鈴木れな
物心ついたときから生粋のオタク人生を歩んでウン十年。最近の沼はアジアBLドラマ。 2次元から3次元までいろんなモノ・コトを推してます!
台湾BLドラマ「VBLシリーズ」インタビューシリーズもいよいよラスト!
主演キャスト8名(V8)のインタビューに続き、トリを飾るのは本シリーズの総監修を務めるツァイ・フェイチアオ(蔡妃喬)さん。
元々「HIStory」シリーズ(※)でBLドラマというジャンルを切り開いた台湾。
ツァイさんは、VBLシリーズのみならず、人気台湾BLドラマ「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」(WBLシリーズ)や、「My Tooth Your Love」、「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」など多くのBLドラマの制作を手掛けており、いわば台湾BLドラマの育ての親と言っても過言ではありません。
作り手として大事にしていること、BLドラマ制作に携わるようになったきっかけ、さらにVBLシリーズの制作秘話も。
このインタビューを読めば、もう一度VBLシリーズを見返したくなることはもちろん、もっともっと台湾BLドラマを観たくなること間違いなしです!
◆ツァイ・フェイチアオ(蔡妃喬)さんプロフィール
台湾の八大電視にて、長年マーケティングや広報を担当。
2012年には、「イタズラな恋愛白書(原題:我可能不會愛你)」で台湾エミー賞(金鐘奨)番組マーケティング部門を受賞。「時をかける愛(原題:想見你)」や「悪との距離(原題: 我們與惡的距離)」など多くの人気ドラマのマーケティングを手掛けた。
その後独立し「結果娛樂」を設立。
「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」で監修を務め、本作「VBLシリーズ」や「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」など多くのBLドラマの製作を手掛けている。
※「HIStory」シリーズ…2024年現在、5シリーズ・9エピソードが公開されている台湾BLドラマシリーズ。台湾のみならず日本でも高い人気を誇り、台湾BLドラマの金字塔とも言われている。
INDEX
──VBLシリーズを始め、多くのBLドラマを手がけられていますが、作り手として心がけていること、大事にしていることを教えて下さい。
蔡妃喬/ツァイ・フェイチアオ(以下、蔡妃喬):
重要なポイントは2つあります。
まず一つは、やはり脚本ですね。テーマは何か、表現したい感情・思いは何か、それをまず決めます。
もう一つはキャストです。
BLドラマなのでキャストたちはカップル(CP)を演じるわけですが、彼らの組み合わせがぴたりと合っているかがまず大事なんです。
そしてまるで本当に愛情があるのでは、と思わせる親密さが作れるか。そうじゃないと視聴者は信じてくれませんし、そこまでするからこそ視聴者はぐっと心が掴まれるんです。その点はものすごく大切にしていますね。
例えば、イベントやインタビューなどを通じて皆さんも感じてくださっていると思いますが、ドラマの関係だけでなくリアルでもカップルみたいな感じでしょう?
こういった部分が我々としてもキャストに求める部分です。あなた達がまずお互いを好きにならなければ視聴者は誰も信じてくれないよ、と。
──確かに、ライブ配信やイベントなどでもすごく距離が近いな、仲が良いなと感じます。
蔡妃喬:
BLというのは、「夢の世界」ですし、キャストは視聴者が望む夢の世界を体現してくれる存在なんですよね。だから我々はキャラクターの感情や行動、生い立ちといった細かい部分までを話し合い、それをキャストにも伝えます。
ドラマの中で描かれる部分は極一部に過ぎません。ですが、描かれていない部分もストーリーとしては存在していますよね。
──VBLシリーズの「AntiReset」のチュー・イーピン(褚一平)は、過去の出来事から心を閉ざしてしまった人物です。
蔡妃喬:
ドラマを見ているだけでは褚一平がどんな子ども時代を過ごしていたのかは具体的にはわかりません。
でも我々はその描かれていない部分もキャストに理解してもらってから演技に入るようにしています。
例えば、幼い頃は彼はこんな感じだったけど、成長するとこうなって、老後はきっとこんな風になるんだろうな、という人生の過程までも本人に深く理解してもらう。そのほうが、より表情や表現に深みが増しますから。
役柄に対する理解が深まれば、単に自分が演じる役だからというだけでなく、その人物としてインタビューなども答えることができるでしょう。
──作品を制作する際に、具体的にはどのような点を意識していますか?
蔡妃喬:
「視聴者が何を見たいのかを知る」ということです。それを知らないとちゃんとした作品は作れないと思います。
私は漫画やアニメ、小説といったコンテンツを700~800作品ぐらいは観ています。そうして限られた制作予算の中で、視聴者の皆さんが好む要素をどう取り込むのが一番効果的かを考えています。
──元々はマーケティングが専門で、数々の人気作を手掛けられたそうですね。
蔡妃喬:
そうですね。「イタズラな恋愛白書(原題:我可能不會愛你)」、「時をかける愛(原題:想見你)」や「悪との距離(原題: 我們與惡的距離)」などの作品のマーケティングを担当しました。
──そこからBLドラマの制作を手がけるようになったきっかけは?
蔡妃喬:
マーケティングとして担当したドラマは、重厚な人間ドラマが多くて。
でも人生ってしんどいじゃないですか。疲れて帰ってきた時に重たい作品を観るのはキツいなあ、もうちょっと楽しくて軽やかな、そういうものがいいなと。
そうするともうBLしかないじゃないって(笑)。
また、新人の役者を育成できる機会でもあると考えました。我々が起用する役者は新人が多いですが、その彼らがしっかり演じきって、SNSやライブ配信を通じてファンの皆さんとも交流する。そういった部分でマーケティングの手法を活かすこともできますし、まず自分が楽しみながら仕事ができるなと思って。
──もともとBL作品が好きだったんですか?
蔡妃喬:
いえ、BLドラマを作ろうと決めてから観始めました。最初はタイの作品をたくさん観て、マーケティングの手法なども含めて研究しました。
当時は台湾でもすでにBLドラマは制作されていました。そこから、我々が作るとしたらどういうものを作ろうかと考えました。
まずはオリジナルのシリーズで、やっぱり観客の見たいもの、見て喜ぶものを作りたいなと。
以前に「不良ですね(原題:終極一班2)※」というドラマに関わっていて、その時に出演していたリン・ズーホン(林子閎)とも色々話をしていたんですよね。
それでBLドラマを作るって言ったら、彼が「僕もでます」と。それで「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」(※2)に出演することになったんです。
※「不良ですね(原題:終極一班2)」…2012年制作の台湾ドラマ。主演はアイドルユニット・フェイルンハイ(飛輪海)のジロー(汪東城)、リン・ズーホン(林子閎)も中萬鈞役で出演した。
※2「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」…2021年制作のBLドラマ。WBLシリーズとも呼ばれる。常に成績1位の天才・シードー(高仕徳)と、彼のせいでいつも「万年2位」のシューイー(周書逸)の恋を描く。リン・ズーホン(林子閎)は高仕徳役として主演を務めた。
──WBLシリーズは、日本でもたくさんのファンがいる人気の作品ですね。日本でもBLドラマが多数配信、制作されるようになりましたが、台湾でのBLドラマ市場はどのような規模なのでしょうか?
蔡妃喬:
一定の人気のあるジャンルですが、やはりBLというテーマは弱い部分があります。メジャーのテレビ局はまず取り上げないですし、出資者も限られてくる。
そこで我々はずっとファンの拡大に取り組んでいます。ファンの大半は女性ですが、成長してお母さんになって今度は子どもを連れて見に来たり、パートナーと一緒に来たりとかね。
環境的な面では、インターネットの存在がかなり重要ですね。ネット配信を通じて国境を簡単に超えることができる。BLファンなら例え字幕がなくとも、内容が分かるわけですから。その点はすごく良い部分だと思っています。
──台湾だけでなく、世界に向けて発信していくことがファンの拡大に向けても重要だと。
蔡妃喬:
その通りです。日本でも台湾でも、ファンの皆さんは熱量が高い。
ドラマを出発点として、そこから役柄だけでなく演じているキャストのことも好きになってくれる。そうするともうこの役者をずっと応援してくださるようになるんですよね。ライブをやれば足を運んでくださるし、配信1周年などの節目でSNS投稿があるとすごく盛り上がってくださったり。
例えば「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー(※3)」で、リン・ズーホン(林子閎)がカメオ出演しました。すると皆さん「帰ってきた」と喜んでくださるんです。
VBLシリーズも「AntiReset」の職場の大学は「Stay By My Side」の二人が通う大学だったりとか、作品間でのちょっとした仕掛けも意識して取り入れています。
※3「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」…人気作家Priestの「大哥」を原作に、血の繋がりのない兄弟同士の恋愛を描くBLドラマ。2024年2月よりRakuten TV、ビデオマーケットで配信中。原題:關於未知的我們
──BLドラマの制作で大事なポイントは脚本とキャストだと仰っていましたが、VBLシリーズのキャスティングについてはいかがでしたか?
蔡妃喬:
まずオーディションでは、役者1人1人にきちんと演じる役柄について理解してもらうよう、丁寧に話をしています。
それからCPとなる二人で合わせながら演じてもらいます。一人の芝居だけでは駄目で、やはり相手とのやり取りが非常に大事です。
二人で演じてもらいながら、カメラテストや演技を確認し、オーディションを進めました。
――脚本はどの段階で完成しているのでしょうか?
蔡妃喬:
脚本はすでにその段階では出来上がっていますが、そこに描かれている登場人物たちはまだ魂が入っていない状態です。
そしてキャストを決めてから、今度は脚本をキャストに合わせて書き直して調整します。
例えば「Stay By My Side」のグー・ブーシア(顧歩夏)は、大きな修正はしませんでしたが、カメラテスト後に、演じるホン・ウェイジョー(洪暐哲)の表情に合わせて少し手直ししました。
そうすると、自分に近い分、本人も演じやすくなるんです。
「You Are Mine」では、シャオ・ホン(蕭鴻)の瞳が凄くインパクトがあって。まるで子鹿みたいな個性的な瞳なんですよね。ここはイケる!と感じて、この部分をもっと強調できるようヤオ・シュンユー(堯舜宇)のキャラクターに取り入れました。
具体的には「僕はできる!」って大声で叫んだりする部分ですね。
そうすると、まだ世間を知らない、怖いもの知らずなイメージが強くなりますから。
「AntiReset」の褚一平もそうです。演じるウー・ピンチェン(吳秉宸)は凄く若く見えますから、当初の脚本ではそれなりの落ち着きのある大学教授という設定でしたが、ちょっと無理がありました。だからもっと年齢の若い大学教授という設定に直しました。
──確かに、ドラマの中では描かれていませんが、飛び級で若くして教授になったんだろうなと思っていました。
蔡妃喬:
実はその通りで、飛び級したという設定なんですよ!
彼は幼い頃から、勉強することしか知らないんです。だから飛び級で卒業して26歳でもう准教授、そして27歳で教授になるんです。
台湾にはなんと14歳で大学教授になっちゃった、という人がいるので、そういった実在の人物を取り入れながら、あり得ない架空の存在ではなく、実際に存在していそうな人物としてキャラクターを作っていきました。
──逆に「VIP Only」のグー・ジン(古勁)の場合は、演じるホアン・チョンバン(黃丞邦)さんよりもかなり年上の設定ですね。
蔡妃喬:
はい、ホアン・チョンバン(黃丞邦)は、実はWBLシリーズにも出演しているんですよ。ペイ・ショウイー(裴守一)のレストランで働くウェイターの役でした。
そこから「VIP Only」の企画を立て始めた頃に、彼に牛肉麺屋のオーナーを演じてもらおうとなったんです。
ドラマの舞台となる創作料理店の「古宅(グージャイ)」、この店内には古時計がたくさん飾られていますが、この部分は、古勁の心のなかに、過去のまま時を止めてしまっている部分があることを意味しています。
古勁は、過去には敏腕広告ディレクターでもあった人物で、オーナーシェフでもあります。だからそれにふさわしい貫禄のある感じにしようか、でも演じる黃丞邦は見た目が若いからと議論を重ねて、35歳くらいの設定を少し下げて32歳にしました。
これも褚一平の時と同じように、実際にいそうな人物像を作るわけです。
――かなり細かく調整して設定に変更を加えているのですね。
蔡妃喬:
「You Are Mine」でマオ・チーション(毛祁生)が演じる社長・夏商舟(シア・シャンジョウ)も、年齢的には35~6歳の設定ですが、彼の場合は背景を変えました。二代目社長ということにしたんですね。二代目でまだ威厳が足りない、だからこそ笑わず周りにも冷淡に接して、自分の威厳を作り出そうとしているという背景を加えました。
この時には、台湾での二代目社長の平均年齢とかそういったことも調べました。
やっぱり役者を決めてから、その役者の持っている特徴や気質を活かすように脚本の中のキャラクターを調整するんです。
そうすると、本人もすごく演じやすくなるので、この手法はよく使いますね。
──そういった手法を取られるのは、やはり新人俳優を起用することの多いBLドラマだからでしょうか?
蔡妃喬:
というよりは、我々の仕事のスタイルだと思います。
役者には細かく丁寧に、表現したいテーマやキャラクターの感情を伝えて話し合い、そして役者本人の持つ良い面を我々がどうやって引き出すかを考えます。
そうすると、役者は、演じていく過程で得るものも多いし、自信もついてくる。そこから多くのファンが付いて、ドラマを出発点にして更に大きく活躍することができる。そういう考え方です。
他のジャンルのドラマと異なる部分があるとすれば、BLドラマの場合は持てる資源を全てCPに投入するところでしょう。
彼らのイメージ、見た目やキャラクター、それから演技も全てCPに集約させるんです。
だから二人のフィーリングがすごく大事になりますし、フィーリングが噛み合いさえすればうまくいくんです。
──CPの組み合わせが大事だと。例えばVBLシリーズでは、CP4組、8人のキャストがいますが、皆さん本当にタイプの違うイケメン揃いだなと感じます。
蔡妃喬:
4作品、一緒にせずに全部別々の会社で作ればいいじゃないかと言われたこともあります。でも私はそう思いません。
ジャンルが違う、ストーリーが違う、それぞれの4CPが揃うからこそ、その中からどれか一つでも自分に合う、好きなところを見つけることができると思っているんです。それが我々の狙いですから。
例えば、「Stay By My Side」の二人は身長がほぼ同じですが、二人から受ける印象は違いますし、「You Are Mine」の夏宇CPは逆に身長差があって、彼らと同じくらいの身長差なのは「AntiReset」の平恒CPです。
身長差一つとっても、好きな人、嫌いな人、好みって分かれるでしょう?
──確かにそうですね。
蔡妃喬:
この点も実はビッグデータを活用して調べています。マーケティングの観点から言うと、顔のタイプが違うと反応も全く違うんですよね。このタイプを好む人はどういう人なのかとかね。だからキャスティングではそういった点も考慮しています。
──「Stay By My Side」は、二人の身長差がない分、お互いに対等な等身大の恋愛というテーマがとても伝わりやすかったと感じました。
蔡妃喬:
そうです!
彼らは「僵持不下CP」ですから。つまりお互いに譲らない、そういう意味を込めているんです。
──「VIP Only」では、手の演技がすごく美しいなと感じたんです。特にキスシーンの場面は、すごく映えるなと。
蔡妃喬:
彼らの場合は、いろいろな角度や構図を試してみたんです(笑)。
首から手を回して、耳を少し撫でるという仕草が、この身長差は一番綺麗に見えるんですよね。
現場では、監督といつもどうすれば一番美しく見えるかを入念にチェックしています。
「You Are Mine」と「AntiReset」はだいたい同じくらいの身長差ですが、この二つのCPの関係性も面白いポイントだと思います。
「You Are Mine」の夏商舟は傲慢な俺様社長だけど、心の中は空っぽ。「AntiReset」の褚一平は凍てついた心の奥で愛を渇望している人物。
商舟には舜宇がいて、一生懸命にあれもやろうこれもやろうって励まして盛り上げてくれるんですね。
一平の場合は、恒9(ホンジウ)が凍てついた心にいろんな愛を注いでくれる。
この二つはそういった対照的な存在としても描いています。
──「You Are Mine」のキスシーンでは舜宇が背伸びをしているのがとても可愛いなと思いました。
蔡妃喬:
そうです。彼は常に商舟と肩を並べようとして一生懸命なんです!
逆に「AntiReset」では一平のほうがどんどん寄っていっちゃう。これはもう教授の癖のようなものでつい構ってしまうんですよね。
──身長差一つとってもそういった狙いがあるのですね。もう一度ドラマを見返したくなってきます!
蔡妃喬:
VBLシリーズは4作とも恋愛ドラマではありますが、作り手側としては、単なる恋愛ドラマにはしたくないと思っています。
一作目の「Stay By My Side」は、もう本当に青春、無条件に人を好きになって恋をする、学生時代が舞台です。その中で、隣に大事な人がいてくれることで自分が支えられ前向きになれるということを描きたかった。
そして二作目「You Are Mine」は、学生を卒業した社会人の話。学生時代とは違い、自分の立場や環境などが恋愛にも影響してきます。
「VIP Only」は、自己受容がテーマです。
人は誰しも欠点がある、けれどこの欠点を認めて受け入れるには勇気が必要なんです。自分にとって大事な存在から勇気をもらい、自分の弱さや欠点を受け入れて強くなる。前向きに踏み出せるようになる。
最後の「AntiReset」は、そうやって受け入れた自分の存在について、誰しも取って代わることのできない、かけがえのない存在なんだよということを伝えています。
4作とも確かに恋愛ドラマですが、それぞれにテーマがあります。だから表に出してはいませんが、ちゃんと順序にも意味があるんです。
──シリーズの最後がAI系というのが不思議だったんですよね。学生、社会人、癒やし系までは感覚的に理解できたのですが、AI系って何だ?って。
蔡妃喬:
「AntiReset」をシリーズのどこに持ってくるかの議論はありました。でも、人間が生まれてから成長し、大人になって歳をとる。時間軸で言えば未来に向かっているわけです。未来では人間そっくりのロボットを作ることが可能だったりするかもしれない。でも、だからこそかけがえのない存在というものをどう証明するかを描きたい。そう考えた時にやはり順番としては最後なんですよね。
──VBLシリーズでは、4作のうちどれか一つは悲恋モノになるのではという噂があって、観るのを躊躇していた方もいるようです。特に「AntiReset」はシリーズ最後ですし、人間とAIの恋なんて悲恋しかないでしょうって。そんなファンの危惧の声は届いていましたか?
蔡妃喬:
はい、届いていました、実はそうなんですよ(笑)。
だからオンエア中から我々制作陣もキャストもずっと「絶対ハッピーエンドになります!」って言い続けていました。
さきほども言いましたが、BLドラマで表現すべきなのは、視聴者が感情移入できること、そして夢の世界を実現させることです。
だから、BLドラマにバッドエンドはあり得ないと私は思います。
「WBLシリーズ」でも「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」の時も、視聴者の皆さんその点を心配されていたんです。
でも皆さん!我々のドラマに心配は不要です!(笑)。
──それは大変心強いですね!
──「You Are Mine」番外編では、プロポーズの場面が描かれていました。台湾では同性婚が可能ですが、その点も制作時に意識していますか?
蔡妃喬:
意識はしていますね。
でも、同性婚が認められるまでもBLドラマはありましたし、プロポーズを描いてはいけないという制約もありませんでした。
その点は現在でも変わりません。これがLGBTQの話になると結婚や家庭という問題をきちんと考慮する必要がありますが、BLの世界ではとにかく世界は美しい、愛があればそれでいいという世界観です。
二人が恋に落ちて愛し合う、すると次はおそらく家庭を作ること、プロポーズして結婚してというその先の物語があるんだよとドラマの中では伝えています。
BLドラマにおいても、プロポーズはすごく美しい場面だと思うし、機会があれば描きたいと考えています。
──「You Are Mine」では花火や照明なども使ったとてもロマンチックで美しいシーンになっていました。
蔡妃喬:
役者の二人は「僕たちが本当にプロポーズするんだったら、こんなにお金かけて演出する?」って言ってましたけどね(笑)。
そこはほら、ドラマですから(笑)。
──ツァイさんご自身が演じる、舜宇の母親からのプレッシャーもありましたし(笑)。
蔡妃喬:
母親の姿に共感を覚える方は多いと思います。
やっぱり母親だから自分の息子に幸せになってほしい、相手がどうであれ、とにかく息子を大切にしてくれる人であればいいって、その気持は万国共通だと思うんです。
──「それだけの価値がある子よ」というセリフが胸に迫るものがありました。
蔡妃喬:
番外編を観て涙したって沢山の方が、言ってくださるんです。
自分たちを認めて、理解してそして応援してくれる、そんな人がいることがどれだけ美しく価値のあることなのかと感動して涙が出たって。
WBLシリーズや「僕らも知らない僕らーUNKNOWNー」、そして今回のVBLシリーズもそうですが、我々は常に同じ考え方で作品を作っています。様々な人物、物語を通して、周囲が認めてくれること、受け入れてくれることはすごく大切なことだとずっと伝えているんです。
──ありがとうございます。それでは最後にファンの皆さんへ一言お願いします。
蔡妃喬:
VBLシリーズについては、シーズン2がすでに準備中です。また異なる物語を皆さんにお届けしようと考えています。
間もなく情報をお伝えできると思うので楽しみにしていてください。
これまでも日本の皆さんには、多くの作品をお届けしていますが、ドラマを通じて、言語の壁を超えて、皆さんに常に新しい作品、そして新たなコミュニケーションを生み出すことができると思っています。
今回の日本のファンミーティングイベントにもたくさんのファンが来てくださり本当に嬉しいです。
これからもドラマを通じて日本と台湾の交流やコミュニケーションが深まっていくことを心から願っています。
撮影:徳永徹
ツァイ・フェイチアオ(蔡妃喬)さんのインタビュー、いかがでしたか?
作り手としての思い、細かいところに隠された仕掛けなど、盛りだくさんの内容でお届けしました。
numanでは、他にも台湾をはじめとしたアジアBLの記事を数多く配信中!
この機会にぜひ読んでみてくださいね。
◆アジアBL関連記事https://numan.tokyo/tag/%e3%82%a2%e3%82%b8%e3%82%a2bl%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%9e/
さらに、4月末に行われたファンミーティングが、独占インタビューを加えてCS日テレプラスにて放送されます。
VBLシリーズファンミーティング in TOKYO〈日テレプラス版〉の放送は6月30日(日)15:00~。
詳細は番組ページ(https://www.nitteleplus.com/program/vbl-in-tokyo/)でチェックしてみてくださいね。
◆これまでのインタビューはこちら!
https://numan.tokyo/tag/V8/
台湾の三立電視と日本のエスピーオーが共同製作する新たなオリジナルBLドラマ「VBLシリーズ」4部作!
家出したエリート転学生×幽霊の声が聞こえるルームメイトが贈る、学園ゴースト・ラブストーリー!
《あらすじ》
顧歩夏(グー・ブーシア)は幽霊が苦手な宮廟育ち。顧歩夏には幽霊の声が聞こえる能力があったが、怖がりな顧歩夏は祖父や姉に守られ、その力は封印されていた。ある日、姉が不注意で彼の霊符の一角を焼いてしまい、顧歩夏は幽霊の声が聞こえるようになってしまう。だが、新しいルームメイトの江馳(ジャン・チー)がそばにいると、なぜか幽霊の声が聞こえなくなることに気が付き……。
《キャスト&スタッフ》
ホン・ウェイジョー(新風暴)、ヤン・イーシュエン「About Youth」、
チェン・ジンシン「最初の花の香り」、シア・ユーホー「一家團圓」(原題)、
ウェイポー・リァオ「Be Loved in House 約・定~I Do」、シュー・ボーウェイ「正義の法則」、ケビン・チャン
演出:ウー・カイフェイ 脚本:ツァイ・フェイチアオ、リン・ベイシュエン「サンドイッチガールの逆襲」
《Blu-ray/DVD情報》
Blu-ray BOX&DVD-BOX好評発売中!
Blu-ray:各13,200円(税込)/DVD:各11,000円(税込)
《配信/放送情報》
Rakuten TV、ビデオマーケット他、各社動画配信サービスにて配信中!
FODにて見放題先行独占配信中!
CS 日テレプラスにて5 月20 日より放送
作品公式サイト:https://www.spoinc.jp/dc/t/vbl1.html
完璧主義者のオレ様社長×入社したてのピュアな新人秘書が贈る、恋に不器用な2人のスーツ系ラブコメディ!
《あらすじ》
新人秘書の堯舜宇(ヤオ・シュンユー)は、業界でも有名な秘書室に就職、個性的な女性たちが集まる秘書室唯一の男性秘書となる。ラッキーだと思ったのもつかの間、舜宇は扱いづらいと評判の社長・夏商舟(シア・シャンジョウ)と出会う。怒りっぽいうえ神経質で、社員にキツく当たるこの社長、書類を置く角度にまでこだわり、分度器で測らせる完璧主義者。誰がこの地獄へ墜ちたがる? 新入りの舜宇がこき使われることに。仕事の内容は、寝かしつけ、マッサージ、添い寝にはじまり、お見合いの付き添い、誘拐までされる始末。この仕事、大変すぎる!
《キャスト&スタッフ》
マオ・チーション「麗しの城主様~恋の宮廷騒乱記~」、シャオ・ホン『ゴールデン・ジョブ』
スン・チンユエ「1989年の君へ」、ホン・シー「月村歡迎你(原題)」、ユェン・リン「恋愛は科学!?-What is Love?-」
演出:チェン・ホンルー『ブレイド・マスター』「おんなの幸せマニュアル2 俗女養成記2」
脚本:ツァイ・フェイチアオ、リン・ユンシャン「生死接線員(原題)」
《Blu-ray/DVD情報》
Blu-ray BOX&DVD-BOX好評発売中!
Blu-ray:各13,200円(税込)/DVD:各11,000円(税込)
《配信/放送情報》
Rakuten TV、ビデオマーケット他、各社動画配信サービスにて配信中!
FODにて見放題先行独占配信中!
CS 日テレプラスにて5 月29 日より放送
作品公式サイト:https://www.spoinc.jp/dc/t/vbl2.html
甘々なオーナーシェフ×恋愛初心者のBL小説家が贈る、甘くて美味しいヒーリング・ラブロマンス
《あらすじ》
作家にとって、インスピレーションを失うことは地獄だ。かつてベストセラー作家だった劉歴(リウ・リー)は、憧れの人が留学してしまって以来、その地獄の中で暮らしていた……。日がな一日「古宅」に籠もって思いを巡らす彼を、店のスタッフの劉育仁は邪魔者扱いし、オーナーの古勁(グー・ジン)は黙って観察していた。ある日、古勁の目の前で屈辱的な目に遭った劉歴は、やけ酒を飲んで泥酔し、皆の見ている前で古勁にすがりついた……。
《キャスト&スタッフ》
ホアン・チョンバン、チェン・シュエンユー「サンドイッチガールの逆襲」
チェン・ウェイイエ「 My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」、ホアン・ホンシュエン「アテンションLOVE」、
チャン・ジョーウェイ「機智校園生活(原題)」
演出:リエン・ユージャー 脚本:ツァイ・フェイチアオ、シャオ・イーウェイ「天巡者」、チェン・リャンツー
《Blu-ray/DVD情報》
2024.4.10(水)Blu-ray BOX&DVD-BOX発売!
Blu-ray:各13,200円(税込)/DVD:各11,000円(税込)
《配信/放送情報》
Rakuten TV、ビデオマーケットにて配信中!
FODにて5 月1 日より見放題先行独占配信!
CS 日テレプラスにて6月10日より放送
作品公式サイト:https://www.spoinc.jp/dc/t/vbl3.html
氷のように冷淡な大学教授×人間の姿と感情を持つAIロボットが贈る、AIラブロマンス!
《あらすじ》
何に対しても冷淡な褚一平(チュー・イーピン)は、歴史学部で教鞭をとる大学教授。アクシデントでケガを負ってしまった褚一平のもとに、何かと世話を焼こうとする叔父が、身の回りのサポートのため、自社で秘密裏にテストを進めている商品――人工知能(AI)ロボットを送りこむ。自らを“お届け”するため、褚一平の家のインターホンを押すAIロボット・恒9(ホンジウ)。人間の姿と人間の感情を持つAIを前に、褚一平の中で、この不思議な恒9の仕組みを知りたいという欲望が湧き起こる。
《キャスト&スタッフ》
ホアン・リーフォン『今日も彼の朝ご飯』、ウー・ピンチェン「日光樹影(原題)」
ララ・チェン「一家團圓(原題)」、チョウ・ヨウシュエン、テイ・チャイ、ワン・インヤオ
演出:リエン・ユージャー 脚本:ツァイ・フェイチアオ、ガオ・ルーピン、シン・エイ
《Blu-ray/DVD情報》
2024.6.28(金)Blu-ray BOX&DVD-BOX発売!
Blu-ray:各13,200円(税込)/DVD:各11,000円(税込)
《配信/放送情報》
Rakuten TV、ビデオマーケットにて配信中!
CS 日テレプラスにて6月19日より放送
作品公式サイト:https://www.spoinc.jp/dc/t/vbl4.html
出品:三立電視(台湾)、エスピーオー(日本)
総監修:ツァイ・フェイチアオ「We Best Love」シリーズ、「My Tooth Your Love ラブリー・クリニック」
監修:シュー・ズールイ、シャオ・ジーウェイ「恋愛は科学!? -What is Love?-」「跟鯊魚接吻」(原題)
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VBLシリーズ公式サイト:https://www.spoinc.jp/dc/t/vbl.html
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