柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
「ピーリカピリララポポリナペーペルト!」
この呪文を覚えている人は、どのくらいいるだろうか。幼い頃、カラフルな魔法玉が詰め込まれたステッキを振りながら、しきりに「魔女見習い」たちの真似をしたものだ。
大人気アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズ放送から、四半世紀もの年月が経った2024年春。ファンお待ちかねの新情報が届いた。
2024年3月23日(土)、年に一度のアニメの祭典「AnimeJapan 2024」内で開催された「おジャ魔女どれみ25周年チャレンジ企画ステージ」。
“25周年”という節目の年をお祝いする特別なイベントの情報や、不朽の名曲「おジャ魔女カーニバル!!」の公式ダンス振り付けと新作PVが発表され、SNSには復活を待ち望んでいたファンからの喜びの声が多数上がった。
閉幕後まもなくして「#おジャ魔女どれみ」がX(旧:Twitter)でトレンド入りするなど話題を呼んだステージだったが、一体どんなことが繰り広げられたのだろう。当日の様子を詳しくレポートしていく。
INDEX
本シリーズのプロデューサーである東映アニメーションの関弘美を司会に迎え、千葉千恵巳(春風どれみ役)、秋谷智子(藤原はづき役)、松岡由貴(妹尾あいこ役)、宍戸留美(瀬川おんぷ役)さん、宮原永海(飛鳥ももこ)のキャスト5名がステージに登壇。
レジェンドとも言える豪華声優たちの登場に、観客からは大きな拍手と歓声が湧き上がる。それぞれ自己紹介とともにキャラクターの決め台詞を放つと、25年前から聞き親しんできた声に「本物だ……」と感動の声も上がった。
「25年前。ちっちゃかったり、存在していなかったり、中くらいだったみんなが、こうやってここに集まってきてくれたのがすごく嬉しいです」という千葉のコメントの通り、会場には幅広い世代の男女が集まっている。
まずは25周年を記念したイベントの告知から。「おジャ魔女どれみ25周年メモリアル展」の開催が発表され、観客から驚きと喜びの声が聞こえた。
24年8月に東京・原宿ラフォーレでの開催を皮切りに、大阪や名古屋をはじめとした各都市でも予定しているとのこと。
「大阪」というワードにすかさず反応したのは松岡。自身及び担当キャラであるあいこの出身地であることに触れ、「ついにきました!今日関西から来ている方いますか? みなさん、一緒に楽しみましょう~!」と客席に向けて笑顔で声を掛けた。
続いては、お待ちかねの新作映像。慣れ親しんだ作中BGMとともに、すっかり大人になったどれみのシルエット姿が映し出される。次に、『おジャ魔女どれみ 1620’s』のタイトルロゴが。
主題歌「おジャ魔女カーニバル!!」が流れ、はづき、あいこ、おんぷ、ももこ、そしてハナちゃんの大きく成長した姿が映し出される。あの頃のかわいらしい雰囲気はそのままに、“令和版のおジャ魔女”らしいハイクオリティのダンスシーンが流れると、会場の興奮レベルはMAXに。
映像が終わると、千葉は「どれみ達がちっちゃい頃から大人になるまでのアルバムを見ているかのような気持ちになって、思わず(映像に)吸い込まれました」とポツリ。
どれみを演じて25周年、これまでの思い出を振り返っていたのであろうか、その目はキラキラと輝いていた。千葉に続いて、ほか4名のキャスト陣も「思わずうるうるしちゃった」と感想を述べる。
「映像が流れた途端、号泣してしまった」と打ち明けて涙を拭ったのは松岡。その言葉に会場は、先ほどまでの高揚感を少しだけ残したまま切ない空気に包まれた。
新作PVに対して千葉は、「関さん!あのダンスは何なんだい!?」と好奇心旺盛などれみらしく、元気に手を挙げながら質問。
そう、“おジャ魔女世代”なら誰もが一度は聴いたことがある、あの名曲にいよいよダンスが追加されたのだ。先ほどの映像では、サビ部分を笑顔で踊る主要キャラクター達が順番に映し出されていた。
これまで公式の振り付けが存在しないことから、個人が考案したオリジナルのものや、インド音楽のPVに合わせた動画がネット上で人気を博していた「おジャ魔女カーニバル!!」。
この流れを受けてSNSでは「ついに公式から供給が!」などの声が上がり、また違った意味でも話題を呼んだのだが、それは言わずもがな。
待ちに待ったダンス映像にはしゃぐキャスト一同に対して、プロデューサーとして制作にも携わった関は「ダンスシーンは今や3D映像から作るのが主流ですが、この映像はアニメーターが原画を書き起こし、2Dで作画したんです」とこだわりを明かす。
そして、「ダンスといえば……」と次のプログラムであるダンスの披露へと進行。再び主題歌が流れ、制服に身を包んだ女性ダンサー6名によるダンスが披露された。
舞台袖からそれを鑑賞していたキャスト陣は、「かわいい!」と大絶賛。
宍戸は「ダンサーさんそれぞれに配役があるみたいで、とても可愛らしかったです。ついおんぷちゃん役の方を探しちゃいました」とはにかむ。
松岡は日頃TikTokをチェックしていると明かした上で、「このダンスの“踊ってみた”が流れてきたら、全部いいねしちゃう!」と興奮気味に語り、笑いを誘った。
ラストは、キャスト陣による歌披露。1曲目に「わたしのつばさ」をのびやかに歌い上げた後、「では声優の皆さん、準備ができたらお客さんの近くへ降りてください!」という関の合図を皮切りに、客席の方へと一斉に駆け出す5名。
予想だにしなかったサプライズ演出に、会場から悲鳴にも似た歓喜の声が湧き上がると、千葉を筆頭に「みんなも一緒に歌ってね!」としきりに煽る。
ぐるりと会場を見渡すと、「ペペルトポロン(どれみの魔法ステッキ)」をペンライトのように振って盛り上がる人や、通路を元気よく駆け抜ける5名にハイタッチしようとしきりに手を振る人、そして突然目の前へとやってきた憧れの人に思わず涙する人……老若男女問わず、多くのファンの姿が。
25周年を迎えた今までずっと、アニメはもちろんのこと主題歌も、“おジャ魔女”の全部を愛してやまない。その思いは、もちろんキャスト陣も同じだろう。
最後に千葉は、「今日公開になった新作PV、とってもすてきなのでぜひ家族やお友達にも勧めて、一緒に観てほしいなと思います」と思いを述べた後、「ハッピーラッキーみんなにとーどけ!」とファンにはお馴染みの合言葉で締め括った。
長い年月を経てもなお色褪せない「どれみちゃん」が存在する一方で、新作PVにはおそらく我々と同じくらい年齢を重ねた姿の彼女がいた。約35分という短い時間でのステージだったが、そのコントラストに各々さまざまな思いを抱いただろう。
どれみ達と共に成長し、迎える25周年。今回発表となった新作PVの動画再生数によって、これから『おジャ魔女どれみ』シリーズがどう展開するのかが決定するとのこと。
「プリティーウィッチーどれみっちー!」
幼い頃、もしくは“中くらい”の頃に夢中になって観ていたあのキラキラと輝く変身シーンや、いつも元気を与えてくれていた「魔女見習い」たちの明るい笑顔。
彼女たちにまた会える日を願って、25周年の今後の展開に期待したい。
(執筆:柴田捺美、撮影:井上ユリ)
【東京会場】
会場:ラフォーレミュージアム原宿(東京都渋谷区神宮前 1-11-6 ラフォーレ原宿 6F)
会期:2024 年 8 月 10 日(土)~2024 年 8 月 25 日(日)
営業時間:11:00-20:00(最終入場 19:00) ※最終日は 11:00-18:00(最終入場 17:00)
※秋には大阪、冬に名古屋への巡回も予定
主催:東映アニメーション・東映
<『おジャ魔女どれみ』作品概要>
魔女に憧れる自称「世界一不幸な美少女」春風どれみは、ふと訪れた MAHO 堂という変わったお店で、女主人マジョリカの正体を魔女と見破ってしまう。するとなんと、マジョリカは奇妙な魔女ガエルの姿になってしまった! どれみに「責任を取ってお前も魔女になれ」とせまるマジョリカ。魔女ガエルになった魔女は、正体を見破った者の魔法でしか元の姿に戻れないのだ......。
ひょんなことから魔女見習いになった 3 人の少女、どれみ、はづき、あいこ。どれみの妹のぽっぷ、人気アイドルのおんぷ、帰国子女のももこも魔女見習い仲間に加わって、学校と「MAHO 堂」を舞台に、一人前の魔女になるためのマジカルでミラクルな修行の毎日が続く......。1999 年の放送開始とともに大人気となり、以後 4 年間の長期に渡ってシリーズ化された「おジャ魔女どれみ」が、2024 年に 25 周年を迎えます。
<キャラクター>
春風どれみ<担当声優:千葉千恵巳>
藤原はづき<担当声優:秋谷智子>
妹尾あいこ<担当声優:松岡由貴>
瀬川おんぷ<担当声優:宍戸留美>
飛鳥ももこ<担当声優:宮原永海>
おジャ魔女どれみ 25 周年記念サイト
おジャ魔女どれみ 25 周年公式X(Twitter)
©東映アニメーション
柴田捺美
サンリオを初めとしたKAWAII文化をこよなく愛するライター兼イラストレーター。その他占い、アニメ、BLなど得意と好きを生かして幅広く執筆を行う。
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