双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
「アナタの推しを深く知れる場所」として、さまざまな角度で推しの新たな一面にスポットを当てていくnuman。今月の深堀りテーマは“推しの推し”。11月4日の「いい推し(1104)の日」にちなみ、誰かの推しとなり得る人が自身の推しに会いに行く【推しに会ってみた】対談を複数本掲載していきます。
今回は、『NARUTO』や『アンデッドアンラック』など数多くの人気アニメの主題歌を担当するOKAMOTO'Sのボーカルであり、ロック界きってのマンガ愛を誇るオカモトショウさんと、オカモトさんが「こんなに面白いマンガはない!」と熱く推している『日本三國』の作者・松木いっか先生との特別対談が実現。
オカモトさんが大のマンガ好きであることを聞きつけ、【推しに会ってみた】へのオファーを提案したところ、思いの丈がつまった“推し作品”リストを編集部に送ってくれました。
そのリストの中で最初に名前が挙げられていたのが、松木先生の描く『日本三國』。近未来を舞台に、消滅した日本を巡る国盗り合戦を描く架空戦記。2021年11月から、小学館のマンガアプリ「マンガワン」にて絶賛連載中です。
「『こういう未来がきたら、きっとこうなるよな』というリアルさも、勧善懲悪の先に踏み込んだ人間の善意と悪意を描いているところもすごい」
並々ならぬ熱量で、そう語るオカモトさん。その手には、今はもう入手できない『日本三國』1巻の初版が握られていました。ときには、松木先生が「そこまで考えていなかった」という部分にまでオリジナルの考察を展開するオカモトさんの姿は、まさに作品ファンの鑑そのもの。
さらに今回、松木先生の顔出しでの取材はなんと初めて! キャラクターを生み出す過程や、事前に作成した年表の存在といった『日本三國』ファン必読の創作秘話に、オカモトさんも大興奮。さらに、先生の意外なモーニングルーティンが明らかとなり、同世代の2人が盛り上がる場面も。
「音楽が好きでミュージシャンになる道しかなかった」と語るオカモトさんと、「マンガを描くのが好きで描いていたらマンガ家になっていた」と語る松木さん。“表現者”として似たタイプだと語る2人の、とっておきの対談インタビューを1万字超えのボリュームでお届けします。
INDEX
――今回、“推し”として『日本三國』を選んだ理由をまずは教えてください。
オカモトショウ(以下、ショウ):
今ダントツで俺の中で1位のマンガが松木先生の『日本三國』なんです!
松木いっか(以下、松木):
嬉しいです。ありがとうございます。
ショウ:
マンガが好きで学生の頃から読んでいて、20代後半くらいから「自分って周りの人よりマンガが好きかも」と思い始めて。ラジオでマンガの話をしたり、オススメのマンガを紹介する連載をしたり……そんなことを続けていたら、「マンガ大賞」の選考委員を務めさせていただくことにもなりました。
それくらいマンガが好きで読んでいる俺が、仕事とは関係なくシンプルに『日本三國』連載開始当初に出会って読みました。かなり早い段階でこの作品に出会えたのは、『日本三國』の担当編集をしている千代くん(※「マンガワン」編集部編集者・千代田修平さん、オカモトショウさんとは飲みに行ったり恋愛相談をしたりする仲)のおかげです。
でも、千代くんの存在を抜きにしても、きっと『日本三國』には遅かれ早かれ出会っていたし、めっちゃ好きになっていたと思います。それくらい「こんな面白いマンガ漫画はない」と思ったんですよ。
千代くんにも以前から「松木先生を紹介してほしい」と言っていたのですが、なかなか叶わず……。今日初めてお会いできるということで、めっちゃ楽しみにしていたし嬉しいです!
松木:
ありがとうございます。でも僕、実はオカモトさんと初めましてじゃないんですよ。
ショウ:
え!? マジで言ってます?
松木:
マジです(笑)。僕が一方的に観ただけなので、こうやって対面でお会いしたわけではないんですけど。2014年の「MONSTER baSH」(※中四国最大級の野外ロックフェス、通称「モンバス」)に、友人に誘われて行っていて。そこでOKAMOTO'Sの演奏も観て、いいなと思っていました。
ショウ:
え~、嬉しい! OKAMOTO'Sが「モンバス」に出るのってかなりレアなので、それを観てもらっていたのは本当に嬉しいですね。
――思わぬ接点があったんですね。オカモトさんはマンガをかなり読まれていると思いますが、松木先生の前作『ブクロキックス』(講談社)は……?
ショウ:
(食い気味に)もちろん『ブクロキックス』も読んでいたし、好きでした。
松木:
『ブクロキックス』も……! ありがとうございます。
ショウ:
作品が始まる前に、ブラインドサッカーをテーマにした曲(※『「アニ×パラ あなたのヒーローは誰ですか」ブラインドサッカー編』のテーマ曲「Turn Up」)を書いていたんですよ。ブラインドサッカーに縁がある状態で、ブラインドサッカーのマンガが始まったということで読んだ記憶があります。
そこから、千代くんに『ブクロキックス』を描いていた松木先生の『日本三國』というマンガが始まると聞いて読んでみたら、もう全然テイストが違う。「マジ、同じ人なの!? すごいな」と思いながら、一気にハマりました。
ショウ:
早速質問しちゃってもいいですか?
——もちろんです。
ショウ:
先生はもともと歴史が好きなんですか? というのも、主人公の三角青輝がめっちゃ歴史に詳しいじゃないですか。ということは、松木先生が歴史好きってことなのかなと思っていて。
松木:
いや、歴史好きという自覚はなかったです。でも、ゲームの『三國無双』とかはハマってやっていたな、というくらいの認識でした。
作品が生まれた経緯でいうと、『ブクロキックス』の連載中に、泰三子先生の『シキブアイラブユー』(新潮社)という読み切りマンガの作画を担当させていただいて。紫式部を題材とした物語だったのですが、それを描いたときに、「そういえば昔、歴史が好きだったな」と。そこから三国志や歴史の文献をあれこれ読んで、『日本三國』を描こうと思うに至った感じです。
ショウ:
じゃあ作品としては、三国志からのエッセンスが多いんですか?
松木:
そうですね。そこに中国王朝だったり、日本の歴史だったりを入れていっています。でも、三国志っていろんな作家さんがいろんな描き方をすでにしていて、僕自身もそれを読者として読んで楽しんでいるから、「ここに自分の入る余地ある?」と。だったら、日本を舞台にして三国志をやろうと思いました。
――オカモトさんと同じく、『ブクロキックス』からの振り幅に驚いた読者も多いと思います。
ショウ:
音楽もそうですが、人が持てる手札ってけっこう限られているじゃないですか。その中で、こんなに作品によってテイストが変わるんだというのにびっくりしました。
松木:
音楽でいうとミクスチャーかもしれないですね。いろんなものを取り入れて、自分の味にしていくというか。
ショウ:
はいはいはい、なるほど。
松木:
そういう意味でも、作品に合わせて絵柄を変えているので。また違う作品を描いたら、絵柄が変わるかもしれません。
ショウ:
すごっ!
松木:
僕としてはコンプレックスだったんですよ。昔の編集者にも「毎回、絵柄違うね」みたいなことを言われて。でも、それでいいやと思うようになりました(笑)。
ショウ:
めっちゃわかる。俺らもいろんなタイプの曲を作っているので、「器用貧乏になっちゃうよ」とか「何屋さんかわからないから、人が寄ってきにくくなっちゃうよ」とか、けっこう言われました。
でも、長くやっていたら、あまり言われなくなって。その瞬間を切り取ったら何屋かわからなく見えても、積み重ねて層にしていけば、よくわからない感じもなくなっていくんだなと。
松木:
たしかに一つ“核”みたいなものがあると、ガワだけ変えてもそんなには変わらないですよね。
ショウ:
そうなんです。本当の意味では他人になれないのと同じで、自分の芯の部分って実際はそんなに変えられないんですよね。
――そんな『日本三國』激推しのオカモトさんに、ぜひ本作の魅力を語っていただきたく……!
ショウ:
日本という国が崩壊したあとの近未来で、大和・武凰・聖夷という3つの国が乱世の中で日本再統一を目指す。内容はシリアスだけど、キャラクターの言い回しややり取りで笑っちゃう心地よさもあって。それでいて「こういう未来がきたら、きっとこうなるよな」というリアルさも感じられるんですよ。
読んでいてフッと冷めちゃうような脚色が全然ないところがすごく好きです。そういう脚色って、1回出てくるだけで、頭が作品の世界から現実に戻ってきちゃうじゃないですか。
でも、『日本三國』は、俺らが生きている世界で起き得ることが、ちゃんと起きている。だから、読者として世界に入り込めるんですよね。
松木:
(ニコニコと控えめな笑顔で)嬉しい。
ショウ:
ただの個人的な感想なのですが、ここまでのめり込める作品って本当に少ないと思います。そこがまず、この作品のすごいなと思うところです。
あと、一歩踏み込んだ善悪の描き方をしているところもマジですごい。昔の作品は勧善懲悪が描かれることが多かったけど、最近ヒットしているマンガの傾向としては、悪い側にも悪いことをする理由があるよねというところを描いている。だけど、『日本三國』は勧善懲悪の先に踏み込んだ、人間の善意と悪意を描いているんですよ。
とくに6巻で描かれる戦いがヤバイ。最新刊のネタバレになっちゃうから詳細は控えますけど……。(6巻をパラパラとめくりながら)そうそう、ここね、このページ!一見すると、善人と悪人の構図で始まるんだけど、最終的にどっちも最悪だし、そもそもこれは戦争なんだから善も悪もあるよなとも思うし……というこの感じ!
そこが、より作品に入り込める要素になっているんだろうなと。人間のリアルさがすごく感じられるんですよ。
松木:
できていますか?
ショウ:
できています! いや、めっちゃごめんなさい。「できています」とか思わず言っちゃいましたけど(笑)、俺はただのファンなので。
松木:
でも、そこは目指しているところでもありますし、善と悪という部分はすごく意識しています。
ショウ:
そうなんですね。
松木:
読者の方からは、「平 殿器(主人公が暮らす大和国の国政を牛耳っている人物、自分を不快にした人物は即処刑する)を早く殺して退場させろ」というコメントがよく届くんです。だけど、僕としては「殺せ」と言っている人も、善ではないだろうと思うわけです。
ショウ:
あ~、なるほど。平 殿器もすごい魅力的なキャラクターですよね。最初はもっと単なる嫌なやつだと思っていたのに、5、6巻あたりから「こいつ実はすごいかも……?」と思い始めています。
松木:
(ニヤリとして)じゃあ僕の思惑通りですね。
ショウ:
(テンションが上がった様子で)おぉ……。
松木:
平 殿器に関しては、1話から「実はすごいかも」の兆候は入れていました。
ショウ:
ちょっと帰ったらまた読み返そうと思います。
ショウ:
『日本三國』はキャラクターも個性的で、いいなと思っているんですよ。特に、三角(青輝)とツネちゃんさん(阿佐馬芳経、通称・ツネちゃんさん)のやり取りがめっちゃいいっす!
松木:
僕も描いていて1番楽しいですね。考えずに描ける感じです。
ショウ:
へー! うちの妻も爆笑しながら読んでいます。妻はちょっと変わっているのですが、『日本三國』をギャグマンガだと思っているみたいで、「最近読んだマンガで1番笑える」って言ってました(笑)。でも、「たしかに」と思う部分もあるんですよね。癖になる口調とか。
松木:
そうですね。僕ももちろんシリアスな部分はちゃんと真面目に描きますが、それ以外の部分は割と楽しんで描いています。なので、笑ってもらえていると聞いて嬉しいです。
ショウ:
国家上層部の重鎮が「それま」とか「草」とか、めっちゃギャルっぽい口調なのもいいっすよね。
松木:
ふふふ。
ショウ:
今の若い人の言葉を、作中ではジジイキャラが言うじゃないですか。そこも、近未来の日本という世界観の説得力に繋がって面白いなと。
だって、今俺らが「ジジイ口調だな」と思う喋り方って、きっとその人たちが若いときに喋っていた言葉のはずで。だから、今の若者言葉も3、40年後には若者に「ネット初期民じゃん」って言われていると思うんですよね。
一同:
(笑)。
――オカモトさんがおっしゃるように、『日本三國』は登場人数が多いにも関わらず、どのキャラクターも埋もれることなく個性的かつ魅力的です。キャラクターに関して、オカモトさんから先生に聞いてみたいことはありますか?
ショウ:
先生は友達が多いタイプですか? 失礼な質問に聞こえていたら申し訳ないのですが、6巻時点でこれだけ登場人数がいて、この先もまだまだ出てくると思うんです。
これだけいたらキャラクターが似てくるマンガもあるのに、マジで全員違うから、その引き出しがどこにあるんだろうというのが気になっています。
松木:
たぶん地元の友達は多いかな。こっちにはあまりいないですけど。でも、キャラクターに関しては、身近な人というより三国志や戦国時代の武将がモデルになっています。誰か1人、ベースとなる武将がいて、そこにほかの武将の要素を足していく、といった感じです。
ショウ:
そうなんですね。じゃあ主人公の三角青輝にもモデルがいるんですか。
松木:
青輝は鄧艾(とうがい)という三国志の魏の武将がモデルです。マッピングが好きなところや、親を早くに亡くしているところ、実家が貧しいところなどは、鄧艾をベースにしています。
— 松木いっか MATSUKI IKKA (@IKKA_neko) November 20, 2024
1点、大きく違うのは、鄧艾は吃音だったんですよ。それゆえ、なかなか出世できなかったという人物で。「そこを饒舌に変えたら最強じゃん」と思って生まれたのが青輝です。
ショウ:
だからあんなに青輝は口が立つんだ! 戦争の話なのに、青輝が力ではなくて頭脳と雄弁さで勝っていく感じが本当に気持ちよくって。
そこがあったから、導入の部分でこの作品を読む楽しさみたいなものも感じられたし……は〜、なるほど。武将がモデルになっていたんだ。
松木:
鄧艾には対をなす鍾会(しょうかい)という武将がいて。彼は母親の伝記を書くくらいのマザコンなんですが、彼は芳経のモデルですね。マザコンなところや、名族の生まれであるところは、そのまま設定に生かしています。
— 松木いっか MATSUKI IKKA (@IKKA_neko) November 17, 2024
ショウ:
これは聞いていて「なるほど」となりますね。(しみじみと)面白い。じゃあきっと三国志も面白いんだろうな。
松木:
面白いです。来年1月にゲーム『三國無双』の新作が出るのですが、1人の武将から見た三国志を追体験できるような内容になるらしいですよ。僕も予約しました。
ショウ:
それは気になるな。俺もちょっとやってみようと思います。
――キャラクター設定のモデルは武将がベースにあるとのことでしたが、見た目はどう作っているのでしょうか。
ショウ:
たしかに! 先ほど初めてお会いしたときに、松木先生のヘアスタイルが三角っぽかったし雰囲気も似ていたので、「なるほど、そういうことか」と思っていたのですが、三角は先生自身がモデルになっているんですか?
松木:
僕は自分では俯瞰的にキャラクターを描いていて、自分を投影していないと思っています。だから、青輝にも自分は投影していないと思って……いたんですが(苦笑)。
でも、最近千代田さんに相談する中で、「あれ、僕って青輝と芳経を合わせた感じじゃん」と気づいてしまって。だから、どこか投影されている部分はあるかもしれないです。まあ、青輝とは分け目が逆ですけどね(笑)。
ショウ:
アハハ! でも、本当に出てくるキャラクター全員に個性がありますよね。
松木:
被らないように気を付けてはいるので、そう見えているならよかったです。絵柄的に「このキャラクターの描き分けができていない」というコメントをもらうこともけっこうあって……。
この作品の場合、全員が日本人なので髪の色が黒い人しか出てこないんですよ。顔はほとんど同じで髪色だけを変えて別キャラクターとするということが、この作品では通用しないので(苦笑)。微調整しながら頑張って違うキャラクターに見えるようにしています。
意外とパーツだけを見ると似ているキャラクターは多いと思います。そこは目のサイズを変えたり、位置を変えたりしながら調整しているんですが……。(単行本をめくりながら)こう見てみると、けっこう頑張っていろんなキャラクター描いていますね(笑)。
――おじさんキャラクターのバリエーションもすごく多いですよね。
ショウ:
そう! おじさんがみんな違う。
松木:
おじさんのキャラクターに関しては、おじさんとして描いていなくて。彼らの若い頃の顔を想像して、それを老けさせるというイメージですね。
ショウ:
それはすごい。“ザ・おじさん顔”のおじさんキャラクターが出てくるマンガって多いと思うのですが、おじさんとしては描かずに、若い頃から老けさせるという作り方をされているんですね。こういうところが推せるんですよ! 細かな芸が効いていて、本当にすごいです。
— 松木いっか MATSUKI IKKA (@IKKA_neko) November 22, 2024
松木:
嬉しいですね。
ショウ:
背景も全部自分で描かれているし、そういうところも含めて本当にすごいなと思います。
松木:
(はにかみながら)めっちゃ褒めてくれる。
ショウ:
もう今日は、絶賛しに来ましたから!
そういえば先日、レコーディングの際に俺以外の(OKAMOTO'S)メンバーの待ち時間がかなりあって。そのスタジオにはマンガがたくさん置いてあって、『日本三國』もあったんですよ。前々から薦めていたのですが、その機会にギターのコウキが既刊を読破していて、「めっちゃ面白い、これやばいわ」と『日本三國』の虜になっていました。
――ファンによる推しの布教が成功していますね。
松木:
こうやってどんどん枝が分かれていくんですね。嬉しいです。
――主人公の青輝をはじめ、濃いめの方言もインパクトがあります。松木先生は愛媛県出身ですが、それ以外の地域の方言もカバーされていますよね。
ショウ:
そうなんですよね。1話からめっちゃ方言が出てくるから、すごいなと思っていたんですよ。幅広い地域を網羅しているし。
松木:
1人で描いているので、自分で調べています。よくやるのが、Twitter(現X)での検索です。知りたい方言の県名で検索してヒットした方のプロフィールへ飛んで、ポストを遡っていって。フォロワーとの会話も覗かせてもらって、「この方言はこういう使い方するのか」と学んでいます。
でも、難しいです。コメントで指摘されて直すこともよくありますし。なんなら、地元帰ったときに友達に間違ってるって言われました(笑)。「そんなん言わんけん」と。
ショウ:
そんなことあるんですね(笑)。方言って、地域とか時代とか、世代によっても絶対微妙に違うじゃないですか。だから、全部完璧にっていうのは難しいだろうなと思います。でも、読んでいて、方言が多いのめっちゃいいっす!
これだけ方言を使っているのは、やっぱり近未来という時代的背景があるからなんですか?
松木:
いや、単純に1話で地元の愛媛を出しちゃったからですね。そこで標準語を喋っていたらおかしいだろうと思って方言を使ったら、「ほかの地域にも方言あるやん」と。そうやっていったら、方言だらけになりました。
ショウ:
なるほど。今の時代って、ネットやSNSが普及して、昔より標準語が拡大というか浸透しているじゃないですか。でも、作中ではそこから日本が崩壊して文明も衰退している。
だから、昔のように地域ごとの濃度が濃くなっていって、方言をきつく描いているのかと、勝手に推察していました。
松木:
おお、いいですね。じゃあそうしましょう。
一同:
(笑)。
松木:
そういう推察とか考察ってありがたいんです。もともとこちらが意図していないことも、「こうなんじゃないか?」と、読者さん側がどんどん知っていってくれて、読み進めるほどに「もっと知りたい」と思ってもらえる図ができるので。
でも、方言に関してはそこまで考えていなかったです。
双海 しお
エンタメジャンルで執筆するフリーライター。2.5次元舞台が趣味かつライフワークで、よく劇場に出没しています。舞台とアニメとBLが好き。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。
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