加藤日奈
アニメ系やコミック、2.5次元舞台俳優、声優系インタビューやコラムなどWEBメディアを中心に活動するフリーライター。所有するBLコミック小説が3,000冊を超えて増殖し続けている紙派の腐女子。
現在放送中のアニメ『忘却バッテリー』。投手・清峰葉流火と、捕手・要圭の怪物バッテリーが、野球無名校の小手指高校へ入学し、そこで出会ったかつてのライバルたちと共に再び野球を始める物語が描かれています。
本作は圭が記憶喪失で野球の知識も失っているというユニークな設定、魅力的なキャラクターたち、高校野球のリアルな部分を描いた描写、ギャグとシリアス要素の絶妙なバランスなどが人気とのこと。いよいよクライマックス突入となりましたが、その魅力と注目した激熱ポイントをオタクライターが追ってみました。まだ間に合うか……!?
※記事の特性上、内容に触れています。
INDEX
まず目を惹いたのは野球無名校・都立小手指高校で偶然巡り合った“ハイパーつよつよ1年生”たちの際立つ個性!
中学球界で名を馳せた完全無欠の豪腕投手・清峰葉流火(CV増田俊樹)。恵まれた体格と恵まれたビジュアルはパーフェクトマン。さらに天才的な打撃センスと努力を惜しまないひたむきさがあるのに、無口なコミュ障で自己中心的、傍若無人な態度と、見た目をふくめ揃っている要素が多いのに比べて内面のポンコツ要素がデカ過ぎて草を禁じ得ません(だが、そこがいい)。
また幼なじみである要圭(CV宮野真守)しか勝たん的な頑なな思いも強く、野球名門校から多数のスカウトを受けつつも圭とバッテリーを組んで野球がしたい一心で圭の志望した無名校に入学してくるという忠犬ぶり。そのただならぬ忠実さと執着の意味が大きそうで(これアレだな、想像以上に二人の間になんかあるな……)と早い段階で考察めぐらせオタクです。
その清峰の幼なじみである要圭は本作の主人公ポジション。清峰とシニア時代バッテリーを組み、冷静沈着なリードで“智将”と呼ばれるほどの名捕手だったのに突然の記憶喪失、野球のことも忘れてしまい素人同然に。
ユルユルでアホ明るくウケないギャグをしつこく連発する姿に最初の方はとまどいましたが、話数が進むごとに圭のまっすぐな明るさや、大らかで素直な姿がいつの間にか胸を打つ存在になりました。配慮に欠けた発言をした清峰に「こら 人の努力否定するの禁止な」と真顔で指摘できる根の優しさにキュン。そしてなによりある朝、突然覚醒して“智将”だった圭に戻ったときの凜々しさに撃沈。
頼りがいのある圭がまぶしすぎて胸をバズーカ砲で撃ち抜かれた気持ちに。“智将”圭の落ち着いた鬼イケボにCV宮野真守はダテじゃない……(震)と心底納得したSSRキャラ・要圭!
そして個人的に性癖にブッスリ刺さったのは“ハイパーつよつよ1年生”ズの中でも藤堂葵(CV阿座上洋平)。
後述する千早瞬平と同じく中学時代、清峰・要バッテリーに心を折られ負けたことで野球から遠ざかっていましたが、本来は強肩を活かしたパワーヒッター。長身から繰り出される打撃センスもですが、金髪ロン毛という派手なビジュアルでイカつそうなのに根が真面目でストイック。ギャップ萌え!
さらに幼い妹には優しく、姉に「メシ作れ」と言われていることから、ふだんから家事もやってるんだ……ということが分かりギャップ萌えその2! 「1番遊撃手、藤堂葵様だ。覚えとけコノヤロー」系のイカつい男子が色んなものを背負うポジは最高です。不憫しか勝たん。
さらに“ハイパーつよつよ1年生”ズには藤堂と同じく清峰・要バッテリーに負けたことで野球から離れていた千早瞬平(CV島﨑信長)が。
メガネが特徴的なサブカルおしゃれ男子!というビジュながら俊足が武器の二塁手。
やや小柄な体格をカバーするために技術を磨き上げていて、頭が切れ、野球の知識も豊富!そのクールなインテリっぽさは推せみがあり、みんなの頭脳!という感じなのですが、チームに協力的で色々なアイデアを提案するなどさりげない優しさも見えるイケ球児。なのに思春期男子なので断りたい面倒な頼み事もAV1枚で釣られるという脇の甘さが激カワ。
年相応にアホな一面が輝いていて、残念イケメンです。そしてまだアニメ現段階では明かされていない千早の過去。飄々とした千早の知られざるバックボーンが知りた過ぎます…!
この運命のめぐり合わせの中で、忘れてはいけないのがMr.フツメン・山田太郎(CV梶裕貴)。侮るなかれ、本作の語り部兼ツッコミ担当であり、この都立小手指高校野球部のクセつよメンバーの中で温厚な常識人、癒やし枠といえます。
飛び抜けた才能はないものの真面目に練習を重ねてきたぶん、基礎力もありチームメイトから厚い信頼を寄せられているヤマちゃん。色んな場面で見えてくるヤマちゃんの真面目な優しさや誠実な人柄に、思わず泣いてしまうほど感動しました。ヤマちゃんが幸せならオタクも幸せだよ!
また、なんといっても本作の最大の魅力はストーリーの巧妙さ! ギャグとシリアス要素のバランスが絶妙で、高校野球のリアルな部分を描いた描写や、あとから気づいて、話数を遡って何度でも確認したくなる伏線の数々。
加藤日奈
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