のぶひこ)
所属事務所:ラクーンドッグ
出身地:東京都
誕生日:1986年10月24日
血液型:B型
愛称:のぶくん、ぴこりん
代表作:『僕のヒーローアカデミア』爆豪勝己、『葬送のフリーレン』ヒンメル、『青の祓魔師』奥村燐など。

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ナツキ

ゲームディレクター&シナリオライター、アニメ・漫画・2.5次元の記事ライターを経験。『ゴールデンカムイ』『チェンソーマン』『ぼっち・ざ・ろっく!』など青年向け作品や音楽にこだわりのある作品が好き。

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