ヒラオカ リナ
芸能事務所でのアイドルマネージャーを経て、現在はWEBメディアを中心に舞台・映画・ドラマ・アニメ等のエンタメ記事や、番組台本を執筆。2.5次元・アイドル・声優・特撮ヒーローなど、幅広いジャンルをチェックしています。
もしも自分が漫画の登場人物だったら? 誰もが一度は妄想するであろうシチュエーション。それがもし、“BL”というジャンルなら、恋愛フラグが立ちまくる世界だとしたら……。
そんな問いかけに、俳優の伊藤あさひさんは「正直に言うと、僕は単純かもしれないです(笑)」と笑顔で話します。
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『絶対BLになる世界vs絶対BLになりたくない男』(新潮社/以下『絶対BL』)は、自分が【BL漫画】世界の登場人物であることに気付いてしまった主人公が、次々と繰り出されるイケメンたちからの“恋愛フラグ”を鮮やかにかわしていく不条理BLギャグ漫画です。
これまでシーズン1・シーズン2と二度の実写ドラマ化がされましたが、その続編となる『絶対BL 2024』がLemino(レミノ)にて3度目の映像化。
本記事では、犬飼貴丈さんが演じる主人公・モブに想いを寄せる菊池役の伊藤あさひさんにインタビュー。ドラマ撮影の裏話の他、「ときめきやすいタイプ」と話す伊藤さんに、キュンとする瞬間を教えていただきました。
INDEX
――ドラマ『絶対BL』も、いよいよ『絶対BL 2024』としてシリーズ第3弾に。シーズン1から出演されている伊藤さんは、“不条理BLギャグ”という本作に出会った当初はどんな印象をお持ちでしたか?
伊藤あさひ(以下、伊藤):
最初にお話をいただいた時は、僕と同じ時期に特撮ヒーロー作品に出演されていた犬飼貴丈さんの主演作と伺い、まずは犬飼さんと久々にお会いできることが楽しみでした(※)。
もちろん原作漫画も読ませていただいていたのですが、すごく独特な面白さがあり、“どういう映像にすれば、原作の雰囲気を実写で見せられるんだろう?”と思った記憶がありますね。
※犬飼貴丈さんは『仮面ライダービルド』、伊藤あさひさんは『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でそれぞれ同年に主演。
――本作で伊藤さんが演じる菊池は、犬飼さんが演じる主人公・モブに恋心を抱いているキャラクターです。“絶対BLになりたくない男”として様々な“BL恋愛フラグ”を回避してきたモブですが、菊池のアプローチにはときめきを感じている様子も……。このシリーズを通して、菊地役を演じる上で意識されていることはありますか?
伊藤:
僕が演じる菊池は、作品の世界の中で唯一、モブが本当に好きになるかもしれない相手だと思っていてます。モブに対するストレートな想いや、モブには「かわいい」と思ってもらいたい、という気持ちが溢れ出ているような姿を通して、視聴者の皆さんにも菊池の恋を応援してもらえるキャラクターにしたいなと思っています。
――今までの菊池とは違う、今回ならではのキャラクターの変化はありますか?
伊藤:
今までの菊池は、モブに対しては素直でかわいらしい感じがありましたが、三角関係になってしまった時にはどんな感情が芽生えるのか、どういう姿を見せてくれるのかというのは僕も撮影前から気になっていて。
でも台本を読み進めると、モブが旗野と二人でいるところには臆さず割り込んでみたり、結構はっきりとジェラシーを見せている場面が多かったんです。
――もどかしい展開が続くモブと菊池の恋ですが、しっかりと「ほかの人にモブは譲らない!」という意思表示はしているんですね。
伊藤:
そうですね。菊池はモブのために自分の気持ちを我慢をする事があるのですが、ライバルに対しては思いのほか引かないというか。嫉妬心や独占欲を見せたりする部分もあるんだなと思い、今作は特に意識的に演じました。
――今回ライバルとして登場する旗野は、菊地と同じく一途で可愛らしいタイプの上に、“年下男子”という属性まで持っています。旗野について、恋のライバルとしてはどんなお気持ちですか?
伊藤:
強力なライバルですよね。視聴者の皆さんも感じているかもしれませんが、旗野の出現によって今後の菊池はどうなってしまうのか、僕自身も注目ポイントとして見ています。次のシーズンがあった時に菊地がいなくなってしまうのではないか、という危機感を持っているので、ここで旗野には負けないように頑張らないと!(笑)
――そんな強力ライバル・旗野を演じる世古口 凌さんは、伊藤さんと同じ『スーパー戦隊シリーズ』の歴代出演者という共通点もありますよね。
伊藤:
世古口さんが出演されていた『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』に、僕が『センパイジャー』という立場で参加させていただいたので、その時に色々とお話をさせていただく機会がありました。
最初、世古口さんのことは『機界戦隊ゼンカイジャー』で演じていたキャラクターのイメージもあり、静かなタイプの方かと思っていたのですが、実際にはすごく積極的に話しかけて下さる方でした。その時の思い出もあって、撮影期間中の休憩時間には楽しくお話をさせていただきました。
――では、シリーズを通じてご一緒されている犬飼さんへの印象はいかがですか?
伊藤:
犬飼さんは不思議な方で、真顔のままでイジって来てくださったり、ボケたりしてきます(笑)。ツンデレというか……今回も空港でのシーンの時に、僕にさりげなくコーヒーを買ってくださったりしました。
自分がツッコんでも大きいリアクションはしてくれないのですが、後輩の面倒もよく見てくださる、心優しい先輩です。
――本作では「目と目が合う」「指先が触れ合う」など、様々なきっかけでBL恋愛フラグが立ちまくる世界が描かれていますが、伊藤さん自身がドキッとしてしまう仕草や、思わずときめいてしまうシチュエーションはありますか?
伊藤:
僕は結構、簡単にときめきやすいタイプだと思います(笑)。あまり喋ったことがない人でも、僕のことを気にかけてくれているのが分かったり、不意の差し入れをもらったりするとときめいちゃうことがあります(笑)。
例えばお菓子をくれたりすると、「えっ、これを僕のために!?」と……これだと餌付けされているみたいですけど(笑)。
――そうした不意の差し入れが、さらに伊藤さんの大好物だったりしたら?
伊藤:
そうなんです! 男女に関係なく、「僕のことを知ってくれているのかな」と感じてキュンとしちゃいます(笑)。
実際に以前に共演したある方が、「伊藤あさひ 好きなもの」というキーワードで調べてくださり、僕が好きなものを「これが好きだとネットに書いてあったから」と言って、さらっと渡してくださったことがあって。それがすごく嬉しかったので、僕もプレゼントや差し入れをする時には相手のことを調べてからお渡しするようにしていますね。
――では『絶対BL』のように、あらゆる場面に恋愛フラグが立ちまくる世界だったら……。
伊藤:
僕のことを思ってしてくれたことが伝われば、きっと何でも嬉しくなっちゃいます。正直に言うと、僕は単純なのかもしれないです(笑)。
――では、伊藤さんに気になる人ができたとしたら。積極的にアプローチするか、遠くから見つめているか、ご自身はどのようなタイプだと思いますか?
伊藤:
どちらかと言うと、積極的に伝える方かもしれないです。というのも、自分の気持ちを伝えてダメだったら、キッパリと「この人とは縁がなかったのかもしれないな」とスッキリできる性格だと思います。
結果がどうであれ、僕は「自分がベストを尽くせたならそれでいい」と思って切り替えられるので、意外と恋愛面では「ダメならダメだった時だ!」という勢いでアタックするタイプかもしれないです。
――ドラマ『絶対BL』の特徴ともいえる、華やかなオープニング映像についても伺わせてください。
伊藤:
はい。シーズン1のオープニングはディスコ風の衣装で、ダンスは韓国のアイドルみたいな感じでしたが、そういう風にオープニング映像でドラマ内とは全然色が違うパフォーマンスを見せる、というのも初めてで。その時点から、なんだかすごく新しいことに挑戦しているような、「これは普通のドラマじゃないんだな」という感覚があった気がしています。
――シーズン1では80年代のディスコ風、シーズン2ではリーゼントヘアで50年代のロカビリー風となっていましたが、今回のオープニングはどんな仕上がりなのでしょうか?
伊藤:
今回は昭和のアイドルのようなイメージで、皆さん長髪のカツラをかぶって……袖に長いフリンジがついた、パツパツのウエスタンシャツで踊っています(笑)。
こういったオープニング撮影もシーズン1の時には驚きましたが、シーズン2からは「今回はどんなテーマなんだろう?」という気持ちで、衣装合わせに行くのが楽しみでした。「今後もシリーズが続くなら、この先はどうなっていくのだろう?」とも思っています(笑)。
――今回のオープニング収録では、ダンスの習得など大変なことはありましたか?
伊藤:
今回から、オープニング曲が新しい曲に変わりました。シーズン1・2では同じ曲が使われていて、元々曲を覚えていたのでダンスも覚えやすかったのですが、今回はまた新しい新たな曲を覚えることになり、撮影前に朝からみんな共演者の皆さんと一緒に練習しましたね。
シーズン1・2の頃に比べると、僕たちも『絶対BL』のダンスに順応してきたと言いますか(笑)。この作品らしいノリや、ここで何をすべきなのかが分かっているからなのか、ダンスを覚えるのも早く、僕自身もこのテンションを心から楽しめるようになりました。
――先ほどスタッフの方々から伺ったお話では、今回のオープニング収録時の伊藤さんはドラマ『下剋上球児』への出演を経て、かなり身体が仕上がっている状態だったとか。
伊藤:
そうなんです。鍛えていた時期だったので、胸筋あたりが筋トレの成果が出ていてに……それもあり、今回のオープニング撮影では、本当は前を閉じて着る予定だった衣装もチャックを全開にして撮影することになりました(笑)。
――今回は伊藤さんの肉体美にも注目ですね! こうした恒例のオープニング収録をはじめ、シリーズを重ねていくごとに『絶対BL』という作品への愛着も増してきたのではないでしょうか?
伊藤:
本当にそう思います。今回もそうだったのですが、『絶対BL』の撮影は毎回年末にやってくるんです。一年だけ撮影がない年(2022年末)もありましたが、ここ数年は『絶対BL』の撮影をしたら一年が終わる気持ちになっていたので、気付いたらもう「この撮影をしてこそ、一年の締めくくりだ」という気持ちになっています(笑)。
――ここからは作品に絡めた質問を。もし“絶対BLになる世界”のように現実とはどこかが違った世界に入り込むとしたら。伊藤さんは、どんな世界に行ってみたいですか?
伊藤:
実は僕はまだ、この世界のことも何かの世界なのかなと疑っているんです(笑)。
――実はこの世界にも、何らかの力が働いているのかもしれないと(笑)。
伊藤:
その可能性は、大いにあると思っています(笑)。でも最近はアニメやゲームにハマっているので、僕が入り込むならそういうファンタジーの世界がいいですね。
ふと思ったのは、『ポケットモンスター』の世界に行って旅がしたい! というか、ポケモンに乗ってみたいです(笑)。
――つまり、ポケモントレーナーになりたいということですか?
伊藤:
そうですね(笑)。役割はトレーナーがいいです! 少し前に『ポケモン』のゲームをプレイしていたのですが、本当に久々にやってみたらすごく面白くて。
最近のポケモンシリーズ(『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』)はオープンワールドで遊べるようになっていて、主人公がポケモンに乗って移動できるんです。
僕は子どもの頃に遊んでいたのが『ダイヤモンド・パール』なのですが、当時はポケモンに乗っている描写はなかったので、最近のシリーズでポケモンに乗れることに「すごい!」と感動してしまい。なので、僕もどうしてもポケモンに乗りたいんです(笑)。
――そうした冒険の世界も憧れますが、ある意味では役者のお仕事も作品ごとに様々な世界に入り込める職業なのではないでしょうか。
伊藤:
そうですね。やはり特殊なお仕事だと思うので、お芝居をする上では大変なことも多いんですが、せっかくこのお仕事をさせていただいているからには、作品ごとに入り込む世界も楽しんでいきたいなと思っています。今の僕は、役者として色んな世界を楽しめていると思います!
――続いても作品タイトルにかけてですが、伊藤さんにとって『絶対○○』と言えるくらい大切なことや、暮らしに欠かせないものはありますか?
伊藤:
「絶対にこれナシの生活は考えられない!」という点で挙げると、『絶対イヤホン』です! 特に移動する時は、イヤホンがないと不安になります。
――普段、移動時などはイヤホンで音楽を聴かれているんですか?
伊藤:
基本は音楽を聴いていますね。たまにイヤホンの充電を忘れて、電池切れで何も聞けない状態の時でも無音のまま耳に入れていたりします。耳がふさがれていると安心するのか、イヤホンをしていないと落ち着かない気がします。
――音楽を聴く時には、自分のシチュエーションに合わせて曲を選んだりもされますか?
伊藤:
そうですね。「これからテンションを上げなきゃいけないのに、ちょっと眠いな」という時にはアップテンポな曲を聴きます。お仕事が終わったあとの帰り道にはリラックスできるような曲を聴くことが多いかもしれないです。
――これまでの出演作に関連して伊藤さんが歌っている楽曲もありますが、ご自身の歌声を聴くことはありますか?
伊藤:
もちろん数回は聴きますが、日常的には聴きません(笑)。最近はミュージカル作品の稽古をしているので、録音した自分の歌声を聴くようにはなったのですが、やっぱり最初は聴き慣れませんでした。
自分の声は照れ恥ずかしいというか……もし周りから僕が歌っている曲の音漏れが聴こえてきたりしたら、恥ずかしくて顔を隠しちゃうかもしれないです(笑)。
――それでは最後に、『絶対BLになる世界vs絶対BLになりたくない男 2024』を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いいたします。
伊藤:
こうしてシリーズ3作目を迎えられたのは応援して下さる皆さんのおかげですし、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。シーズン1・2を楽しんでくださった方には、その続きとして今回もさらにパワーアップしたエピソードをお届けできていると思います。
今回から初めて『絶対BL』に触れる方にも、このドラマは一つ一つのエピソードがショートドラマのような形になっているので、どこから見ても楽しめると思います。個性的なキャラクターを魅力豊かな役者さんたちが面白く演じているので、皆さんにも推しカップルや、推しキャラクターを見つけていただけたらより楽しめるのかなと。
BL作品であると同時に、笑いあり、胸キュンありと、色んな側面を持った新しいエンターテイメントになっていると思います。どなたでも気軽に楽しめる作品ですので、ぜひご覧ください!
(執筆:ヒラオカリナ、撮影:ケイヒカル)
【番組情報】
タイトル:絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男 2024
出演:⽝飼貴丈
ゆうたろう 伊藤あさひ / 塩野瑛久 / 和⽥颯(特別出演) 世古⼝凌 富永勇也
(第1話) ⼩林希⼤ 溝⼝雄⼤ ⼤津⼣陽 ⼋神慶仁郎 緑川⻘真 ⿊条奏⽃ 伊藤尚史
(第2話) ⼤川航 吉川康太 中村嘉惟⼈ 太⽥将熙 ⻤倉⿓⼤ 宮内巽 古賀瑠
(第3話) 宗像隼司 KOH 瀬名陽⽃
(第4話) 堀海登 関隼汰 荒井啓志
(第5話) 百瀬拓実 鈴々⽊響 渡辺優哉
(第5・6話) ⼸削湊
配信:Lemino(レミノ)にて独占配信中
話数:全6話
※第1話無料、第2話〜第6話配信開始から3か⽉間無料
Lemino公式 X(Twitter):https://twitter.com/Lemino_official
主題歌:GENIC「New Game!!」
原作:紺吉『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』(新潮社刊)
監督:本⽥隆⼀、⻘⽊達也
脚本:川﨑いづみ
⾳楽:⼩⼭絵⾥奈
企画制作:Amazing Entertainment / 制作プロダクション:ファインエンターテイメント
製作協⼒:よしもとブロードエンタテインメント / 製作著作:FANY Studio
ドラマ公式X:@zettaiBL_2024(★ドラマハッシュタグ★ #絶対BL2024)
ドラマ公式instagram:https://www.instagram.com/zettaibl2024/
【ストーリー】
ある⽇、⾃分が【BL漫画】の世界に暮らしていると気づいてしまった主⼈公の男<通称:モブ>。BがLする事態になりたくないモブは、BL漫画でありとあらゆるシチュエーションを研究し恋愛フラグをかわしていく⽇々。そんなモブの前についに⼈⽣最⼤の恋愛フラグが登場!?平穏な⽇々が過ぎ去りモブはまたもフラグ回避の過酷な戦いの⽇々に⾝を投じることになる。⼀⽅、順調に愛を育んできたかに⾒えた綾⼈と東條の関係にも新たな展開が…。
ヒラオカ リナ
芸能事務所でのアイドルマネージャーを経て、現在はWEBメディアを中心に舞台・映画・ドラマ・アニメ等のエンタメ記事や、番組台本を執筆。2.5次元・アイドル・声優・特撮ヒーローなど、幅広いジャンルをチェックしています。
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