ヤマコシ ショウコ
フルート奏者兼Webライター。好きなショタは小夜左文字、アイドルはランカ・リー、RPGはドラクエ。
ジャンルの金字塔的作品『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』 からはじまり、いまだ根強い人気を誇る悪役令嬢系漫画。
昨今では、同ジャンルの漫画や小説があふれかえっており「どれを読めばいいのかわからない!」なんて贅沢な悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、昨今のヴィランかつ悪役令嬢系の人気から同ジャンルを読み漁り、誇り高き美しき悪女が大好きになった30代のオタクライターが、悪役令嬢系漫画を6つ厳選!
ざまぁ展開からミステリー、中華系まで、あまりの気高さに“推せる”悪役令嬢が登場する漫画を紹介します。
INDEX
婚約破棄と断罪イベントの前日に前世を思い出した、王太子の婚約者・アレクサンドラが主人公。
ここは乙女ゲームの世界で、自分は悪役令嬢であることに気が付きます。しかも、王太子を含めたすべての攻略対象はすでにヒロインが攻略済み……つまり明日のイベントで逆ハーレムルートが確定するということ!?
基本的にどのルートでも破滅を迎えるはずの悪役令嬢ですが、逆ハーレムルートでは悪役令嬢がヒロインと和解し友情で結ばれるのが結末。しかし、そんな屈辱は許せない!
アレクサンドラは残り24時間で、断罪イベントを覆すべく動き始めるのです。
アレクサンドラは破滅フラグを回避するために24時間で様々な策を講じるのですが、その策が断罪イベントにどう影響するのか? 着々と打たれていく逆転劇への布石に、ワクワクが止まりません!
ヒロインへの憎しみはあれど、公爵家の娘としての責務と国の今後を考えたうえで行動しているアレクサンドラは美しくかっこいい。そして肝心のヒロイン、本人はただ攻略対象たちを篭絡し楽しんでいるだけなのですが、周りでは何やら不穏な影が見え……?
筆者が好きなのは王太子の弟である第3王子・ジェラール。幼い少年が性癖な筆者ですが、ジェラールはそれだけじゃない! アレクサンドラのために頑張るジェラールの姿を、ぜひたくさんの人に見てもらいたいです。
本作は完結済みの作品。いつ断罪イベントが起きて“ざまぁ”な展開が見られるのかがわかっているので、ストレスなく読めるのもこの作品の魅力のひとつです。
最近話題の乙女ゲームで、悪役令嬢ペネロペがヒロインとなる隠しルートを発見した大学生の主人公。ノーマルモードでは物凄い悪役に描かれていたペネロペですが、実は平民出身で公爵家から見放され兄たちから虐げられている可哀想なキャラクターです。主人公自身も腹違いの兄たちに苦しめられ、やっとの思いで家を出たところでした。
隠しルートがハードモード過ぎて死にまくるも、ペネロペの辛い境遇が自分と重なり、死以外のエンドを目指して何度もリセットしていたら……いつの間にか自分がペネロペになっていて!?
現在プレイ中のハードモードは攻略対象の好感度が上がりにくく、好感度がマイナスだと高確率で死亡エンドになる仕様。攻略対象である義兄の好感度は現在マイナスで、このまま行くと死亡エンド不可避!? 主人公はこのハード過ぎる世界を生き延びるため立ち上がります。
まず言いたいのは、本当に本っ当~にハードモード‼ 攻略対象とのイチャイチャなんてものは基本ありません。それよりもこの過酷すぎる世界で生き残ることが大事ですから……!
しかし、ペネロペとなった主人公、やられっぱなしではありません。
自分をいじめていた使用人たちにはしっかりと立場を弁えさせ、兄たちにも目にモノを見せてやるのです。虐げていたくせに、ペネロペが兄たちを冷たく突き放した時の彼らの表情といったら! “ざまぁ”以外の何物でもありません!
また、個人的に思う本作の一番の魅力は、ペネロペが攻略対象たちに簡単にほだされないところ。もちろん話が進んでいく中で彼らとの関係性も徐々に変わっていきますが、基本的には理不尽な扱いを見逃して許すようなことはありません。
攻略対象は複数いるのですが、筆者は推しは皇太子。皇家のパーティーに自分を暗殺しに来た従者を引きずって登場し、挙句には初対面でペネロペを葬ろうとする過激なキャラなのですが、ペネロペと知り合って様々な一面を見せるようになります。
しかし、魔術師も捨てがたい……どんな魅力があるのかは、ぜひ読んで確かめていただきたい! なお、こちらの作品はコマの読み方が左から右なのでご注意を。
主人公は誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢のコニー。とある夜会で、自身の婚約者の浮気相手に冤罪で糾弾されそうになった時、かつて希代の悪女として処刑されたスカーレット・カスティエルが憑りついて……!?
公爵令嬢であり王太子の婚約者だったスカーレットは、現王太子妃の暗殺を企てた罪で10年前に処刑されましたが、実は冤罪でした。スカーレットは夜会でコニーを助けた代償に、スカーレットの冤罪の真実を暴き復讐を手助けすることをコニーに要求します。
利害の一致から始まったスカーレットとの奇妙な関係はやがて信頼に、そして国全体をも巻き込む巨大な陰謀へとコニーを誘っていきます。
「スカーレットお姉様ーーー!!」と叫びたくなるほどスカーレットが……いえ、スカーレット様がとてもかっこいいんです!
冤罪での処刑でしたが、実際スカーレットは現王太子妃のセシリアに、それはもういろんな悪事を働いていたわけで……処刑まではいかなくても立派な悪女でした。
しかし、スカーレットの人となりや王太子の過去などを辿っていくと、スカーレットは常に自分の正義を貫いていたことがわかります。何度も言いますが、本当にかっこいい。
利害の一致だけだったコニーとの関係も変わっていきます。コニーの誠実すぎる人柄を知って、いい意味でだんだんと絆されていくスカーレットに、読者もニマニマ。
また、利害の一致といえば、コニーと新たな婚約者の関係性にも注目してほしい!
貴族社会の闇から国全体にかかわる大きな陰謀まで、ミステリーやサスペンスなど様々な要素が詰め込まれた本作。スカーレットを陥れた真犯人は誰なのか、「エリスの聖杯」というタイトルはどういう意味なのか、ぜひその目で確かめてください。
5つの名家から姫君を集め次代の妃を育成する後宮「雛宮(すうぐう)」が舞台。黄家(こうけ)の玲林(れいりん)は、体は弱くも美しく慈愛深い女性で殿下のお気に入り。
ある乞巧節(たなばた)の日、「雛宮のどぶネズミ」と言われ虐げられている朱家(しゅけ)の雛女・慧月(けいげつ)の道術により、2人の精神が入れ替わってしまいます。
道術のせいで入れ替わりの事実を話すことができず、己を害した罪で牢に入れられた玲林。しかし驚いたのも束の間、自身のあまりに貧弱な体で苦労していた玲林は、慧月の健康な体を手に入れて嘆くどころか大いに喜んでしまい……!?
こうして、玲林もとい「ふつつかな悪女」が鋼のメンタルで次々を逆境を乗り越えていく、逆転中華ファンタジーが幕を開けるのです。
玲林のたくましさにただただ感服します。
入れ替わりを嘆くどころか健康な体を手に入れて喜び跳ねまわり、虫を素手で捕まえ、汚物を与えられても堆肥だと歓喜する……おそろしい子っ! 自分で収穫した芋を美味しそうに食べる姿はひたすらにかわいい、ただ玲林には芋は飲み物ではないと伝えておきたいです。
その持ち前のメンタルや明るさ、堂々とした立ち居振る舞いで、慧月の姿で周りをどんどん懐柔していく様はあっぱれ。玲林本人には懐柔しているなどという意識はないかもしれませんが。玲林と慧月の関係性にも注目です。
物語が進むにつれて慧月の境遇や過去のほか、入れ替わりに関することも徐々に明かされていきます。その問題は雛宮で起きた過去にも関係していて……詳しくはぜひ本編を読んでください!
幼い頃高熱を出して意識を失い、目が覚めると「エミ」に体を奪われていた乙女ゲームの悪役令嬢・レミリア。両親からぞんざいに扱われていたレミリアですが、自身の体の中から「エミ」の記憶や心優しいエミ自身を覗き見ることで愛を知っていきます。
美しく優しい公爵令嬢のレミリアとして生きていた「エミ」は、本来であれば不仲であるはずの攻略対象たちとも良い関係を築いていました。しかし、いつしかゲームのヒロインである「星の乙女」が登場。攻略対象たちをアイテムの力で虜にし、レミリアは無実の罪で断罪されてしまいます。
ショックを受けその場で意識を失う「エミ」。そして、11年ぶりに本物のレミリアが登場します。これまで「エミ」が培ってきたレミリアを壊さないよう務めながらも、「エミ」のために星の乙女たちへ復讐すべく動き始めるのです。
復讐を果たすために暗躍する悪役令嬢そのもののレミリア。一方で、「エミのレミリア」を演じながら人々を救っていき、傍目には聖女や女神のようにしか見えないレミリア。すべて復讐に繋がることなのですが、この見せ方が非常に面白い!
エミを絶望させた輩に復讐を果たすと誓った、恐ろしくも美しいレミリアがめちゃくちゃ推せます。エミを通してゲームの情報を、そして愛を知ったレミリアは強いのです! それぞれのレミリアが見せる表情の違いにも注目です。
正直、第2話の悪役令嬢もといエミが星の乙女に追いやられているシーンは胸に来ます。星の乙女が怖すぎる……! こんな恐ろしい人がヒロインだなんて……あの醜悪な笑顔が夢に出てきたらちびってしまうかもしれません。エミが深い眠りについてしまったのも無理はないでしょう。
世界を救う中で魔族の国にもかかわってくるのですが、この話もなかなかに重い。しかし、レミリアがいれば何も心配することはありません。レミリアの確固たる信念に敵うものはありませんから。そんなレミリアが最終的ににどのような復讐を果たしてくれるのか、期待は膨らむばかり!
売春婦の娘で、母が伯爵と結婚したことで平民から貴族となったアリア。これまで散々虐めていた義妹・ミエールに毒を盛った容疑で24歳で処刑されてしまうことに。しかし処刑直前、恐ろしい笑みを浮かべたミエールから「すべては自分が仕組んだことだった」と衝撃的な事実を聞かされるのです。
処刑により死んだと思ったアリアですが、なんと気が付くと14歳の頃にタイムリープしていました。現状を把握したアリアは、ミエールを超える悪女になり自分を死に追いやったミエールに復讐することを決意。こうしてアリアによる壮大な復讐劇が始まります。
悪女VS悪女! 過去に戻って良い子になるのではなく、悪女のまま復讐を果たすというのがこの作品のポイントです。しかもアリアとミエール2人とも表向きは可憐な少女を演じているのがまた面白くて、そのギャップに「あ、悪女だなぁ~!」と何度ニヤニヤさせられたことか!
しかし、アリアは過去24歳まで生きているので、同じ悪女でも年季が違います。ミエールよりも一枚も二枚も上手で、ミエールに対して小さな「ざまぁ」を度々お見舞いするのです。そうした場面を「ざまぁ!」と思いながら読んでいる我々読者も、もう立派な悪女でしょう。
ストーリー序盤の少し幼いアリアもかわいいですが、アリアはストーリーの中でそれはそれは美しい淑女、そして悪女に成長します。美しく気高い悪女に弱い筆者、めちゃくちゃ推せる!
本作品には恋愛要素も多く含まれています。特に中盤辺りからは、ある日突然出会った謎の貴族・アースとの恋愛模様にドキドキするシーンが多々あり、恋愛要素を楽しみたい人にもおすすめです。
筆者の大好きな美しい悪女たちが登場する悪役令嬢系作品。ざまぁ展開はもちろんのこと、恋愛やサスペンスなど様々な要素を楽しめる漫画がまだまだたくさんあります。
すでに悪役令嬢系にハマっている方はもちろんのこと、まだあまり手を出したことがないという方も、今回紹介した作品をキッカケに無限大の可能性を秘める悪役令嬢系漫画の魅力を深堀りしてください。
(執筆:ヤマコシ ショウコ)
ヤマコシ ショウコ
フルート奏者兼Webライター。好きなショタは小夜左文字、アイドルはランカ・リー、RPGはドラクエ。
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