宮本デン
音楽と酒とネット文化、そしてアニメ・ゲームに心酔するサブカルライター。大衆が作り出すカオスがどこまでいくのか見届けたいという思いで、日々執筆活動を行っています。表現に対する深読みや考察が大好きなオタク。あなたの好きなカルチャーを、深く独自に掘り下げます。
「俺の人生メチャクチャにして」。
2021年に新刊発売告知のCMで石田彰さんが深山霧島を演じたときから、アニメ化を心待ちにしていた『来世は他人がいい』。アニメのキャスト発表で続投が決定したときは狂喜乱舞しました。
理想通りの深山霧島(CV.石田彰)と最高に妖艶でおかん(?)な染井吉乃(CV.上田 瞳)の掛け合いは狂気と狂気のぶつかり合いで、原作の良さがそのままアニメになっています。作者の小西先生の美麗なキャラクターをそのまま動かすのは難しいのかもしれませんが、ギラッギラな二人とも美しい!
筆者が個人的に好きなのが、吉乃のコテコテの「泉州弁」。実は大阪弁ではなく泉州弁であり、監修も入っていることが作者のX(旧Twitter)で語られています。
アニメではそうディレクションされているのかな?と笑ってしまうほどにコテコテな関西弁で吉乃が喋るのですが、より怖さと荒さが際立ってて吉乃の「おもしれー女」度に拍車が掛かっています。
アニメを見ていると、またあの原作の豪華で美麗な絵で『来世は他人がいい』を読みたくなってしまいます。現在休載中ですが、再開を心待ちにしています。
そして、実は『ダンジョン飯』の作者である九井諒子先生のファンである筆者。『竜のかわいい七つの子』他2作品、これまで出版された短編集は全て読んでいるほどです。
すこし不思議で、切なくて、恐ろしい。そんな話を抜群の構成力で描く九井先生が連載を開始したと知った時から「九井先生の絵が動くところが見たい!」とアニメ化を待ち望んでいました。
『ダンジョン飯』の世界の独特さと、それに納得感をもたらす設定の緻密さ、なぜそのキャラクターはそういう姿・表情・言動・行動なのか? その隅々までアニメとなって動く様はまさに、ファンが「九井先生の作品をアニメ化するならこうあってほしい!」と思う部分にドンピシャで、毎週原作を読み返しながら観るのが楽しみでした。
九井先生の描く間やテンポ感もそのままアニメになっており、戦闘、食事、日常などの各シーンの緩急が絶妙で、つい同じ回を何回も観たくなってしまう。そんな魅力にあふれたアニメ版『ダンジョン飯』でした。
2期も制作が決定している『ダンジョン飯』。ぜひ最終回までアニメ化してほしいです。
なんといっても近年のアニメを語るうえで外せないのはやはり『【推しの子】』でしょう。実写ドラマが始まり、原作も最終回を迎えるなど2024年は多くの展開があった本作。二期は主に『東京ブレイド』の舞台稽古を軸にストーリーが展開されました。
その中で楽しみにしていたのが舞台の本番回。劇中劇であることを生かし、舞台の迫力が存分に発揮されており、原作では見逃していた部分にも目が引き込まれましたね…!
特に見たいと思っていたのが、鳴嶋メルトのアクロバティック演技。『東京ブレイド』でキザミ役を演じるメルトの見せ場なのですが、アニメで動きがついたからこそ、よりその苦悩とカタルシスが感じられました。
『推しの子』の舞台に関する描写は割と特殊で、アニメだからこそ表現できるシーンを多く取り入れています。舞台の激しさや鮮やかさだけでなく、演者の情緒の静動もこれでもかというほどに魅せる構成になっていました。
筆者も2.5次元やそれ以外の舞台を観覧することもあるのですが、生の舞台を見ると呼吸を忘れるほどに集中してしまいます。
『推しの子』の舞台における一つ一つの激しいシーンを観ていると、まるで観客席にいるような没頭感を抱きました。今期の『推しの子』は、アニメのような舞台のような、少し不思議な感覚を味わえた1作でした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
以上、2024年に推したいアニメの紹介でした。年末にゆったりと過ごしながら、2024年のアニメを振り返ってみてはいかがでしょうか。そして2025年も、たくさんのアニメを観て推し活に励みたいと思います。
(執筆:宮本デン)
宮本デン
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