ふくだりょうこ
大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと小説とマンガがあったら生きていける。
――新曲「CHA∞IN」のお話についてもお聞きしていきます。前作の「ラブ・ユー・テンダー!」とはかなり雰囲気の異なる楽曲です。実際、聴かれた時はどういう印象を受けましたか。
内田:
第一印象は「すごく好きな曲」でした。この曲が持っている温度感やゆったりした余裕のある雰囲気が、とても私の好みだったので、リリースされるのを楽しみにしていました。
――好みの曲だったということは、レコーディングも楽しく?
内田:
好きに歌わせてもらえたので楽しかったです。
これまでは「ラブ・ユー・テンダー!」のようなハイテンションな曲が多くて、「CHA∞IN」を収録する時はどうしようかなと考えたりもしたのですが、ちょうど「肩の力を抜いて、声を張らずにレコーディングがしたい」と思っていた時期だったんですね。その気持ちが活かされた曲ですね。
――「CHA∞IN」は、「これまでの内田さんの歌い方とは少し違う気がする」と思っていたのですが、そういう理由があったのですね。
内田:
自分の声と向き合っていた時期だったんです。
「ラブ・ユー・テンダー!」や「ギミー!レボリューション」のようなハイテンションな曲の方が、“内田真礼らしさ”だと思われることが多いと思うけど、どちらかというと「CHA∞IN」の方が「そうそう、内田真礼の音ってこれだよね」と感じています。
無理をしていない素直な自分、自分の揺るがない軸を音楽に表現できました。
――自分の声と向き合っていたのには、何か理由やきっかけがあったんですか?
内田:
2014年から音楽活動をしているのですが、長く音楽活動をしていくにつれて、「今後どういうふうに活動していきたいだろう」と考える時期がありました。
元気で、ハッピーで、明るくて、みんなにパワーを与えられる「今のまま」の方向性で活動を続けていきたい気持ちがある一方で、「もう大人だしな……」という気持ちもあったんですね。
本当なら30歳になったタイミングで大人の方向性に行けばよかったのだけど、「若さをリタイアしたみたいで嫌だな」と舵を切ることもできず。
――そんな葛藤があったんですね。
内田:
なんでそんな葛藤をしていたかって、20代の時は無理をしていたからだと思うんですよね。
例えば、「演じるキャラクターは15歳だからもっと○○でいないといけない!」とか、「もっと可愛くないといけない」「もっとカッコよくないといけない」「今の自分じゃダメだ」という意識にとらわれすぎていました。
だけど、ここ数年「内田真礼でよくない?」って思えるようになって。最近受けているオーディションも、「無理をしないで受けたら受かった」というものが増えた気がしています。そのタイミングでレコーディングしたのが「CHA∞IN」でした。
だから今、後輩に伝えたいのは、「あなたはあなたの良さがあるから、あなたじゃないものになろうとしなくていい」ということですね。
――それって、内田さんが自分ではない何者かになろうともがいていた期間があったからこそ気づけたことだと思うので、そういう葛藤も大切かもしれないですよね……。
内田:
そうなんですよね。すごく向き合ってきたし、頑張ってきたから、「あ、私、無理していたな」と自分の限界値にたどり着けて、今があるとも思っています。
だけど、「もっと早くに気づいていたら、もう少し苦労せずに歩みを進められたのかな」とも思うんです。難しいかもしれないけど、早めに気づけるのであれば気づくべきことだと最近は思いますね。
――そういうマインドで歌った「CHA∞IN」が、2024年最初の曲というのは、ちょっとエモいですね。
内田:
実は、レコーディングをしたのは2年半くらい前なので、相当温めていた曲なんです(笑)。でも、温めてよかったと思っています。レコーディングした時よりも「今の自分」と「自分がいいと思う自分」がちゃんと混ざり合った感じがしているから。
私は限界まで働いてしまうタイプだから、無理をしてでも笑顔でいることが全てで、正義だと思っていました。だけど今は、「無理する必要もなかったな」「100点を取り続けなくてもいいな」って。大人にならなくてもいいし、大人になったことを認めていい。自分がここまで作ってきた自分を認めてあげればいいと思えるようになった。
今の自分のメンタルと合っている曲なので、2024年は「CHA∞IN」から自分を受け入れた内田真礼を世の中にどんどん出していきたいです。
――一方、カップリング曲の「パパルラ」の歌詞はかなりキャッチーな印象を受けました。
内田:
みんなでバンドワゴンに乗っているようなイメージの楽曲になりました。
「パパルラ」も「CHA∞IN」と同じような気持ちが込められていて。世界平和とか大きなことではなく、自分の手の届く距離の幸せを表現した楽曲になりました。すごく心地のいい曲で、こちらもお気に入りです。
――2023年は全国7か所を巡るライブツアー「UCHIDA MAAYA Live Tour 2023 Happy Research! –HIKARI-」や定期的なFCイベントなど、積極的にファンの方と交流してきたかと思います。内田さんにとって「推されること」をどのように感じていますか?
内田:
年々、推されることへ感謝の気持ちが募っていますね。特に去年のツアーはより感謝を感じました。というのも、「ファンの皆さんは私よりも私のことを考えてくれているんだろうな」と思ったんですよね。
私自身、「こうでありたい」という気持ちが強いから、出演する3分前まで体が氷のように冷たくても「ステージに立ったら楽しそうに歌わなきゃいけない」とか、メンタルが落ちていても、「元気のない姿は絶対に見せちゃいけない」とか、「内田真礼は明るいと思われているから明るくいたい」と思って今までやってきました。
ファンの皆さんを見ると体が強張るから、完璧なパフォーマンスを見せるために、目が合わせられないこともありました。
だけど、ツアー初日の東京公演のタイミングでいろいろなことが起こって、すごく気持ちが揺らいでいたんですよ。それをライブで吐露したら、みんなが「大丈夫だよ!」って……。「弱音を吐いてもいいのかい?」って聞いたら「いいよ!」「泣いてもいいし、どんな真礼ちゃんでも大好きだ」とみんなが受け入れてくれて。「私、ファンのみんなに甘えてもいいんだ」と思えることができたんです。
それに気づけたら、みんなのことを見ながらパフォーマンスができて、みんながどんな顔をしていたかもちゃんと覚えています。泣いてくれた人、ハートを送ってくれた人、いろんな人のいろんな表情が残っている。
「この人たちが私を支えてくれているんだ」と認識できました。ファンの皆さんとの距離がより近くなった今回のツアーはすごく有意義でした。ファンの皆さんには本当に感謝しています。
――その経験が、「ありのままの自分でいい」ということにも繋がっているのかもしれないですね。
内田:
繋がっていると思います。だから、最近はファンのみんなに甘えていて、X(旧:Twitter)でも「おはよう」しか呟いていないんですよ(笑)。
おはようございます🌟
— 内田真礼 (@maaya_taso) January 12, 2024
それは、「ファンが離れてしまうかもしれない」という不安がなくなったから。わざわざ「私を見て!」と言わなくても、「好きでいてくれているよね?」と思えているんですよね。ファンの皆さんはちょっと寂しいかもしれないですけど、私にとっては今の更新頻度がちょうど良いです。
――「おはよう」だけでもファンの皆さんは嬉しいですよね。
内田:
SNSに集中すると疲れてしまうので、「更新しなくてごめんね!」と思いながら、朝の「おはよう」だけはなんとか続けようと思っています(笑)。おかげでファンのみんなともいい距離感を保てているような気もしています。
でもね、SNSの使い方で憧れているのは土屋太鳳さんなんですよ。Instagramの文章が丁寧で、言葉遣いもキレイで、とっても素敵。見るたびに心が浄化されます。ああいう雰囲気のインスタをやりたいと思っています。2024年の目標かもしれません!
――とはいえ、無理はせず?
内田:
「やる」と決めたらできると思います! 決めたのにやれなかった時、勝手に傷ついてしまうので……。とはいえ、一点集中で力を注ぐとほかのことがおざなりになってしまうから、70%くらいでできたらいいなと思っています。
――最後に、推される側としてのマイルールを教えてください。
内田:
「ファンのみんなが1番大切だよ」と思い続けること。
手紙やイベント、いろんなところで支えてもらっているんですよね。「常にファンのみんなの存在が隣にあるな」「ファンがいてこその私」だと思っています。
みんなの存在がなければここまで続けられていたか分からないくらい。私がつらい時もしんどい時も、みんなが全部推してくれたから乗り越えられました。「みんなのおかげでちゃんとできているよ」と、今後も手を取り合っていきたいと思っています。
(執筆:ふくだりょうこ、取材・編集:阿部裕華、撮影:小川遼)
「numan」公式インスタでは、内田真礼さんのサイン入りチェキプレゼントキャンペーンを実施中!
▼詳しくは以下をチェック!
内田真礼16th Single「CHA∞IN」
2024年1月17日(水)発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:PCCG-02319
価格:¥2,640(税込)
・フルカラーブックレット
【通常版(CD only)】
品番:PCCG-02320
価格:¥1,400(税込)
<CD>
1. CHA∞IN
作詞・作曲・編曲:戸嶋友祐
2. パパルラ
作詞・作曲・編曲:y0c1e
3. CHA∞IN –TV Size Ver.-
4. CHA∞IN -Instrumental-
5. パパルラ -Instrumental-
<Blu-ray>
Music Video ほか
※特典・仕様は予告なく変更となる場合がございます。
内田真礼(うちだ・まあや)
1989年12月27日生まれ、東京都出身。A型。
内田真礼 オフィシャルサイト:https://www.uchidamaaya.jp/
内田真礼 公式X(旧:Twitter):https://twitter.com/MaayaUchida
内田真礼 Instagram:https://www.instagram.com/uchidamaayataso/
ふくだりょうこ
大阪府出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして執筆活動を開始。ゲームシナリオのほか、インタビュー、エッセイ、コラム記事などを執筆。たれ耳のうさぎと暮らしている。ライブと小説とマンガがあったら生きていける。
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます
特集記事
ランキング
電ファミ新着記事
2024.11.15
ランキング
2022.12.17
2023.02.06
そういえば…『BLEACH』最大の謎、"藍染惣右介の卍解"って結局どうなったの?
2020.08.25
特集記事
芹澤優、仲良しにゃんずのかわいい光景に驚き「るるはおれの!!」【numan猫部】
2024.11.13