宮本デン
音楽と酒とネット文化、そしてアニメ・ゲームに心酔するサブカルライター。大衆が作り出すカオスがどこまでいくのか見届けたいという思いで、日々執筆活動を行っています。表現に対する深読みや考察が大好きなオタク。あなたの好きなカルチャーを、深く独自に掘り下げます。
2024年もいよいよラストスパート! 今年もnumanではアニメ、声優、アイドル、2.5次元俳優など…幅広いジャンルの“推し”を深掘りし、さらなる魅力をお伝えしてきました。きっと皆さんも、さまざまな推しに魅了されてきたことでしょう。そんな皆さんにとっての推しを振り返り、さらに掘り下げるために、スペシャルな年末特集を実施。今年1年の推しへの感謝とともにお楽しみください。
2024年も終わりに差し掛かり、2025年のアニメ情報が多く発表されるようになりました。そんな2025年を迎える前に「推し活総決算」として、筆者が独断と偏愛で推す【2024年のベストアニメ】6選をご紹介します!
INDEX
まずは劇場版の制作も決定し、原作も安定の盛り上がりを見せる『僕の心のヤバイやつ』。二期はどこまで描いてくれるのかとドキドキしていましたが、まさに理想通りの描かれ方で大満足でした!
1期の時点ではまだ友達?といった感じでどこかぎこちない2人でしたが、今期では両片思いの距離感で、付き合うか付き合わないか葛藤している部分も含めてもどかしい気持ちで観ていました。本当に付き合ってないのか!?と思う描写もあり、そのツッコミの空気も含めて原作通りで、原作ファンとしては嬉しい限りです。
筆者が個人的に注目しているのが、市川の友人である足立。両者どちらも山田のことが好きなのですが、今期でとうとう足立と市川の騎馬戦でのタイマンが実現しました。
山田と市川が想いあっているのはわかっているけど、それでも自分を納得させるためにタイマンを申し込む足立。騎馬戦の最中とは思えないほど激アツな口喧嘩を繰り広げ、最後足立が市川に飛び掛かり鉢巻を奪って二人とも倒れこみます。
騎馬戦で負けた市川と、市川の額に書かれた「きょう」の文字を見て負けを悟った足立。足立と市川の想いの強さや、お互いの悔しさがダイレクトに伝わってきて、ここまで丁寧に描いてくれるなんて...!と感激でした。
山田と市川の話が主軸ではあるものの、世界に二人しかいないわけではなく、周囲の人間の力を借りてあるいは認めさせて二人の関係性を築いていく。
今期は山田と市川だけでなくその周囲の協力関係や友人関係にスポットを当てた話も多いです。いろいろな壁が立ちはだかる二人の関係性を大きく進めるきっかけとなった回なのではないでしょうか。
2つ目はとうとう完結を迎えた『響け!ユーフォニアム』シリーズ。元吹奏楽部の筆者は1期から映画も含めてリアルタイムで追い続けましたが、毎シーズン胃が痛くなりながらも視聴を終えることができました。
今シーズンのなによりもの見どころは、原作小説とは違う展開となった久美子のソリストオオーディションを描いた12話です。「裏切らない」ことを約束してきた久美子と麗奈が迎えた結末は残酷で、目を覆いたくなるようなものでした。
1期では逆の立場から同じようなことをしたからこそ、立場が違うからと言って裏切ることはできない。久美子と麗奈だけでなく、視聴している私たちも両立する二つの気持ちにがんじがらめにされるようで、その悔しさと高潔さに涙しました。
「この気持ちも、頑張って誇りにしたい」1期からは想像もできない久美子の成長ぶりに、そういう面でもホロリ。
京都アニメーションらしい美しい描写もさることながら、久美子役の黒沢ともよさんの演技は圧巻の一言です。泣きそうになるときに詰まりがちになる声から、感情が爆発して叫び出し、声の最後に嗚咽が漏れてしまうところまで、ここまで苦しい気持ちになる演技はなかなか目にすることができないと思います。
ぜひ、最初から最後まで己の信念を貫いた北宇治高校吹奏楽部のフィナーレを見届けてほしいです。
2024年には大人気漫画『黒執事』のアニメがとうとう帰ってきました! やったー! 2017年の劇場版アニメ『黒執事 Book of the Atlantic』から実に7年ぶりの再会でした。
ダークで耽美……なイメージの『黒執事』ですが、『黒執事 -寄宿学校編』はシエルとセバスチャンの、どこかちぐはぐな学園生活は単純にギャグとしても楽しめました。
美麗で妖艶なキャラクターたちとは対照的に、真面目な顔をして面白展開になる『黒執事』のシュールさについついハマってしまうのです。そんな『黒執事 -寄宿学校編』の見どころは、まさにそのシュールさが前面に出るクリケット大会の回。
容姿端麗で育ちも良い生徒たちが、一人ひとり大仰な技名を言いながら(心の中で)クリケットの試合を展開する様は「えぇ...?」と困惑しつつもハマってしまうこと間違いなしです。
『黒執事』は題材が題材だけに、少しグロテスクな描写も多かったのですが、今シーズンは学校が舞台ということもあってそういったゴア表現は少し控えめ。
今まで観ていたという方はもちろんのこと、これから初めて観るという方にもおすすめできる、再開を飾るのにふさわしいシーズンとなったのではないでしょうか。2025年には『黒執事 -緑の魔女編』も放映されるとのことで、今から楽しみでなりません。
宮本デン
音楽と酒とネット文化、そしてアニメ・ゲームに心酔するサブカルライター。大衆が作り出すカオスがどこまでいくのか見届けたいという思いで、日々執筆活動を行っています。表現に対する深読みや考察が大好きなオタク。あなたの好きなカルチャーを、深く独自に掘り下げます。
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