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“生っぽい感じ”を大事にしたい――松田凌と田鶴翔吾はBL映画をどう演じた?『その恋、自販機で買えますか?』インタビュー

単行本が累計20万部を超える人気BLコミック『その恋、自販機で買えますか?』が実写映画化。

初恋のようなピュアな心の動きを演じ切ったW主演の松田凌さん、田鶴翔吾さんに作品の見どころや、それぞれのキャラクターとの接点などたっぷり伺いました。

『その恋、自販機で買えますか?』松田凌さん、田鶴翔吾さんインタビュー

松田凌「恋の生っぽい感じは大事にしたい」

――アラサー会社員・小岩井歩とその職場にやって来る自販機補充員の山下諒真。二人のピュアラブストーリーを描いた映画『その恋、自販機で買えますか?』、お二人が演じる上で大事にされたのはどんな点ですか?

松田凌(以下・松田) 歩と山下は、お互いの足りないものを最終的には埋めていけるような二人なんですけど、そこに至るまではすれ違いもあったりして、少しの勇気で進んでみたり、留まったり…。言っちゃえばいいじゃん、ということを言えなかったり、そういった湿った感じというか、恋の生っぽい感じは大事にしたいなと思いました。原作の吉井(ハルアキ)先生の思いを丁寧に伝えられたらというのを大切に演じさせていただきました。

田鶴翔吾(以下・田鶴) 劇的な変化が起こるわけじゃないんですけど、感情を最初のほうに出しすぎると、それって山下の思いが歩さんに伝わっちゃって、わかってしまう。だからこそ、どっちとも取れるような、映像でしか出せない表情や声色みたいなものは意識しました。

――確かに、松田さん演じる歩はわかりやすく思いが出るんですが、田鶴さん演じる山下は、そうではない……。

田鶴 そうですね。僕自身、身振り手振りや言葉数が多く出てしまうほうなので、その辺を削りながら演じました。届くようで届かないむず痒いところがいい作品だと思うので。

松田 ほんとにそこだよね。届くようで届かない……恋ってこういう感じだよねー、を感じてもらえたら嬉しいですね。

――作品が完成して改めて思ったこと、感じたことは?

松田 まずは、この作品を愛している方々にどう届くのかというのがあって。自分たちなりに誠意をもって、真摯に取り組ませていただいたので出来上がったときには、素直に嬉しさがにじみ出てきました。これを皆様に観ていただいて、より原作を愛してくれたら嬉しいなという思いと、より作品が広がっていけばいいなという思いを感じました

田鶴 映画が出来上がって、ポスターも出来上がって、おー!出来上がった!という素直な嬉しさがありました。人それぞれいろいろな受け取り方をしてくださると思うんですけど、僕自身は、歩さんと山下くんの解釈が、映画と原作を両方観ることで、広がった感じがあったので、両方楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。

田鶴翔吾「いろんなことを考えちゃう癖がある」

――歩と山下の二人の対比でいうと、歩は、わかりやすいぐらい気持ちが顔にも態度にも出る人物ですけど、お二人ご自身はどうですか?歩のように顔に出てしまうほうか、ポーカーフェイスでいけるほうか。

松田 僕は顔に出ちゃうほうですね。若干、歩さんに寄ってるんじゃないかなと思います。なんでポーカーフェイスはできないです、って言わなきゃいけないかというと、周りにそう言われるからですね(笑)。

――ご自身が思うというよりも周りから言われる(笑)。

『その恋、自販機で買えますか?』松田凌さん、田鶴翔吾さんインタビュー

松田 もし僕がここで「ポーカーフェイスできますね」とか言って、それを家族、友人が見たときに、「いやお前は違う!」って言われそうなのでこう答えました(笑)。

田鶴 僕はポーカーフェイス…もできます。けど、言葉の節々にいろんな意味を取っちゃう人間なので、歩さんとは違うタイプなんでしょうけど、リアクションが出てしまうという意味ではポーカーフェイスできます、とは僕も言い切れないですね(笑)。

――一方で、山下という人物は、特に序盤そうですけど、人との距離の詰め方がうまいですよね。「食事行きませんか?」とスッと言えちゃう。そこはお二人どうですか?山下気質をお持ちなのか…。

松田 山下気質はあるかなと思います。その人とのご縁であったり、その時間を逃したくないという思いは強いので、お誘いするし、伝えたいことは今伝えなきゃ、っていうのは思うほうです。ただ、それでちょっと自分よがりになってしまう節もあるので、注意点はいろいろあるんですけど(笑)、でも、基本的には、伝えていくものは伝えていったほうがいいと思うし、衝動的に動くことが功を奏す場合も多々あるので、山下くん的な要素は持ってるかなと思います。

田鶴 僕は逆に、いろんなことを考えちゃう癖があるので、自分からは踏み出せないことはありますね。例えば相手が悩んでたら、「どうしたの?ご飯行こうか」になることはあるんですけど、自分から主導的にはできてない気がしますね。もちろんいろんな方とお話するのは好きですし、これからも一緒にいたいなって思う方には声をかけますけども、山下くんほどの度胸はないかもしれないです。山下くんはすごいですよね。そこは演じていても「いいなぁ」と思いました。

――ただ一面、不器用なところもあって、言うべきことを言ってないみたいな部分もあったり…。

田鶴 そうなんですよね。だから、そこは原作を読んだ段階でも、山下、かわいいところあるな、と思いました(笑)。

2人の沼は「F1」と「仕事」!?

――ここからは、お二人の最近のハマりもの、沼についてもうかがえればと思うのですが、何かありますか?

田鶴 めっちゃあるんですよね。

松田 ありそう(笑)。多趣味だよね。

田鶴 趣味はいろいろあるんですけど、でも、僕の沼って、ちょっと悩みがあって、本当はみんなと話したいんですけど、あまりそれを話せる友達がいないという…。車が好きでF1が好きなんですけど、好きすぎて、なかなか(周りに)いないんですよね。

――ただ、深みはありそうな沼ですね。

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numan編集部

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